2008年9月9日(火)  日立港
              午前4時半〜午前11時
ノビタの釣り天国



        泳がせ釣り第9戦


                               
       雲一つない夜明け
夢を見た!
夢を見た。
こんな夢だった。
堤防にゴミを捨てたり、ゴミを堤防の上で焼くバカ者があとを絶たない。
テレビの釣り番組でも、『ゴミは持ち帰りましょう』と流し続け。
港のいたる所に、『ゴミは捨てないで下さい』の看板も取り付けられたが。
まるで効き目がなかった。
そこで、港を全面的に立ち入り禁止にしたが、それでも釣り人は侵入し、「去つ鳥、あとを汚し放題」にして帰って行く。

政府は最後の手段として、
「晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す」
の必殺仕掛人に頼もうとしたが。
それでは手におえないほどの”許せぬ人でなし”の数であった。
そこで政府は、”許せぬ人でなし”を駆除するための殺虫剤の開発に取り組み、とうとうそれが完成したのである。

某年、某月、某日、午前8時に、”許せぬ人でなし”駆除作戦が実施された。
各港の空中からヘリコプターで殺虫剤を散布すると。
ゴミを捨てたり、ゴミを堤防の上で燃やす”許せぬ人でなし”が、仰向けにひっくり返り、ゴキブリのように手足をバタバタさせながら蒸発してしまったのである。
この駆除作戦を何度か実施すると、とうとう港からゴミが全て消えたので。
政府は、港を全面的に釣り人に開放したのである。
(チャン、チャン♪)
夢から覚め、これが夢だったとがっかり。

出撃!
家から外に出ると。
ひんやりとした冷気に襲われ、一気に覚醒。
まだ外は、海底のような静かな闇の中。
夜空に、点、点、点・・・と散りばむ星たちが、ひそひそとささやきあい。
地上では、オスメスの虫たちが、かしましく恋を謳歌している。
秋の気配が身に沁む朝だった。

ロシナンテに跨り。
空を飛ぶ鳥のごとく、まだ深い眠りの街を走って行く。
駐車場には、すでにご同類の車が何台も止まっていた。
先日と同じ、あまり釣り人に人気のないポイントに向かった。
ポイントにはだ〜れもいなかった。


豆アジ入れ食い
日が昇る直前の水平線上、紅色から青色に変化するグラデーションが横に細く伸びていた。
パタパタと西風が吹いていたが、気にするほどではない。
ヘッドランプの灯りを点け、まず餌を釣る準備をした。
今日は、左図の『きらめき&白フラッシャー アジ5目』仕掛けを使用してみた。
足元の真っ黒な海に、仕掛けをポチャーン!。
2〜3度シャクってみたが反応無し、そのまま置竿に。

餌が釣れるまで、下図の『オカラだんご』で浮子フカセ用のコマセ作りをしていた。
と・・・。
餌釣り用の竿先に付けておいた鈴が、
「リリーン、リリーン、リリーン♪(ご主人さま、獲物がかかりましたよ!)」
とご注進。
竿を上げると、餌にはやや大きい豆アジが。
釣った豆アジは、ブクブク酸素発生装置をつけたバケツで生かしておいた。
空が白みはじめると、豆アジが入れ食いとなった。

釣れるのは・・・
午前5時。
餌釣りを止め、泳がせ釣りと浮子フカセ釣りを同時に開始。
ときどき、浮子がスパッ!と消えるのだが。
堤防に上がるのは小ぶりなアジばかり。

午前6時半。
浮子フカセ用の浮子が、また海面から消へた。
そのまま磯2号の竿先が、ギュイーンと大きく湾曲。
心の臓が跳ね、頭上にでっかいビックリマーク「!」が。
置き竿を手に持ち、リールを巻きながら竿を振り上げると。
振り上げた分だけ引き倒された。
良い引きだ。
「エンヤードット、エンヤードット♪」
と堤防に引き抜いたのは、”夢破れてサバあり”。
ーガクリ。

沈黙の海
午前7時。
隣りにルアーマンがやって来た。
何度も何度も、ルアーを投げ続ける。
1時間も投げていただろうか。
よくまあ懲りずに投げるもんだと眺めていたが。
                                      
ボラが群れる海
餌で釣れないのに、ルアーじゃ無理じゃないかな〜・・・と声をかけると。
ルアーマンは、
「アハハハハ・・・。そうですね」
と照れ笑いし帰って行った。
余計なお世話だったか、と一寸悔いが・・・。

まだ8時だというのに、陽はすでに凄みをはらんで喰らいついてきたが。
西から北に変わった風が、少し暑さを抑えてくれた。
1時間、2時間、3時間・・・。
海は、沸騰も、爆発も、激震もなく、沈黙し続ける。
コマセを撒くたびに海面に群がるのはボラばかり。ーああ。

納竿
午前11時。
「いつもの海で いつも逢う
 青い体の凄いやつ
 もうくる頃 もうくる頃
 今日も待ちぼうけ♪」
  (『明日があるさ』by 坂本九 唄)
とギブ・アップ。
暑さで温かくなった残っていた『お〜いお茶』を、無理やり飲み干し。
ノロノロと竿を片付けた。

「運命というやつは無限のロープとは違う、一本のゴム紐みたいなものさ。
引っ張って前へ進めば進むほど、猛烈な勢いで出発点まで引き戻される」
 (『シンドラーのリスト』 byトマス・キニーリー 幾野宏 訳 新潮文庫)
まだ挑戦すべきか、それとも相手を変えるべきか。

本日釣果
  カンパチ 0匹
  豆アジ  24匹
  サバ  26〜31センチ 2匹




















The END
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