2010年8月16日(月) 午前3時半~午前9時半 某堤防
那珂湊 水温 
20.1度 <潮>小潮 満潮  8:28 干潮 13:29
ノビタの釣り天国


        辛うじて1匹の日


                                     ボーズ逃れの1匹
酷暑の中で
灼熱の陽射しを全身に浴び、カンパチを待っていた。
逃げ場はない。
ー暑い!
まるで全身が焦げ付くようだ。

「三伏門を閉じて一衲(のう)を被る
安禅何ぞ必ずしも山水を須(もち)いん
心頭を滅却すれば火も亦(また)涼し」
これは唐の翰林院(かんりんいん)学士、杜荀鶴の詩の転結。
甲斐の慧林寺(えりんじ)の快川和尚が、武田勝頼が滅亡したとき、
炎上する山門の楼上で、この句を大喝し焼死した話しは有名。

ノビタは、快川和尚ではない。
心頭を滅却できず、ノビタは黙って冷凍カルピスウォータを飲む。
と、途端に流汗淋漓(りゅうかんりんり)だ。

不毛の砂漠
午前3時半、釣り開始。
夜明け前の漆黒の闇の中。
風も無く、うるんでいるようなムシ暑さ、
肌に纏わりつく肌着、汗がゾロリと肌を滴り落ちる。

サビキ仕掛けを足元の海に垂らし、
竿を2~3回シャクッタあと、置き竿にする。
竿先に鈴を付けておいた。
10分、20分、30分・・・。
海は応えない。
まるで不毛の砂漠で釣りをしているような・・・。

  
ハナダイ仕掛け
隣りにいたのは
午前4時過ぎ。
隣りに釣り士が二人、その隣りにまた一人。
いつか空が白んできた。
かたさんの話しでは、昨日は午前4時半にハナダイが釣れたらしい。
そろそろ来るころだ、と思っていると。
午前4時20分、貴重なハナダイが1匹釣れた。
そのあともポツリ、ポツリと2匹追釣。
午前4時半。
餌を3匹確保したところでカンパチ釣りを開始。
カンパチ用の竿は3本と、いつもより1本多く出した。

明るくなると、隣りの釣り士が近づいてきた。
ナント、つりきちさんだった。
今日まで仕事が休みなので、海か山か迷ったすえに来たという。
結果的には、山の方が正解だったのでは・・・。
つりきちさんと彼の友人の向こうに、かたさんがいた。
今日は先日とは違い、足元の海を赤く染めるほどハナダイがいた。
10匹釣れたところで、餌釣りをやめた。


会いたくて
カンパチを待った。
午前5時が何事もなく過ぎた。
午前6時も何事もなく過ぎた。
先日は午前6時までにカンパチが3匹釣れたのに。
ー今日はどうした?
と海に呼びかけてみた。

いくら待っても来ない。
夏川りみが、ノビタに代わって歌っている、
「晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても
さみしくて 恋しくて 君への想い 涙そうそう
会いたくて 会いたくて 君への想い 涙そうそう」
と。

カンパチはいた!
午前6時40分。
ゴチャゴチャになったサビキを解いていると、
ガガという物を擦る音が聞こえてきた。
振り返ると、右端の竿が海へ引き摺られていた。
ーオー・ノー!
と叫びながら竿にしがみつき、敵を強引に寄せて、そのまま堤防の上へ。
30センチのカンパチだった。

午前7時50分。
海上に浮かんでいた浮子が、激しく浮き沈みし、
そのまま海中に消えた。
ーキタキタキタ!
 慌てるな、ゆっくり餌を飲み込め。
 俺は食事の邪魔はしないよ。
とそのまま放置していると。
浮子が海面に浮上し、
そのまま何事もなかったように漂っている。ーああ
仕掛けを回収すると、餌のハナダイは消えていた。
ー食い逃げだ!
これが運の尽きだった。
以降、アタリなし。

納竿
午前9時半、納竿。
つりきちさんたちは、結局ボーズ。
かたさんは、ノビタと同じ1匹。
猛暑で、カンパチは沖に逃げたのだろうか?

本日釣果
 カンパチ 30センチ 1匹


The END
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