アジ釣りは数ではない 悲願達成 デカアジを求めて 今朝も出撃したけど、小アジがたった2匹の惨果だった。 原因は寝坊、このため朝まずめの好機を逸したのだ。 ノビタより早く出撃していたかたさんとイチさんは、しっかと良い結果を出していた。 ーこのままでは引き下がれません。 釣り侍の一分が立ちません。 明日への希望が持てません。 と発奮。 かたさんとイチさんに、 「昼までに、アイ・シャル・リータン。 30センチオーバーのデッカアジを釣り。 0対3で迎えた9回裏、2死満塁、ツーアウト・スリ-ボールでの劇的逆転ホームランをぶちかますよ!」 と宣言してきた。 (帯状疱疹は治ったのだが、肩の痛みはまだチロチロと燃えていた。 医師より2週間様子を見てから生体検査をしましょうと、告げられている。 この間、左肩に負担をかけないようにの注意はあったが、釣りをするなとは言われていない) 悲しき片想い 午前11時50分、釣り開始。 海も空も灰色の霧で覆われていた。 30メートルほど沖に浮かんでいる浮子が霧に霞んでいる。 南から北へ、風とも言えないほどの空気の流れ、その中に青臭い潮の匂いをかいだ。 「ブオーーーブオーーー」 と霧笛が、苦しげに靄に包まれた海上を這い消えていく。 海は、肌着が体に粘りつく蒸し暑さだった。 釣りを開始してから1時間半、まだ1匹も釣っていない。 浮子が霧に霞む 隣りで若夫婦が釣りをしていた。 奥さんが、30センチ級のデカアジを次々と釣り上げている。 それを見たとき、今に見ていろ僕だってと、胸中を闘志が火の海にしたのだが・・・。 ところがギチョン、チョン。 そうは問屋がおろしません。 その今が来ないのだ。 奥さんとノビタの浮子との間隔は4~5メートル。 奥さんの浮子がズボッ!とまた灰色の海中に潜った。 ノビタの浮子はその隣りで、 「あっしには関わりございません」 と知らん顔。 これで釣れた! サビキをいろいろ交換してみた。 サバ皮、ピンクのスキン、キラキラした髭付きのスキン・・・。 白スキン135は、夜用なので省いた。 焦っていた。 隣りで、また奥さんがデカアジを上げた。 頭も心もパニック状態だ。 サビキを交換して5分もしないうちに、次のサビキに交換。 ー落ち着け、落ち着け、・・・。 と心の手綱を締めるのだが、手も足も暴走し、いうことを聞かない。 午後1時半。 ーやっと! 暗い谷間に光が射し込んだような、待望のアタリ。 20号の大浮子が、ズボッ!と海中に消えた。 手応えは大物。 ところが・・・なんと海面から引き上げた直後に、 「ハイそれまでよ」 と海に落下し、消えてしまった。 おそらく30センチオーバー。 「デカアジ・カム・バッグ!」 と叫んでみたが、ただ足元で砕ける波の音が返ってくるだけ。ーああ! やっと釣れた! サビキ針8号が小さ過ぎたのかと思ったが、8号しかなかった。 バレたけど、初めて食いついたサビキ(右写真)なので、もう迷わずこれと心中することにした。 それから10分後。 また浮子が消えた。 浮子はそのまま浮上して来ない。 リールを巻きながら、慎重に岸に敵を引き寄せて来る。 ほぼ尺アジ(四捨五入) 竿を持つ手に、水中の魚の躍動が伝わるたびに。 ーバレルナヨ、バレルナヨ・・・。 と祈りつつ。 そして、一気に堤防の上へ。 ー大きい! 初めの1匹は、熱烈歓迎の30センチオーバーに見えたデカアジ。 随分待たしてくれたもんだ。 涙は出なかったが、心の中は滂沱、滂沱、滂沱。 このあとは、堰を切ったようにデカアジとワカシが釣れ続いた。 塩焼きで一杯 終章 水温が20度を超えたせいか、海は百花繚乱の兆し。 デカアジ、ワカシ、ショゴ(カンパチの子供)、ハナダイ(餌サイズ)、石持(シログチ)などが釣れていた。 午後4時、納竿。 結局、26~30センチのデカアジが6匹。 小アジは1匹も混じらなかった。 アジ釣りは数ではない、サイズさ。(コホ、コホ) 夕刻。風呂上り。 デカアジの塩焼きを抓みに飲んだ、アサヒ・ストロングオフの美味かったこと。ーああ。 「生ける人 つひには死ねるものあれば 今在る間は 楽しくをあらぬ」 (『万葉集』の大伴旅人の句) 本日釣果 アジ 26~30センチ 6匹 ワカシ 23~28センチ 7匹 ハナダイ 10~12センチ 20匹ほど(全てリリース) The END |
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