2009年6月23日(火)  某堤防
              午前6時半〜午後7時半
ノビタの釣り天国



         久々の入れ食い


                                       
夕まずめに来た!
暑い堤防
梅雨の合間の晴れ間。
多くの声なき声に応えるべく、本日アジ釣り偵察。
ー誰も期待なんかしてないよ。
と冷めた声。
ー第一、アジ釣りなんて何がおもしろい?
と追い討ちが。
他人がどう思おうといいじゃないか幸せならば。
とつぶやきながら堤防を歩いて行く。

暑かった。
ムシムシする暑さ。
それに輪を掛け今日は、一か八かの大勝負とばかりに重装備だ。
バッカンにコマセ2キロ、クーラーボックスを両手に。
リールのついた竿3本が入った竿ケースを肩に。
背中のザックには、リールやら、懐中電灯やら、錘やら・・・エトセトラ。
体中から汗を滝のように流し、ヘロヘロになりながら歩いて行く。
                                        
穏やかな海
希望の虹を見た
と・・・
前方、30メートルほど。
そこに先客が2人。
そのうちの一人が、海から仕掛けを引き上げている。
そしてナント!、仕掛けには白い魚体が数匹。
思わず演歌だ。
「死ぬまで 逢えぬと 思っていたが
 けれどもようやく 虹を見た
 魚のひとみに 虹を見た
 君こそ命 君こそ命 わが命♪」
   (『君こそ我が命』)

走った。
そして見た。
堤防の上でピチピチ跳ねているイワシを。−ああ
一瞬にして虹は崩壊。
先客の話しでは、今、入れ食いだという。

もうなんでも良し。
ー今日は入れ食いを楽しもう!
とノビタも参戦したのが、午後6時半。
仕掛けが海面に、
「ポチャーン!」                                       
使用サビキ
と落ちた瞬間、5号浮子がポンポコリン踊り。
そのまま海中に沈んでしまった。
この間、わずか5秒ほど。
仕掛けを引き上げると、イワシが七夕飾りで上がってきた。

使用した仕掛け
サビキは、いつもの白スキン『小アジ専科135』の6号。
この上にコマセ籠をつけ、錘は5号を使用した。
電気浮子も毎度お馴染みの『ブルーナイト』5号。
この電気浮子は、他の電気浮子に比べると圧倒的に明るく、ノビタのように目ん玉が良くない人にお薦めの一品だ。
暗い海面でよく輝きますぞ。

ブラジルに渡った宣教師
イワシを釣りながら先客と話しをし、少なからず驚かされた。
彼の話しは、3年前にブラジルから長崎に帰って来たから始まる。
以下、彼の話しをノビタの推測を交えて紹介すると。
彼がブラジルに渡ったのは15才。
目的は、ブラジルでキリスト教を広める宣教師。
若き血潮を燃やし、日本から最も遠い南半球のブラジルに船で渡り。
                                                   
電気浮子
それから50年、結婚し、子供、そして孫が生まれ。
今思うに、あっと言う間に過ぎた夢、幻の一時。
時には船に乗り大西洋で大物を仕留め。
時にはアマゾンで、ティーグレ・デーリオ、河のトラと呼ばれるドラドを追い。
宣教師とは思えない冒険者。
ひたすら魚を追い求め。

ポルトガル語を日常会話とし、家族とは日本語を話し日本語を忘れず。
そして故郷の長崎に戻って来た。
つい3ケ月ほど前、ひたちなか市の教会から要請があり、こちらに奥さんとやって来たと言う。
最後に、いつでも遊びに来て下さいと、名前と教会の場所を教えて頂いた。
・・・が。
キリスト教に改宗を勧められたらどうしようという迷いが・・・。
イワシが釣れなくなった午後7時、2人は帰って行った。

アジは応えてくれない
イワシが釣れなくなった後、今度はアジに焦点を絞った。
10分、20分、30分。

ー応答セヨ。応答セヨ。
 コチラ、ノビタデス。
 ミンナ君ヲ待ッテルゾ。

と声を出さずに、真っ黒な海に呼びかけたのだが・・・。
ー俺は嫌われたのだろうか?
弘田三枝子の『人形の家』のように。
「顔も 見たくないほど
 あなたに 嫌われるなんて
 とても 信じられない
 ほこりにまみれた 人形みたい
 愛されて 捨てられて♪」
ーああ。

納竿
午後7時半、納竿。
誰もいない堤防を黙々と。
夜空は、薄い靄に包まれ月も星もない。
トボトボと、恐妻の待つ我が家への道。
思い出すあの声、
「餌を買うお金で、美味しい魚を買って来い!」
ーああ。
今日の釣果を、彼女は何と言うのか。
何で、家に帰るのに勇気がいるのだろう?

本日釣果
イワシ&小サバ    53匹



















The END
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