2008年9月28日(日)  日立港
              午前5時10分〜午後3時
ノビタの釣り天国



     泳がせ釣り第13戦


                              
           1日中曇り
アジさんからの報告
「可能性が周りに充ちている時に、
それをやり過ごして通り過ぎるというのは大変むずかしい」
  (”賭博”について、ドストエフスキー)

昨日(9月27日)、海からアジさんが、40センチオーバー2匹を含む6匹の戦果報告をしてきた。
ー吃驚仰天!
「レッツ・ゴーー」
と、いきなり背中をドン!と押されたような。
もう我慢ができない。
雨だろうが、雪だろうが、たとえ槍が降ってきても行かねばならない。
「チャンスは2度、扉を叩くとは思うな」なのである。

餌がいない
翌日(9月28日(日))、早朝。
重く垂れ込めた雲が地上を圧し。
風が黒々とした海面を渡り、騒ぐ波が港の灯りを弾いている。
厚着かと思いつつも、ジャンパーの下にセーターを着込んできたが、おかげで9月とは思えない寒気が気にならなかった。
闇に沈む堤防の上に、黒々とした釣り士のシルエットが数人。
いつものポイントで、荷を下ろした。
ヘッドランプの灯りで餌釣りの準備をしていると、辺りを包む闇が一枚々剥がれていき、港は白々とその姿を表した。

午前5時10分。
まだ薄闇が這う海で、餌の豆アジ釣りを開始。
いつもならこの時間帯になると入れ食いなのだが、まるで応答がない。
揣摩臆測(しまおくそく)だが、カンパチが近くにいるのかもしれない。
それでも釣りを開始して20分、餌には却下クラスの約20センチと、合格ラインギリギリの約17センチのアジ2匹をゲットした。

       
風が吹いていた
カンパチに嫌われ
午前5時半。
規格外れも含む2匹のアジをゲットしたところで、カンパチの泳がせ釣りを開始。

午前6時5分。
右側の竿が異様な動きを始めた。
すでに海から浮子が消えている。
竿を手に持つとアジの死に物狂いの動きが、海中から伝わってくる。
ー前アタリだ!
いまか、いまかと次第に心悸亢進。
とアジの動きが静かになった。
嵐が去ったのだ。
カンパチが逃げたのだ。
”ハイ!それまでヨ”なのだ。

「ちょっと待って!
 Play Back Play Back
 馬鹿にしないでよ!」
と心の中で叫んだけど、二度とカンパチは戻らなかった。
やはり規格外れはだめなのか。

自己記録更新!
午前6時20分。
左側の竿が、大きくバウンド。
電光石火、竿に付けたロープを外し手に持った。
竿が、バタバタ暴れながら弓なりになり。
次の瞬間、バシッ!と張り倒され。
道糸が「ジージージージー」とうなり音を上げてリールから放出され。

                                          
発汗激闘
リールのドラグ(道糸の出を調節するブレーキ)を締めると。
ガーーッ!と竿が、一気に堤防下へ引き込まれた。
強烈な引きに耐えていると隣りの人が、
「タモを出しますか」
と言いながら、となりで慌ててタモを組み立てている。

これまでにない強敵だった。
「ハリスよ頑張れ!。天照大神、八幡大菩薩、春日大明神、の神々よ我に味方乞う」
と祈りつつ、竿を持ち上げ、リールを巻き。
とうとう強敵を海面に浮上させた。
隣りの人が海面でタモ網にカンパチを入れようとすると、この暴れん坊将軍はバシャ、バシャと大暴れ。
なかなかタモ網に入らない。

意を決し、海面から抜き上げることに。
「南無八幡大菩薩。エーーイッ」
ドタッ、ドタッ、ドタッと無念そうに、堤防の上でのたうつ暴れん坊将軍。
隣りの人が、メジャーで測ると。
ーナント!40センチ!
こんなことは、一生に一度かもしれない自己記録更新である。
と思ったが、ナントこのあとに、一生に一度かもしれないことが、また起きたのである。

またまた自己記録更新!
この時、タモ入れをしてくれた隣りの人は、フカセ釣り士さんだった。
彼とはこれまで3度ほど釣り場で会ったが、ここしばらく会っていなかったので、すっかり顔を忘れていた。
隣りが知り合いだと、ホッとする。
彼は、今日限りでカンパチ釣りを終わり、次からは黒鯛釣りに戻ると言っていた。
初めの1匹を釣ったあと餌がなくなったので、左側の竿は餌が釣れるまで休止。
午前6時40分に、やっとこさっとこ餌サイズのハナダイが釣れた。
待ってましたとばかりに休止していた竿の仕掛けにハナダイを付け、ポチャーン!と海に再投入。

     
浮子が沖に逃げて行く
午前7時40分。
餌のハナダイを泳がせていた左側の竿に、前アタリか。
竿先の上下運動がしだいに大きくなり、
「ダダダーダーン!」
竿尻がハネ上がった。

竿を掴み、ドラグを締めながら持ち上げようとしたが持ち上がらない。
凄い、先ほどのカンパチのパワーを超えている。
まるで海の暴走族だ。
ドドドドドド・・・と左に走って、フカセ釣り士さんの浮子を蹴飛ばし。
今度は右に走って、ノビタの右の竿の浮子に噛み付く。
慌ててフフカセ釣り士さにSOS、右の竿の仕掛けを堤防に引き上げてもらった。
暴走族は、ドドドドドド・・・と、今度は右隣りの人の浮子に体当たりし。
と、両隣りの釣り士を巻き添えにしながら、まだ暴走族は突っ走る。
ノビタのこれまでの知識や、経験や、常識の全てを総動員したが、タジタジ。

もう駄目かと思ったが、霊長類ヒト科のノビタにかなうはずが無い、とうとう暴走族を海面に浮上させた。
ギャラリーが注目していた。
「これは大きい!」
「スゴイ!」
「これは良い!」
「上がるかな」
「タモを使いますか」
の声を聞きながら、竿先を倒し道糸の弛みを取り。
「ソレーーーッ!」
と堤防の上へ。

「どうだまいったか!」
の1匹は、フカセ釣り士さんがメジャーで測ると、なんと41センチ!。
とうとうまれにみる最強の敵に勝ったのだ。

                               
   カンパチの気配が消えた海
納竿
昼過ぎ、フカセ釣り士さんが合格サイズの餌を次々ゲット。
早速、分けて頂く。
ところがギッチョン。
餌を大量に確保した途端、裏目、裏目に事が運ぶ「マーフィーの法則」である、アタリが遠くなってしまった。
それでもなんとか、午後1時半に34センチのカンパチを追釣したが、以降、海からカンパチの気配が消えてしまった。
午後3時に納竿、フカセ釣りさんを残して帰って来た。

今日、堤防であったのは、フカセ釣り士さんの他に、先日知りあったNさん、それにサビキ釣り名人のFさん。
Nさんは、まだ23〜24歳のアンチャン、今日は高校生くらいの色白で髪の長い、可愛い女の娘を連れてきた。
彼に、彼女は妹かと聞くと、
「彼女は、彼女です」
の答えが返ってきて、おもわず笑ってしまった。

堤防を歩く帰り道。
汗ばむ体に風が心地良い。
光芒燦然たる戦いの余韻が、いつまでも全身を潤していた。
いきなり発展し、飛躍したような1日。
ホントニ、稀な日だった。

本日釣果
カンパチ  34センチ1匹、40センチ1匹、41センチ1匹






















The END
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