2008年6月27日(金)  日立港
              午後5時半〜午後8時半
ノビタの釣り天国



      今日もアジが主役だった



                                 
     そろそろ開演だ
アジ釣り
アジばかり釣っていると、
「ええ加減セェ〜ヨ」
と、どこからか叱咤の声が聞こえてくるような。
でもノビタには、こんなもんしか釣れんのである。
どんなに頑張っても、ダメなのはダメなのである。
まるでノビタの人生を象徴しているような。
こんな時は、ウルフルズの『ええねん』を歌うのである。

「ええねん
 アジが釣れれば ええねん
 なんでも釣れれば  ええねん
 笑われても ええねん
 好きにするのが ええねん
 感じるだけで  ええねん
 気持ちよければ ええねん
        それで ええねん
        それで ええねん
 ボクはアジが ええねん
 好きでいれたら ええねん
 楽しい夢を見れたら ええねん
 ステキな2人が  ええねん
 心配せんで  ええねん
 ボクを見てれば ええねん
        それで ええねん
        それだけで ええねん♪」
                                             
    使用サビキ
『ジェットストリーム』
海底のように暗く静かな堤防を。
重いバッカンをぶら下げ、帰って来た。
無風。
暖かい。
全身が汗ばんでくる。
薄闇に覆われた堤防の上に、黒いシルエットが、ポツ、ポツ、ポツと3つ。
漆黒の海に赤く輝く電気浮子を、ジッとみつめ声が無い。
夜空には星屑がいっぱい。
北から南へ、飛行機の赤い灯りが、点滅しながらゆっくり移動していく。
女性のハミングが美しいミスター・ロンリーのBGMをバックに。
『ジェットストリーム』のナレーションを担当する城達也の声が聞こえてくる。

「遠い地平線が消えて
 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
 はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、
 たゆみない宇宙の営みを告げています。

 満天の星をいただくはてしない光の海を
 ゆたかに流れゆく風に心を開けば、
 きらめく星座の物語も聞こえてくる
 夜の静寂(しじま)の、何と饒舌なことでしょうか。
   ・・・・・・・・・・・・」

釣り場への途中
話しを初めに戻そう。
堤防を釣り場に向かい歩いていると、名前は知らないが旧知のおっさんがいた。
ようすを聞くと、テトラの隙間にいるメバルを狙って6時間、ぜんぜんアタリが無いと深いため息をついていた。
ー”ため息は命を削るカンナの音”あまり根をつめないほうが良いですよ。
と声を出さずになぐさめ。
もうすぐ暮れるのでこれからが勝負です、と言いながら別れてきたが。
彼は1時間あとには、
「肩こりを みやげに今日も 釣果なく」
    (団地の習字の先生)
の看板を背に、トボ、トボと帰って行った。

歩いていると。
こんどは、堤防縁を落とし込みで黒鯛を狙っている旧知の釣り師がいたのでようすを聞くと、45センチを1枚釣ったという。
黒鯛の落とし込み釣りは、砂浜で米粒大の宝石を探すようなもの、奇跡に近い偶然を執念で釣るのである。
とてもノビタにはまねが出来ない。
恐れ入りながら、彼と別れてきた。

        
    ベタ凪
アジ戦
午後5時半、釣り開始。
てんはれ かぜしずか
天霽レ、風静カ。
海はまるで熟睡しているようなベタ凪。
海に降り注ぐ西日を浴び、ただ立っているだけでも全身から汗が滲み出てくる。

磯2号の竿を2本出した。
10分、20分、30分・・・1時間、反応無し。
隣りで、コマセ籠を付け浮子釣りをしている人が時々、豆アジを釣っていたのだが・・・。
ノビタと同じように、足元にアジサビキを落としている右隣りの人にもアタリがない。

まだ開演時刻には間があると思っていたが、
ー今日は駄目か?
という不安もあった。
「女が男を待たせるのは、もっと期待を膨らませてあげたい一心からなの」
   (ヘネローレ・エルスナー ドイツの女優)
待った。
その時がくるのを。
待てば待つほど、喜びが増すのだと。

午後6時55分。
と・・・。
左側の竿先が、勢いよく上下にお辞儀を繰り返した。
これがベルは鳴らなかったが待望の幕開け。
このあとは、いつものように嵐のような入れ食い。
そしていつものように、堤防が濃い夜の闇に包まれた午後7時半にアタリが消えて。
値千金の充実した一時(ひととき)は終わった。

メバル戦
いつもなら此処で納竿だが、今夜はそのままメバル狙い。
仕掛けを、胴突き3本針(メバル針10号)にし青イソメをつけ、電気浮子をつけ。
一振り入魂の第一投。
竿2本とも、メバル狙いとした。

午後8時過ぎ。
電気浮子の赤い灯りが、真黒い海に溶けていくように沈んで行った。
ガーン!と合わせたが、手応え無し。
回収した針を見ると、なんと!アジの目ん玉が一個引っ掛かっていた。
「南無阿弥陀仏」
ーチーン。

仕掛けを海に戻し、数分経過。
浮子が海面にわずかに沈んだ。
それ以上は沈まない。
「・・・・・・・・・?」
そっと竿を合わせると、軽い手応え。
そのままリールを巻き仕掛けを引き上げると。
真暗な堤防の上で、パッタン、パッタン跳ねたのは、18センチほどの黒メバル。
これを見て、今日は止めることにした。

「聖人は微を見て以って明を知り、端を見て以って末を知る」
   (『韓悲子』より)
メバルのアタリは本来、もっと勢いがあり浮子をズボッ!と一気に海中に消し込むもの。
今夜のメバルは、どうも食い気が無いとみたのだ。
すなわち、端を見て以って末(終わり)を知った気がしたのだが・・・。

本日釣果
  アジ  15〜22センチ  37匹
  メバル  18センチ     1匹
  タナゴ  20センチ     2匹



















The END
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