今年初、石持の数釣り 久慈川河口の夕日 静かな黄昏 西の空を赤く染めながら日が沈んでいく。 鏡のような川面に、夕日が赤い光の帯を刷いていた。 河口には澄んだ温かい空気が流れていて、わりと暖かい。 堤防には14〜5人の釣り人がいたが、みな眠っているように静かだ。 フエンスに沿って伸びる枯れ草から、 「リリンリリンリリン・・・」 と聞こえてくる鈴虫の鳴き声が、やけに大きく聞こえる。 堤防の上で浮子釣りをしている7〜8人は、石持とセイゴを狙っているようだ。 中に、コマセ籠を付けたサビキ仕掛けで、17〜8センチのアジを釣っている人もいた。 彼らが、夕陽に赤く染まっている。 子供達が歌う童謡が聞こえてくるような夕暮れだった。 「ぎんぎん ぎらぎら 夕日が沈む ぎんぎん ぎらぎら 日が沈む まつかつかつか 空の雲 みんなのお顔も まつかつか♪」 秋田のSZさん ノビタの隣りで、今朝3時に秋田の自宅を出てきたというSZさんが観戦している。 SZさんは秋田からキャンピングカーで、奥さんと2人で日立に来た。 彼は、38年間、工業高校の電気科で教鞭をとられ、現在リタイヤし、第二の人生を釣りとドライブで楽しんでいるとのこと。 メールで、日立でアジ釣りをしたいと連絡してきたので、こちらに滞在している間、ノビタが案内役を買ってでたのである。 石持がいた! 釣りを開始したのは、午後4時。 海がベタ凪だったので、吹流し2本針仕掛けにした。 初めは投げ竿1本でやってみた。 午後5時半までは、フグに餌を取られるだけだった。 午後5時40分。 日が地平線に隠れ。 残光が、雲の裂け目を血を流したように一筋だけ赤く染めていた。 突然、 「リリリーン、リリーン」 と竿先に付けた鈴が、2回鳴った。 「・・・・・・?」 ー石持のアタリにしては弱くないか? 半信半疑で竿を持ち上げてみると。 ゴトゴトと、魚の動きが確かに竿を持つ手に伝わってきた。 胴突き仕掛けに石持が掛かった時の、ドアを蹴破るようなアタリのイメージが強いので、吹流し仕掛けが伝える小さいアタリは、どうも本物ではないような気がする。 初めの1匹は、20センチほどと小ぶりな石持だった。 ここで竿をもう1本追加。 2本目の仕掛けが川にドボーン!と落ちたと同時に、ガタガタと竿を持つ手に振動が。 ー入れ食いだ! 2匹目も20センチほどだった。 SZさんは、ノビタが2匹目を釣り上げた所で帰って行った。 SZさんとは、明日の夕刻、アジとメバルを釣る約束をしている。 納竿 この後、パタパタと釣れ続いたが。 午後6時10分に、最後の1匹を釣ったあとは、石持の気配は川から消えてしまった。 午後6時半、納竿。 今年は、何度かこの石持釣りに挑戦してみたが、一番釣れてもたった2匹だった。 それからすると、今日は大漁である。 ー良かった。 でもね〜、カンパチの泳がせ釣りのダイゴミを知った身には、なんか物足りないのである。 本日釣果 石持 20センチ前後 7匹 The END |
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