2008年10月7日(火)  日立港
              午前5時半〜午前11時
ノビタの釣り天国



     泳がせ釣り第15戦


                              
          朝焼け
静かな朝
消えようとする火が、一瞬、明るくパッ!と燃え上がるような日だったのか。
いや、長島が選手を引退する時に叫んだ「巨人は永遠です!」ではないが、「カンパチは永遠です!」なのか。
今日もドラマがいっぱい!

午前4時半。
家を出る。
今日は、一昨日(日曜日)、玉砕したふったさん、Qさん、tommyさん、アジさん、STさんたちの仇討ちである。(チャン、チャン♪)
ロシユナンテは、まだ夜の底のような闇を掻き分けるようにして走って行く。
夜空には星がいくつか瞬き、東天の底が僅かに赤く染まっていた。
風を切って走っていると、寒気がジワジワと体に浸みてきて、思わず大きいクシャミが。

現場に着くと、白々と夜は明けていた。
水平線上から中天にそって、ピンクから青へと暁のグラデーションが広がる。
朝焼けだ。
「朝焼けが よろこばしいか 蝸牛(かたつむり)」
     (小林一茶)
ーひょとすると今日は、雨が降るのか?
弱い北西の風が、堤防の上を舐めるように過ぎていく。
堤防は閑散としていた。
先客は2人だけだ。
いつものノビタの指定席で荷物を下ろした。

餌釣り
午前5時半。
エサ釣り開始。
コマセは一昨日、アジさんから頂いたもの。
初め浮子なしで足元を5分ほどシャクったが、なんの応答もなかった。
今度は、浮子をつけて15メートルほど沖に投げた。
片口イワシが釣れた。
続いて20センチほどのサバ。
アジもきたが、人間の餌にしかならない大き目の奴。
それでも午前6時までに、なんとか餌になりそうな18センチほどのアジが4匹釣れた。

初めの1匹
午前6時。
餌用のアジが釣れたところで、カンパチの泳がせ釣り開始。
いつものように、磯2号5.3メートル竿を2本使用。
このあと理想的な豆アジが1匹釣れたので、左の竿の餌と交換する。

午前6時10分。
サビキ仕掛けの浮子が沈んだ。
リールを巻いてくると、ギューン、ギューンと結構な引き。
「・・・・・・?」
堤防に上がったのは、30センチのワカシだった。

       
 嵐の前の静けさ
午前6時15分。
左の竿が、何かにへつらうように、大きく首を立てに振っている。
ー前アタリだ!
と思った。
ところが、竿を握ったとたん竿は水平に。
とまた大きく首を立てに振り出した。
またすぐに竿は水平に。

「・・・・・・?」
道糸の弛みをとり、竿を持ち上げると。
グイーンと竿先が海へ倒された。
堤防に上がったのは、28センチのカンパチだった。

2匹目、3匹目
餌を付け替えた左の竿は、前アタリがあるのだが餌が大きいためか喰いつかない。
そのうちに、カンパチに優しい一口サイズのアジが釣れたので交換。
これが良かった。

午前8時半。
左の竿が、また大きく首を立てに振っている。
そのまま竿が大きく湾曲しながら沈んで行く。
竿を掴もうとすると、竿先が海面に真っ直ぐ伸び。
道糸が、バターナイフで切り裂くように海を割きながら、右の竿の浮子を沈めた。
隣りの竿の仕掛けに絡んだのだ。
右の竿が引っ張られ、堤防縁で斜めになりブルブル震えている。

周囲には誰もいない。
この危機を打開する策は・・・考えても無駄と。
夢中でリールを巻いた。
そして、カンパチと隣りの仕掛けと同時に堤防の上に。
このドタバタで引き上げたカンパチは、38センチだった。

午前8時55分。
仕掛けの絡みをとり、2本の竿に17〜18センチのアジを付けて、再び海に投入すると。
その直後。
今度は右の竿に前アタリ。
堤防に上げたのは、35センチのカンパチだった。

