今日も狙いがそれて 嬉しい外道であった 日誌が更新できない ここ連日、舞台裏は玉砕の大安売り。 天候もさることながら腕が悪い。 素人に毛が生えた程度の腕は、10年1日の如く変わらない。 毛虫は蝶にはなれなかったのだ。 そして今日も肩を落とし、鼻水を垂れ、足を引き摺り。 直江兼継を演じた加藤清史朗君のセリフをまねて、 「わっしゃ こんな釣りは しとうはなかった」 とぐちりながら帰ってくる。 でもくじけない。 劇作家ストリンドベリが言っているではないか、 「苦しみつつ なお魚を追へ(正しくは”なおはたらけ”) 安住を求めるな この世は巡礼である」 ーガンバロウ! 彦ヱ門さんとメトロさんと うす闇が地を這う夕暮れ。 東から凍風がヒューヒュー吹いてくる。 寒さが身に沁みた。 春は名ばかり今夜もまだ冬だった。 誰もいない海で、バタバタ、ビニール袋が乾いた音をたてていた。 午後6時半、釣り開始。 竿は3本出した。 今日の狙いは比較的確立の高いアイナメ。 餌は1週間前に買った青イソメ、餌箱の中でソ-メンのように体が伸びきり仮死状態になっていた。 腐る直前の青イソメの方が喰いが良い、と言うかたさんの言葉を信じて。 闇より濃い人影が2つ近づいてくる。 彦ヱ門さんと、メトロさんだ。 彦ヱ門さんはだるまのように着込んでいて、転んだら起き上がれない感じ。 2人は昼間、別の戦場でカレイと戦ってきて。 彦ヱ門さんは43センチのマコガレイを仕留めたが、メトロさんは玉砕とのこと。 予想外の・・・ 午後6時50分。 2人と話しながら釣りをしていると。 「リリーン、リリ-ン、リリ-ン」 と、ちょい投げしておいたアイナメ仕掛けの呼び鈴が鳴った。 竿先のケミホタルが跳ねている。 久々のアタリ。 雲間から陽射しが漏れたような。 この瞬間、世の中がいきなりバラ色に。 竿先がビシッ、ビシッ、ビシッと張り倒され、 「リリーン、リリーン、リリーン」 と、1拍3拍子で鈴が鳴り続ける。 竿を上げるのはもったないと、1分ほどアタリを楽しみ。 ーもう良し! と竿を持ち上げた。 と・・・。 ー重い! ”だまって俺について来い!”、とばかりにリールをガンガン巻いた。 そのまま一気に堤防の上へ。 堤防の上でバッタ、バッタと跳ねたのは。 ー予想外のマコカレイ! 計測、37センチ。 メジャーが曲がり、写真では36センチ。 愚痴が多い このあとが続かない。 彦ヱ門さんは、はじめで最後となったノビタの捕り物を観戦したあと帰って行った。 かたさんに電話すると、かたさんも近くでカレイを狙っていた。 「まったく釣れない、アタリもない。どうなってんだろう」 とボヤクことしきり。 メトロさんにもアタリがない。 「カレイはおれには縁がない。今年はまだ1匹も釣っていない。うんざりだ」 とメトロさんも、口を開けば愚痴ばかり。 出展は忘れたがこんな箴言がある。 「人間とはみずからの不幸を嘆く愚痴多き動物なり」 午後9時半。 これ以上いても無駄だろうと、かたさんを残し撤収。 メトロさんんは、とうとう1日を棒に振ってしまった。 本日釣果 マコガレイ 36センチ 1匹 The END |
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