2009年4月6日(月)  日立港 メバル釣り
             午前6時15分〜午後1時
ノビタの釣り天国



         4匹で竿頭


                                          
 桜が開花
南の島への憧れ                                   
地上は春爛漫の季節。
阪田寛夫の詩を想う。
「熊にまたがり 屁をこけば
  りんどうの花散りゆけり
 熊にまたがり空見れば
  おれはアホかと思われる」

なのに、海はまだ冬の水温。
常磐の海に棲む冬眠中の魚に見切りをつけ、
「いま私の 願いごとが
  かなうならば 翼がほしい♪」
そして、もし願いが叶い翼を得たら、南の島に飛んで行き。
ヘミングウエイの「老人と海」に登場するカジキマグロと、生死を賭けて闘ってみたいよ。
昨年の春は、たまらず東京から1000キロメートル離れた絶海の孤島、小笠原に飛んだ。
今年はまだ決心がつかない。

     
  穏やかな海で
やっと来たのは
午前7時40分。
龍翔丸の船上で、ユラユラ揺れながら海底を小突いていた。
青い空、白い雲、輝く太陽、穏やかな海。
陸から吹いてくる風も優しい。
遠くに見える陸は、レースを透かして見るように白く色褪せていた。
波間で乱反射する白い陽光が眩しい。
天気は申し分なかった。
こんな日は釣れると、全身からパチパチと火花を散らしながら飛んで来た。
なのに、電池が減っていくように闘志が蒸発していく。
                                      
『夢の中へ』by井上陽水
釣りを開始してから、1時間、・・・2時間。
まだ海底から何の応答もない。
「探しものは何ですか?
 見つけにくいものですか?
 1時間 もうすぐ2時間
 探したけれどみつからないのに
 まだまだ探す気ですか?
 夢の中へ 夢の中へ
 ウーウー・・・・・・さあー」
    (『夢の中へ』 by 井上陽水)
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と、半分眠りながら竿を振っていると。
突然後ろから、
「どうなってんだ、ったく。オーー」
と、動物が吼えるようなミタ船長のぼやきが。
ミタ船長はカレイ戦をあきらめ、メバル釣り用の餌(生きエビ)を生簀から掬っていた。
WBCの決勝戦で、それまで不振であったイチローが、最後に劇的な2塁打を打ったが。
試合後のインタビューで、「痛覚では感じられない、苦しみ、痛み、悩みが続いていた。あの時(逆転の2塁打を打った時)、神が降りてきたと思った」と答えていた。
魚が釣れない時の船長の心中も同じであろう。
でも神は気まぐれ、なかなか降りてこない。
                                       
31センチ
と・・・。
「クククッ、クククッ、クククッ・・・」
なんと久々の海底からの応答。
思わず後ろにいるミタ船長に、
「キタヨ、キタヨ、キタヨ」
と大声で呼びかけた。
イチローじゃないけど、本当に天から神が降りてきたような気分であった。
それまで白黒映画の景色が、いきなり総天然色に変わったような。

水深40メートルから引き上げて来る途中、シー・ドリーム・カレイの細い竿先が、ビクビクと何度も追撃を受けた。
「・・・・・・?」
ー何か変、カレイはこんな引きをしたかしらん?
ノビタの側に立ったスタッフの佐藤さん、
「こりゃ、アイナメだっぺ」
そしてタモ入れされたのは、31センチのアイナメ。
ノビタだけでなく船上全員の期待が裏切られた感じ。

この結果を見て、とうとうミタ船長はメバル戦切り替えの宣言を。
そして龍翔丸は、メバルのいる漁場へ疾走したのだが・・・。

いきなり・・・
新たな戦場に着いたのは、午前8時15分。
「喜びも悲しみも幾年つき」
カレイに振られた悲しさを越えて、入魂の第一投。
「ドボーン、ドボーン・・・」
と全員仕掛けを海に投入した。
水深50メートル。
ゴツ、ゴツした岩場に、錘が着底したところで仕掛けを50センチほど持ち上げ。
一シャクリ、二シャクリ。

          
27センチ
と・・・。
ググーン、ググーン・・・と確かなアタリ。
胴調子の柔らか竿が、小気味よく撓った。
「そのまま待って、追い食いさせろ!」
と、スピーカー越しにミタ船長が吼えている。
そのまま数秒待つと。
ググーン、ググーン・・・が、さらに加算。

ーころは良し。
ゆっくり、優しく、女を抱くように。
スロー、スロー、クイック、クイック、とリールを巻いて来る。
途中、追撃を受ける度に、リールを巻く手を休め。
胴調子の柔らか竿に、その衝撃を吸収させ。
そしてとうとうモスグリーンの海面に、パッとオレンジ色の花が咲く。
海面に咲いた花は沖メバル3匹。
その瞬間、頭上に熱烈歓迎の幟が風にはためいたような・・・。
メバル御一行様は、となりのかたさん、そのとなりの釣り師にも。

仕掛けを海に戻すと、またググーン、ググーン・・・の元気な応答。
心臓が弾んだ瞬間、ブレーキが。
ー根掛かりだ!
強く道糸を引っ張ると外れたが、手応えも消える。
このあと。
龍翔丸が場所を移動したところで、追釣したのが最後の1匹となってしまった。

沖上がり
午後1時、沖上がり。
カレイに振られた。
先日のカレイ14枚が嘘だったような、カレイ戦が終わった。
                                      
バーバラ・ストライサンド
栄華盛衰は、はかない。
バーバラ・ストライサンドの歌う『メモリー』が身に沁みる。

「落ちぶれたグラマー猫が
  永遠の世に昇ろうとしている
 淡い月の光を全身に浴び
  過ぎ去った日々を微笑みながら
 夜明けが来れば  新しい日がはじまる
  一つが終われば  また一つが始まり・・・」
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本日釣果
  沖メバル 23〜27センチ   4匹
  アイナメ  31センチ      1匹
















The END
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