2008年9月2日(火)  日立港
              午前6時10分〜午後3時半
ノビタの釣り天国



        泳がせ釣り第7戦


                               
       雲が多い朝まずめ
強い女
午後3時15分。
暑い陽射しが、火炎放射器の炎のように地上に降り注ぐ。
汗とともに、肉も骨も溶けて流れ出しそうだった。
喉の渇きが、飢餓の限界に達していた。
それでも、ユラユラ吹いてくる涼しい北東の風が、唯一の救いだった。
さっきまでいた栃木のダンデー男、テツロウさんは、とうとうギブアップし撤退して行った。

と・・・。
堤防の上に、じかに座って浮子を見ていた時だ。
突然、頭上から、
「オマエ、ツレタカ?」
と、まるで世の中の無礼という無礼を、全てかき集めてきたような言葉を頭上から浴びせられた。
暑さでトロトロになっていた脳ミソが、その瞬間、一瞬にして凝固したヨ。
無視しようとしたが、若い女の声だったので振り返ると。
黒い丸顔の女性が、短パンにTシャツ姿で立っていた。
フイリピン人のようだ。
小麦色に輝くスラリと伸びた腕や、足が眩しい。
ダンサーだろうか。

その隣りに日本の若いオスが、竿ケースとクーラーボックス、リュックサックを背負い、片手に何やらゴソゴソ詰まったバッカンを下げ、顔から滝のように汗を流しながら立っていた。
2人とも年齢は30を越えたか、越えないか。
女の笑い顔に誘われ答えると。
「ナニ、ツッタノカ?」
「エッ、カンパチ。ヤルナ、オヌシ」
宝塚の男役のような話しぶりだゼ。

「ドウヤッテ、ツッタ?」
「ソウカ、ムズカシソウダカラ、ヤメタ」
女は側にいた男に、アゴで先を指し、
「ガンバルヤロウニ、オイツクビンボーナシ、ガンバレヤ」
と捨てセリフを残しながら、荷物は全てオスにまかせ自分は手ぶらで歩いて行った。
ー”稼ぐに追いつく貧乏無し”だゾ。
とその背に、声を出さずに叫んだのだが。

それにしても、あのカップルはどういう関係だ?
まるで主従の関係に見えたけど。
彼女の天衣無縫な話しぶりは、『天空の城ラピュタ』に登場してきた女頭目ドーラだったよ。
少々プライドを傷つけられたが、決して憎めない女だった。

話しが飛ぶが、とうとう福田首相も安部元首相とおなじように、敵前逃亡の形でギブ・アップした。
男はだらしない。
それに比べ、アメリカの大統領候補選で惜しくも破れたヒラリー女子のように、女はどんどん強くなってきた。
今の自民党を立て直すのは、女しかないのではないか。
落語の「お血脈」、
「女ほど世にも尊きものはなし、釈迦も孔子もひょこひょこと生む」
ではないが、今の世は女にすがるしかないのではないか。

     
やっと釣れたエサ
エサが釣れない
話しを前に戻す。
潮が動き出すのは午前6時半過ぎ、とゆっくり家を出た。
すっかり白んだ堤防を歩いていると、
「ノビタさ〜ん」
と声をかけられた。
堤防で釣りをしている人に、見覚えあり。
栃木のテツロウさんだ。
1年ぶりくらいの再会だった。
彼と別れ、彼から100メートルほど離れた所で、エサ釣りを開始したのは午前6時10分。

空は、雲に覆われ。
北風がパタパタと吹いていて、海面には無数の小波が湧いていた。
釣れるのは、煮ても焼いても喰えぬフグばかり。
やっと餌のハナダイ1匹が釣れたのは、午前6時35分だった。

横取り
早速、釣ったハナダイを餌に「一振り入魂」の第一投。
その時。
左の方角から急降下してくる黒い影。
「アッ!」
反射的に、振り下ろした竿をハネ上げると。
エサのハナダイが針から外れ、ポチャーン!と、海に落下。
「ラッキーーー♪」
とばかりに、カモメが落ちたハナダイを咥えて飛び去った。
一寸先は闇か。
まさかまさかの悲劇であり、喜劇であり。

嘆いている時間はない。
また振り出しに戻ってハナダイ釣り。
午前7時までにエサを2匹確保したところで、再度カンパチ釣りを開始した。
いつものように磯竿2号5.3メートルを2本出す。
今日は2本とも浮子仕掛け。
竿を出したあと、またハナダイ釣りを続けた。
                                  
  遮るものがない青空
激闘の3分
午前8時10分。
と・・・。
ハナダイを釣っている場所から、20メートルほど離れたカンパチ釣り場を見ると。
カンパチ用の竿が、ビシッ、ビシッ張り倒されている。
「キタキタキタ・・・」
とエサ釣りを止めて、走った。

一昨日の失敗に懲り、予めリールのドラグ(道糸の出る力を調節するブレーキ)を緩めていたので。
「ジージージー」と、リールから道糸が出放しになっていた。
ライフラインのロープを外し、リールのドラグを締めて竿を起こす。
これが持ち上がらない。
竿の上に漬物石を載せたような重さ。

浮子釣りで
その間にも竿先がガンガン沈み、竿を満月のように曲げ、敵は堤防際下に潜って行く。
「コンニャローーー!」
と叫びながら、全身で竿を持ち上げ。
持ち上げた分だけ竿を下ろし、「ギリギリギリ」とリールを巻いた。

          
浮子釣り
相手の攻撃も容赦ない。
竿を起こすたびに「バシッ、バシッ、バシッ」と強烈な痛打を浴び。
ハリスが切れるのではないかと、ハラハラドキドキしながら、少しずつ敵を海面に浮上させてくる。
ーああ。この恍惚。快感。陶酔。
最後は、
「南無八幡台菩薩!」
と、運を天にまかせ海面から引き抜いた。
初めの1匹は、36センチのまるまる太ったカンパチだった。

納竿
この後、午前9時15分に32センチのカンパチを1匹追釣。
これが最後の1匹となった。
今日は、不退転の覚悟だったが、とうとう暑さに負け。
午後3時半、ギブ・アップ、撤退。
この暑さにもめげず、まだ残っていた天下無敵の釣りバカは4人、ご苦労様。
影が焦げるような炎天下を、汗を滝のように流しながら一歩、一歩、泳ぐようにして帰ってきたヨ。

本日釣果
 カンパチ 32〜36センチを2匹。
 先日のtommyさんが釣ったカンパチは、37センチだった。−−>
こちら
 最近、数は少なくなってきたが、形が良くなってきたような気がする。



















The END
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