青空の下で
青く澄んだ空。
白い雲。
海はモスグリーンのベタ凪。
風は空気の流れを感じる程度。
                                        
秋晴れ!
リンドバークの叫びが聞こえてくるような青空だ。
「なんと大洋の美しいことよ!
なんと大空の澄んでいることか!
点のような太陽!
何事が起ころうと、この瞬間、生きていることでたくさんだ!」

餌の豆アジを狙うサビキには、外道が次々と掛かる。
23〜24センチのコノシロが6匹ほど掛かったが、水面から引き上げるさいに3匹は落ちてしまった。
片口イワシが40匹ほど釣れたが、すべてリリース。
他に34センチの大サバが1匹。
サバは、不飽和脂肪酸が多く成人病の予防に役立つという、今度は本気になってサバを狙ってみよう。
本命の豆アジは釣れず、17〜18センチのサバが3匹釣れた、半信半疑でそれを餌にしてみると。
これが、以外とカンパチの好餌であったよ。

獅子奮迅
午前10時10分。
しばらく沈黙していた泳がせ釣り用の竿がバウンドし、34センチのカンパチが釣れた。
このカンパチを釣ったところでアジ餌がなくなり、18センチのサバを餌にした。

午前10時半。
左の竿がバウンドし、そのまま海に突っ込んで行った。
竿を掴み強引な引きに耐えながら海面を見ると、カンパチが5〜6匹群れている。
これを見たとき。
一瞬、ゾーッとしたね。
今、左の竿に掛かったカンパチに、タジタジしているときに。
右の竿にも敵が襲いかかったら・・・。
なんせ、孤軍奮闘、多勢に無勢。

不安は的中してしまった。
右の竿が大きくお辞儀を繰り返し、そのまま海に突っ込んで行ったのである。
リールがジージージー悲鳴を上げ、道糸をドンドン吐き出していく。
この瞬間。
頭の中はパニックとなり、脈拍異常、呼吸困難に。
ーWOW!

左の竿にしがみつきながら、右足で右の竿を踏み。
無我夢中で、左の竿のリールを巻き続け。
初めに掛かったカンパチを、堤防の上に竿ごと放り投げ。
続けて右の竿に飛びつき、リールのドラグを締めながら、ガンガン巻いて。
2匹目を堤防の上へ。
とうとうダブルヒットを制したのである。
ーホッ。
我ながら獅子奮迅の働きであった。

      
空軍の勇姿パート1
終章
午前10時40分。
2本の竿の餌にサバを付けて再投入。
直後に、左の竿が大きくしなった。
ー入れ食いだ!
上がったのは34センチのカンパチだった。
その直後に、今度は右の竿の尻が持ち上がった。
と・・・。
すぐ水平に。
竿を上げてみると、餌のサバは消えていた。
ー食い逃げだ。
ここで餌がなくなり、ジ・エンド。
                                  
  空軍の勇姿パート2
堤防をヘロヘロになりながら歩いて帰ってきた。
飛行機が、次々と西の方に爆音を上げて飛んで行く。
北から弱い風が吹いていて、海はちいさな波を刻み、波は眩しく日の光を弾いていた。
日は海の真上にあった。
釣った魚の入ったバッカンが重い。
汗が肌着を濡らす。
這うようにして歩いたが、気分は浮いていた。

「一人一人の幸せは、対外的な条件によって左右されるものではないんです。
 金や名誉や地位や健康でもないんです。
 万人に共通の幸せというものは、実はあまりないんです。
 自分が幸せだと思える事が大事なんです。
 幸福の枠は自分で作るんです」
     (中坊 公平)
今日も幸せであった。

本日釣果
 カンパチ  28〜38センチ  7匹
 ワカシ   30センチ      1匹
 サバ    34センチ      1匹
 コノシロ  23〜24センチ   3匹


























The END
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