2010年3月30日(火) 午後5時40分~午後9時半 カレイ狙い
那珂湊 水温 
7.8度 <潮>大潮 満潮16:23 干潮22:23
ノビタの釣り天国


         狙い反れて・・・

                                     狙い大きく反れる
寒い夜だった
黄昏の堤防で独り釣りの準備をしていた。
今夜は4度目の夜のカレイ狙い。
夜、まだその姿を見たことはなく、焦がれるほどに高嶺の花になり。
頭の中で、その花は神秘的で妖艶でさえある。
ドイツの女優ヘネローレ・エルスナーは言う。
「女が男を待たせるのは、もっと期待をふくらませてあげたい一心からなの」
待つのには慣れているけど、でも時間は残り少ない。
もうすぐ夜はメバルやアジの舞台だ。

海から肉を貫くような凍風が吹いてくる。
耳朶の感覚がなくなり、脳味噌まで凍ってしまいそうだ。
寒さが手の動きを鈍くし準備がはかどらない。
西の空は茜色からワインレッドに、ワインレッドからスミレ色に変わり、
投げ竿4本全て出し終わるころには茄子紺色に変わっていた。
東の空を見上げると、オレンジ色した真ん丸い月が煌々と輝き、海上に金色の帯を曳いていた。
かたさんも此処からは見えないが、300メートルほど離れた所で釣りの準備をしているはずだ。

      
満月の夜だった
はじめの1匹
午後6時5分。
はじめに投入した竿の道糸のフケを取り、聞き合せをした。
と・・・。
ゴトゴトゴト・・・と何かが針に掛かった手応え。
ーなんじゃらほい?
手応えはさほどでない。
リールを巻いてくると、カタカタカタ・・・とにぎやかな抵抗が竿を持つ手に伝わってくる。
ーカレイではない。

狙いがそれたようだ。
堤防の上に転がっつたのは、25センチのアイナメ。
記念写真を撮っていると。
くまのプーさんのメロデーがポケットから鳴りだした。
携帯電話の呼び出し音である。
かたさんからだった。
まるでノビタがアイナメを釣ったところを見ていたかのような絶妙なタイミングだ。
様子を聞かれ報告すると、うらやましそうだった。
                                             
1匹目
そして2匹目
午後6時35分。
1本の竿の先が、ビシッ、ビシッ、ビシッと。
剣道の面打ちの連打のように、竿先が大きく3度しなった。
ーキターッ!
見事なアタリである。
文句なしに100点満点であったが、空振り。
このようなアタリは、このあとも3度ほどあったが全てナッシング。
よほど頭のいいホシなのであろう、とうとう捕まえることは出来ずじまい。
本件は、迷宮入りとなる。
                                             
2匹目
午後7時35分。
「リリーン、リリーン、リリーン・・・」
といつまでも鈴が鳴り止まないアタリ。
犯人は、30センチのアイナメだった。
仕掛けを海に返そうとすると、電話。
かたさんからだ。
33センチのアイナメが釣れた報告である。
こちらも釣れたと報告すると、「エッ!」と驚いていた。

納竿
午後9時半。
今夜も、あきらめは心の養生と納竿。
月灯りに伸びる堤防をかたさんと歩きながら、船でカレイを釣ろうということになる。
目標はカレイ2枚ではない、2桁だ!

「 あなたはあなたの深い願望そのものである
 あなたの願望があなたの意欲をつくり
 あなたの意欲があなたの行為をつくり
 あなたの行為があなたの運命をつくる 」
 (『ブリハッドアラーニャカ・ウバニシャッド』インド古代聖典より)

本日釣果
アイナメ  25センチ~30センチ 2匹

The END
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