ノビタ釣りの旅2009年 三宅島での磯釣り 三宅島の釣り場 我々はどこへ行くのか 「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」 これは、ゴーギャンの最高傑作といわれる絵の題名。 思い悩み迷う人間の戸惑いの声か。 さて・・・。 今のノビタに迷いはない。 ーどこへ行くのか? と問われたら、もちろん海。 ノビタ釣りの旅2009年は、磯釣りで有名な三宅島遠征。 出航前の竹芝桟橋受付フロア レッツ・ゴー三宅島 11月20日~23日、かねださん(旧名ドラえもん)と、三宅島で磯釣りを堪能して来た。 磯釣りも、三宅島も、初めてのノビタが、かねださんに金魚の糞の釣行である。 かねださんの三宅島初遠征は28年前、以来噴火騒ぎのあった期間を除き、毎年通い続けているとのこと。 そんな彼について行くので不安はなかったのだが・・・。 海が時化て予定より1週間遅れの20日(金)午後10時20分に、竹芝桟橋から”さるびあ丸”に乗った。 三日連休の前夜で、それと午後10時丁度発の式根島に向かう”かめりあ丸”の乗客もいたので、竹芝桟橋は混雑していた。 フロアに屯する乗客の半分は、竿ケースを持っていた。 ライバル多しとちと焦ったが、多くは”かめりあ丸”に乗ったのでホッとした。 さるびあ丸 11月21日(土) <到着> 11月21日(土)午前4時50分、三宅島着。 当初、予定の港は波が高く接岸できず、岬の裏側にある港に接岸した。 まだ港は夜の底。 黒々とした丘陵が港を囲み、人家は闇に埋もれていた。 風がビュービュー吹き荒れ。 防波堤に打ち寄せた波が飛沫となって舞い上がり、白い霧状の靄となって闇に消えていく。 オレンジ色の街灯の下、迎えに来た十数人の人影が、岸壁に並んでいた。 迎えに来た民宿の車に乗り宿へ、宿で釣りの準備をしさっそく車で釣り場へ向かった。 命綱なしで・・・ <険しい道> 夜は明け。 風も収まり、青空が広がる絶好の釣り日和となった。 車から降りて唖然。 林に囲まれた眼下は、溶岩が固まった赤膚の断崖絶壁だったのだ。 恐る恐るかねださんのあとをを降りて行くと、突出した崖があり、そこはロープを掴んで降りれたが、斜めに落ちる断崖には掴むものはない。 足を滑らしたら一巻の終わりだ。 ハラハラしながら崖を降りると、大小の赤い岩が無秩序に転がる海岸に出た。 この険しい岩石の原を、かねださんは野に帰った野人の如く苦もなくひょいひょい歩いて行き、いつか消えてしまった。 グレ仕掛け と思ったら途中で、待っていてくれた。 さらに進むと。 目の前に壁のように聳える10メートルほどの岸壁があり、その壁を登り峰伝いに50メートルほど行くと。 眼下に青々とした海があった。 我々が立つ尾根は、真っ直ぐ沖に200メートルほど突き出し、これとV字型の対をなす100メートルほど離れた対岸がある。 さらに我々が立つ尾根と、海岸との間も大きい亀裂が入っていて、我々がいる峰はいつか島になりそうだ。 <恐怖度100パーセント> 天気晴朗なれど波高し、沖ではウサギが飛び。 足元では、サラシが洗濯機の中のように渦巻いていた。 かねださんの話しでは、このサラシがないとグレは釣れないという。 どうやら釣りには絶好の条件らしい。 でも海面までの高さ6~8メートル、凹凸が激しい急勾配の坂の中ほどでの釣りは恐怖度100パーセントの足場の悪さ。 たとえるならば、松坂牛のサーロインステーキを食べに行き、口に入れると身を引くようなタレの辛さに思わずタジタジするような。 大物を釣る誘惑より、断崖絶壁でのやりとりの恐怖が勝るような思いに。 41センチ <はじめの1匹> 午前7時15分。 サラシが渦巻く足元に、一振り入魂の第一投。 釣りを開始してから15分経過。 はじめに釣れたのは30センチほどのイスズミだった。 それから10分もしないうちに、サラシに揉まれていた浮子が消え、いきなり竿が前に張り倒された。 強烈な引きだった。 海面からの高さがあった。 ノミの心臓が、バタバタと大暴れ。 力闘&力闘 もうこれで充分だ。 釣れなくてもいい、終わりにしようぜ。 魚はバレなかった。 かねださんにタモ入れしてもらったのは、41センチのグレだった。 <かねださんの戦い> この釣り場は、3日間(21日~23日)、かねださんとノビタの貸切状態だった。 ノビタが始めのグレを釣った直後、今度はかねださんの竿が撓った。 さすがペテランだ。 竿が海面になぎ倒されても動ぜず、まるで暴れ馬をいなすように竿を制している。 と思って見ていたら。 バラシた奴より小さいけど・・・ 竿がのされてその先が海に潜り、竿を起こそうとすると。 海面から竿先がビーンと跳ね上がったのだ。 「バレターー!」 と、かねださんの悔しそうな叫び。 そして、 「50センチオーバーだった」 と、くやしそう。 ところがどうだ。 かねださんが、再度、仕掛けを海に戻した途端。 