2009年7月19日(日)  某堤防
              午前2時20分〜午前4時半
ノビタの釣り天国



       なんとか釣れたの巻き


                                      
戦いすんで日が昇り
不器用な夜の作業
暗い。
午前2時前。
草木も眠る丑三つ時である。
闇に覆われた堤防で、ヘッドランプの灯りを頼りにインターラインの竿に道糸を通していた。
昼間なら難しくないのだが、夜は急にノビタを不器用にする。
やっとのことで竿の中に道糸を通したと思ったら、道糸が竿の中で絡まり動かない。
一からやり直し。
結局、準備に30分を要した。

アタリは遠く
午前2時20分。
「サーかかって来い、鯵左ヱ門!」
と呼びかけながら乾坤一擲の第一投。
「ドボーン!」
と、岸から15メートルほど沖に落ちたブルーナイト8号の赤い灯りが、黒い波間で燃えるように輝いている。
暑くもなく寒くもなく。
風も感じない。

潮はゆっくり北から南へ。
海は凪ていたが、間断なうねりが沖から寄せてきて「ザブーン!」と足元で砕けていた。
東天に、髭のように細いオレンンジ色の三日月が輝き、雲間から覗く群青の夜空に星が数個。
静かだ。
堤防には黒い影法師が3つ、暗い海に浮かぶ電気浮子と対峙していた。
10分、20分、30分・・・。
堤防に沈黙の時が流れる。

 
ブルーナイト
アジはいた
午前2時55分。
浮子がヒョコヒョコ踊りだし。
ヒョコヒョコが、ヒクヒクになり、ヒクヒクが、とうとうヒクと息絶えた。
「・・・・・・?」
リールを巻き、仕掛けを寄せてくると少し重いような・・・。
そのまま一気に海面から引き抜くと。
闇の中でピチピチと小魚が跳ねた。
ヘッドランプに照らされたのは、17〜18センチの小アジ。
小さくたって、本日、本堤防第一号のアジだった。

午前3時10分。
今度は、浮子が勢いよく海中に消えた。
リールを巻きながら竿を起こすと、今度は確かな手ごたえ。
2匹目は、24センチほどの良形だった。
ーこれからだ!
と、元気が全開したのだが・・・。
                                         
      使用サビキ
このあと、ポツリ、ポツリと2匹を追釣したあと、アタリが消えてしまった。
ーこれでグッドバイ?
そんなバカな。
「逢えば別れが こんなにつらい
 逢わなきゃ 夜が やるせない
 どうすりゃいいのさ 鯵左ヱ門♪」
   (『長崎ブルース』by青江三奈)

逃がした魚は大きい
午前4時15分。
雲に覆われた空が白んできた時だった。
浮子がゆっくり沈み、そのまま消えた。
竿を起こすと、いきなりギューン!と引き倒された。
「キターー」
これまでにない重量感。
尺を超えたか。
死に物狂いの反撃が、その度に冷汗三斗。
苦しい時の神頼み、
「南無帰命頂礼毘沙門天(なむきみょうちょうらいびしゃもんてん)」
と祈りつつ。
敵を15メートル、10メートル、5メートルと引き寄せてくる。

と・・・。
それまでの重しが掻き消え、竿が宙に浮いた。
トッポ・ジージョが、
「ユーザ・ミ・デイッチ・マイ(何ってこったい)!」
と叫び。
今日も美空ひばりの歌が。
「風散々と この身に荒れて
 思いどおりにならない夢を
 失くしたりして
 人は哀しい 哀しいものですね♪」
    (『愛燦燦』by 美空ひばり)
−ああ。

納竿
このあと鯵左ヱ門の身代わりか、まだ20センチにもならない鯵之助が1匹釣れただけ。
午前4時45分、納竿。
竿を仕舞い、仕掛けを片付けていると。
ノビタの後方にいた若い人に声をかけられた。
きくまるさんだった。
ノビタに石持情報を提供してくれた読者だ。
今回、偶然お会いしたのである。

話しをしていると、彼の携帯電話がソフトバンクのi−Phonであることを知り、小躍りした。
ノビタもソフトバンク、ソフトバンク同志の通話は無料なのだ。
ノビタには夢がある。
釣り仲間の全てが、ソフトバンクになる夢が。
携帯電話料金を、月額1800円に抑えろと恐妻に睨まれているノビタの切実なる夢である。

本日釣果
 アジ 18〜24センチ 5匹




















The END
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