2009年9月1日(火)  某堤防 カンパチ釣り
             午前9時10分~午後1時半
ノビタの釣り天国



       Gone with the wind
         
(風と共に去りぬ)


                                   
いつか真夏の空に
空しい風
「かなしさや 釣りの糸吹く あきの風」
  (与謝蕪村)
あき風が海から陸へ。
空しい時が過ぎていく。
青い空。白い雲。
降り注ぐ陽射しは、全てのものを焼き尽くす勢い。
堤防の上のノビタは、まるで熱いトタン屋根の上にいる猫である。
どこからか、細川たかしの『心のこり』が聞こえてくる。
「私バカよね おバカさんよね
 うしろ指 うしろ指 さされても
 カンパチだけに 命をかけて
 耐えてきたのよ 今まで
 秋風が吹く 港の町を♪」

ハナダイはどこに行った?
午前9時前。
堤防に向かい歩いていた。
陰々と空を覆う雲。
ほとんど無風。
湿度が高く、空気が粘っこい。
堤防は閑散としていた。
最近、この折角の静寂の秘所も浮世攻めにあい、不毛の地になるのかと心配していたのだが・・・。ー少しホッ!

遠くで、豆粒ほどの人が頭上で両手を広げたり窄めたり。
ーかたさんだ。
その手旗信号が、頭上で大きくバッ印に変わった。
ーウッソー、信ジラレナイ!
すでに5~6匹のカンパチを釣っていたと思っていたのに。
彼の所へ行くと、さらに信じられないことが。
ハナダイが全然釣れないのだと言う。ーああ。

        
海は少し濁っていた
時々竿が弾むのだが・・・
午前9時10分、ハナダイ釣り開始。
開始から10分、やっと熱烈歓迎のハナダイを1匹ゲット。
不思議なことに、今日はゲテモノのフグも影薄く、ハナダイと同じくらい釣れない。
午前10時、ハナダイをなんとか3匹釣ったところで、カンパチ釣りを開始。
「待てば海路の日和あり」
と、ひたすらその時を待つ。
今日は磯竿2号を2本出し、浮子を付けずハナダイを付けた仕掛けを、そのまま竿先から海に垂らしていた。
その竿先が、時々、元気にバウンド。
その度に、一瞬、心臓がパタパタとはためくのだが・・・空振り。

釣れたのは・・・
サビキでハナダイを狙っていると、いきなり竿先が強く引き込まれた。
慎重に堤防の上に引き上げたのはショゴだった。
チベットなカンパチである。
写真を撮ったあと、
「こんなものイラン!」
と海に返品。
今日はこれが、「ザッツ・オール!(全て)」であった。
いつも運を背負ってくるかたさんも、今日は形を見なかった。
カンパチは、”風と共に去りぬ”と台風と共に港から消えてしまったようだ。

撤収
午後1時半。
「皆の衆 皆の衆
 無理はよそうぜ 体に悪い♪」
とかたさんを誘い撤収。
ー今日の荷はカルカッタ!

「くよくよするもんじゃない。
 肝腎なことは、ねぇ。
 望んだり生きたりすることに飽きないことだ」
  (ロマン・ロラン)

本日釣果
  カンパチ  20センチ 1匹 リリース
















The END
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