2009年2月24日(火)  涸沼川のセイゴ釣り
             午後5時15分〜午後8時半
ノビタの釣り天国



          雨降る涸沼川で


ボーズよ大志を抱け!
ここしばらく玉砕が続いている。
でもめげない。
ーなぜって?
だって、こういう人もいるのだから。
                                              
A・リンカーン
「もし君が時に落胆する事があったら、この男の事を考えてごらん。
 小学校を中退した。
 田舎の雑貨屋を営んで破産した。
 借金を返すのに15年かかった。
 妻を娶った。不幸な結婚だった。

 上院に立候補、2回落選。
 下院に立候補、2回落選。
 歴史に残る演説をぶった。が、聴衆は無関心。
 新聞にはたたかれ、国の半分からは嫌われた。

 こんな有様にも関わらず、想像して欲しい。
 世界中いたる所のどんなに多くの人が、この不器用な不細工なむっつり男に啓発
 されたことかを。
 その男は自分の名前をいとも簡単にサインしていた。
  A.リンカーンと。」

これはアメリカのウォルト・ストリート・ジャーナル(新聞)に掲載された、第16代アメリカ合衆国大統領エィブラハム・リンカーンのプロフィール。
先日の読売新聞にも、アメリカ歴代44大統領中、リンカーンは今でも第一位の人気と載っていた。
日本では坂本龍馬が、勝海舟から「貧しい丸太小屋で生まれた子供(リンカーン)が大統領になった」話しを聞き、その半生を徳川幕府倒壊と、新日本誕生に燃えた。

話しはかわるけど。
文中の、「妻を娶った。不幸な結婚だった」には、共感するな〜。
ノビタもめげずに頑張っているじゃないか。ーああ。

初恋の魚
昨日、かたさんから、涸沼川で41センチを含むセイゴ10匹ゲットの朗報が入った。
これに触発され、休火山は一気に活火山へ。

なんせセイゴは、ノビタにとって。
「幼なじみの思い出は 青いレモンの味がする」や。
「初恋の味はカルピス」の味がする初恋の魚なのだ。
『明日に賭ける釣り』にも書いたように、まだリールの操作も分からず、竿の振りかたも知らず、餌のゴカイも知らない、ピカピカの釣り1年生が。
釣りレビュー戦で、小ぶりながら40匹近くも釣った魚だった。

それからは、
「人生釣りがすべて、それ以外は全てつけたし」
の、カーナビ不要の1本道を驀進してきたのである。

雨降る中で
17時15分、釣り開始。
誰もいない。
空は雲で覆われ、カッパにパラパラと切れ目なく雨が落ちてくる。
家も、道も、木も、コンクリートの川端も、雨に濡れて黒々と光っていた。
弱い北風が、青い川面に縮緬皺を刻んでいる
川辺には、深い海底に沈んでいるような静謐が漂っていた。

                                     
川はまだ逆流していた
川は逆流していた。
今日は大潮、那珂湊の満潮は午後3時15分。
川の流れが止まるのは、満潮時刻から2〜3時間ほど遅れる。
川の流れが止まり、下流から上流への流れが、上流から下流に変わる時が時合だ。
竿は3本出した。

雨に打たれながら、その時を待っていた。
10分、20分、30分・・・。
まるで、都はるみの『北の宿』である。
「あなた アタリはないですか
 氷雨が寒さを つのります
 来てはもらえぬ セイゴちゃんを
 鼻水こらえて 待ってます
 セイゴちゃんへの 未練でしょうか
 アタリ恋しい 涸沼川♪」

初めの1匹は・・・
午後5時55分。
「リリーン」と真ん中の竿が一鳴り、竿先がわずかに揺れた。
待望のアタリ、が、ちと物足りない。
目ん玉を竿先に釘付けにし、次のアタリを待つ。
と・・・。
また「リリーン」一鳴り。
弱々しいアタリ、仕掛けを回収してみると。

      
ハゼ吉左衛門
薄闇の中、仕掛けと一緒に鉛筆のような物が宙吊りになっている。
「何者だ?」
「名のるほどの者ではござあせん」
と、身長は17、8センチほどのハゼ吉左衛門が。
「どうかお見逃しを」
と乞うたが、
「捕らえた者はおれの物。生殺与奪の権は我にあり」
と針を外して、ビニールのレジ袋に入れておいた。
これが初めの1匹だった。

18時45分。
周囲の闇は濃さを増し、川面は白々と闇に浮く。
川は、上流から下流へとゆったりと流れを開始した。
まだ、竿先の鈴は沈黙、ケミホタルの青い光も微動だにしない。
ーお〜いどうしたい?
と声を出さずに呼んでみるのだが応答なし。
風は止んだが、雨はしんしんと降り続ける。

歌は田原坂に。
「雨はふるふる ノビタは濡れる
 呼んでも応えぬ 涸沼川
 シャカホイ、シャカホイ♪」

やっと来た
18時55分。
「リリリリーン!」
と眠気を覚ます激しい鈴の音、竿先のケミホタルが大きくバウンドした。
それでお仕舞い。
ガセネタだった。
ーああ。
このあとまた沈黙が続く。

待望のセイゴが、
「遅くなってすみません」
とやって来たのは、午後7時20分だった。
一陽来復の1匹は、26センチと小ぶりだったが。−ホッ。

このあとポツリ、ポツリと釣れ続いたが、しだいにアタリが遠くなり。
午後8時10分に1匹を追釣したが、それがザッツ、オール(全て)だった。
以降、アタリはピタリと消えた。
今日は、アタリに対するヒット率が良かった、野球で言ったら10打数9安打ってとこか。
今までと、仕掛けが違うからか?

納竿
午後8時半、納竿。
雨は止んだ。
空は重い鉛のような雲で覆われ、地上を圧す。
雨に濡れ黒く光る舗道を、ロシュナンテのヘッドランプで闇を押し分け突っ走る。
恐いものは無い。
明日はなくても良い。
充分生きた、今は余生だ。

「壮事本無取   壮事(そうじ) 本(もと) 取る無く
 老謀何所成   老謀(ろうぼう) 何の成る所ぞ
 人皆伝己死   人は皆 已(すで)に 死せりと伝(つと)う
 吾亦厭余生   吾(われ)も亦(また) 余生を厭(いと)う
 潦倒封候骨   潦倒(ろうとう)たり 候(こう)に封(ほう)ぜらるる骨
 淹留混俗情   淹留(えんりゅう)す 俗に混じるの情
 百年堪一笑   百年 一笑するに堪えたり
 辛苦惜虚名   辛苦して虚名を惜しめること」
   『感事』 by 元好問

本日釣果
  セイゴ  26〜29センチ  9匹
  ハゼ   18センチ   1匹  リリース


















The END
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