竿がまた大きく弧を描いたのである。 ー入れ食いだ! 47センチ リリース 今度は無事タモに入れた、サイズはノビタと同じ41センチ。 「さっきバラシたのは、こんなもんじゃなかった(引きが)。50センチは間違いなくオーバーしていた」 と前のバラシを悔やむことしきり。 期待という奴は、いつも幻覚を起こす。 釣り士の悲しい性だ。 このあとも、30~40センチのメジナや、ブダイ、シマアジ、石ガキダイ、カイワレなどが次々と釣れた。 メジナは数匹を土産に持ち帰り、残りは釣る度にリリースした。 カンパチも釣れた 11月22日(日) <雨と風に邪魔され> 早朝、昨日とは違う磯場に向かったが、先客がいたので昨日と同じ釣り場で竿を出すことに。 この日は、ポセイドン(海神)のご機嫌がななめで、雨と風そして海も荒れる最悪のコンデションであった。 「快楽はどこかに剛健がなければ、その本質が出現しない」 (開高 健) カイワレ とは言うものの・・・。 ザーザー滝のように落ちてくる雨には、ホトホトまいりました。 魚も30センチ以下の小物が多く、戦意がどんどん流出していく。 11時過ぎ、雨は上がったけど風はますます強くなる。 <モーレツな引き> 昼過ぎ。 サラシの中で、蹴られ、振り回され、ブッ飛ばされていた浮子が、白い泡の中に消へ。 直後に、竿先が、いきなりドーン!と大砲の弾に当たったように左側に張り倒され。 そのままリールからジージージーと道糸が出っ放しになってしまった。 竿を起こそうとしたが、起きない。 モーレツな引きだ。 最高級カツオ 「ナンダーーー!」 ノビタが立っていた所は、海面から10メートルほど高い峰。 道糸は、その峰を廻ってV字型に切れ込んだ左側のワンドに入って行った。 ーギブアップ!、切れるなら切れろ(道糸)。 と強引にリールを巻くと。 思いがけなく割りと素直に巻けてきた。 どうやら奴は、パワーを全て消耗してしまったらしい。 かねださんがタモを持ってきたが、その必要はなかった。 一気に、海面から引き抜いた。 足元に転がったのは、かねださんの話しでは、カツオの中でも最高級のスマガツオだと言う。 このあとに30センチほどのカンパチも釣れたが、スマガツオの引きには遠く及ばなかった。 石鯛釣りもいた <移動> 午後2時。 風がますます強くなったので、風の影響を受けない早朝、先客がいた場所に移動してみると。 幸い先客は帰り、その場所には誰もいなかった。 かねださんの話しでは、ここも数多くの大物が上がった場所らしい。 ただここは、足場が海面から2メートルほどと低く、たえず波を気にしながら釣るような所である。 ノビタはも1時間ほど竿を出したが、足元に置いていた沖アミがザーッと流されたところで休戦し。 以降、かねださんの釣りを観戦していた。 シマアジは刺身で頂きました 夕まずめ、30センチほどのシマアジが一時、入れ食いに。 と・・・。 「ワオーーーッ!」 と、かねださんが叫んだ。 針掛かりしたシマアジを、1メートルを超す黒い魚影が襲ったらしい。 大物がいる雰囲気は、充分あった。 暗くなった午後5時半、納竿。 地元の人が夕飯のおかず釣り 11月23日(月) <帰る日> 朝のうち雨が降っていたが、午前7時を過ぎると青空が広がってきた。 海はベタ凪。 こんな日は期待できない。 釣れるのは、20~30センチのメジナばかり。 帰る準備をしなくてはいけないので、午前11時に納竿。 民宿に帰り、竿ケースや釣具、それに釣れたメジナの一部を梱包し宅急便の手配をし。 昼食をとったあと、民宿の車に送られて港に行き、八丈島から戻ってきた”さるびあ丸”に乗船。 午後2時半、出航。 帰りの海はベタ凪で、航海は快適であった。 I shall return <見果てぬ夢> かねださんが釣りたいと言っていた50センチオーバーのメジナは、とうとう最後までその姿を拝むことができず、悲しき片想いで終ってしまった。 かねださんの話しでは、水温が25度と高い今は大型が回遊してくる可能性は低いらしい。 水温が、18~19度に下がる12月から2月ごろが狙い目と言う。 後ろ髪を引かれる思いで三宅島を後にした。 「I shall return!」 次回は、2月か。 三宅島の磯釣りは、一人では危険なので仲間を誘うしかないが・・・。 メジナの一部はお土産に 3日間の2人の釣果 メジナ 40~43センチ 7匹 バラシ 10匹ほど 30~39センチ 20匹ほど 20センチ前後 無数 カンパチ 32センチ 1匹 スマカツオ 34センチ 1匹 シマアジ 25~30センチ 10匹ほど イスズミ 47センチ 1匹 40~45センチ 10匹ほど 石垣鯛 30センチ 1匹 ムロアジ 45センチ 3匹 ブダイ 40センチ前後 5匹 名前がわからない魚 20匹ほど The END |
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