| ２００８年８月１２日（火）
日立港 午前４時半〜午前９時半 |
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| ２００８年８月１２日（火）
日立港 午前４時半〜午前９時半 |
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泳がせ釣り第２戦 霧雨が混じる  魅せられたる魂今は。 ロマン・ロランの『魅せられたる魂』ではないが、カンパチの泳がせ釣りに”魅せられたる魂”である。 寝ても覚めても、頭の中に水族館があり。 その中でカンパチが、ザブン、ザブンとノビタのしかけた小魚を追っている。 そして突然、「フイッシュ・オン！」と、あたりかまわず叫び声を上げ。 夢の中で、カンパチと壮絶な戦いを繰り広げるているのだ。 もう病気ですね、間違いなく。 なぜそこまでカンパチに魅かれるのか。 カンパチを鳥にたとえたら、猛禽類の隼（はやぶさ）ではないか。 隼は体長４０センチ、小鳥を追う速さは時速３５０キロメートル。 カンパチが獲物を追う速さは分からないが、気持ちの上では隼と同じと思っている。 カンパチは速いだけではない、そのパワーも並外れだ。 フイッシュ・オンしてから陸に引き上げられるまで、命の浪費を惜しまず、最後の最後まで戦い燃え尽きるのだ。 一度、このカンパチの引きを味わった釣り士なら、”好きにならずにはいられない”はず。 とにかくノビタは、 「あの素晴しい引きをもう一度 あの素晴しい引きをもう一度♪」 （『あの素晴しい愛をもう一度』のメロデーで） と、今日もカンパチを追って海へ走る。 穏やかな夜明け 午前３時４０分。 外は、まだ夜の底だ。 空は一面雲に覆われ、月も星もない。 ロシナンテは、スタータをオンすると、 「ウルルルルル・・・・・」 と低いうなり声を上げ、暗闇をパッと照らし。 そのまま、まだ深い眠りについている街へ飛び出した。 餌は大漁  堤防には、釣り狂のヘッドランプの光線が、いくつも踊っていた。先日の場所には誰もいなかったので、そこに荷物を下ろし竿を３本出した。 １本は餌を釣るためのサビキ用、他の２本は泳がせ釣り用である。 準備が完了したのは、午前４時半。 夜は白々と明けてきた。 餌は入れ食い 生暖かい北風が吹き、海は無数の小波が起っていた。 時おり空気に雨の粒子が混じったが、本降りの心配はなさそうだ。 コマセ籠を付けた仕掛けを海に沈めていくと。 待っていたかのように、ヒクヒクヒクとアタリが竿を持つ手に伝わってきた。 初めに上がってきたのは、７〜８センチの豆アジが３匹。 入れ食いで豆アジが釣れる。 豆アジがいなくなると、今度はハナダイ。 ３〜４分で、餌が２０匹ほど釣れたので餌釣りを止め。 カンパチ狙いの竿（磯竿２号２本）に、釣ったハナダイを付けて泳がせた。 竿がカンパチに持って行かれないように、１００円ショップで買ってきた洗濯ばさみで竿尻を鋏みその先にロープを付けた。 そのまま置き竿にして待つ。 １０分、２０分、３０分・・・。 餌のハナダイが、元気に泳ぎ、時々、竿先をお辞儀させる。 何事もなく時が過ぎて行く。 竿先をジッと見つめていた。 カンパチとの戦い 午前５時半。 突然。 竿が大きくクシャミをし、竿先がバウンドした。 ー前アタリだ！ （餌のハナダイが、天敵に驚き逃げようとする引き） 竿尻の紐を外し、竿を掴んだ。 洗濯鋏みとロープで  ゆるんでいた空気が、一気に緊迫。それまでの、倦怠、焦燥、失望が、一瞬にして消え去った。 ー喰らえ、喰らえ、喰らえ（餌を）！ ドラマのクライマックスだ。 竿先が、お辞儀を繰り返す。 転瞬。 竿先がドーン！と張り倒され、そのまま海面に向かって引き込まれた。 カンパチが、とうとう餌のハナダイを呑み込んだのだ。 ーストライク！ 竿を掴み後ろに仰け反った。 竿先が持ち上がらない。 さすが、海の隼（はやぶさ）、その引きはただもんじゃない。 切れ目なく、ドドドド・・・・と、引きの洪水が押し寄せてくる。 耐える、耐える、耐える。 左へ竿先が沈んで行った。 その引きに耐えながら、ジワジワと竿を持ち上げる。 一撃、２撃、激しい痛打。 水面にその姿を確認し、 「南無八幡台菩薩。エーーイッ！」 と堤防の上に引き抜いた。 本日、はじめのカンパチは、３１センチ。 この感動、だから釣りは止められない。 納竿 このあと午前８時半に、３０センチの２匹目を追釣。 空には雲がなくなり、真夏の太陽が容赦なく陽射しを地上に降り注いできた。 暑さに耐えられず、午前９時半、納竿。 一度に１０匹は、決して夢ではないと思っているが・・・。 なかなかどうして。 「希望はずいぶんと嘘つきではあるけれど、 とにかく私たちを楽しい小経をへて、人生の終わりまで連れて行ってくれる」 （ラ・ロッシュー） 本日釣果 カンパチ ３０〜３１センチ ２匹  Ｔｈｅ ＥＮＤ |
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