2010年9月20日(月) 午前3時半~午前7時40分 某堤防(アジ釣り)
那珂湊 水温 
24.0度 <潮>中潮 満潮  0:58 干潮  7:58
ノビタの釣り天国


       流星光底逸長蛇の日


                                  スリミにしました
アジは美味い!
昨日。
誰もいない釣り場で思いがけず、
『こんなに釣れてインカ帝国』のアジに曹禺。
それをかみさんにスリミダンゴにして白湯で煮てもらい、ワサビ醤油で食し二嘆三嘆。
ビールを飲みながら、この一味の燦爛に酔いしれた。

今日も、「ジュテーム・モナムーン」と、アジを求め昨日の場所ヘ。
やる気満々だった。
狙う相手と場所を違わなければ、勝利が約束されているのだ。
2010年サッカー日本代表テーマ曲に選ばれたサラ・ブライトマンが歌う、
『クエスチョン・オブ・オナー』が海の方から聞こえてくる。


    クエスチョン・オブ・オナー

 If you win or you lose
 It's a question of honour
 And the way that you choose
 I can't tell what's wrong or right
 if black is white or day is night

 勝とうが負けようが
 それは名誉が保たれるかどうかが問題なのです
 あなたが決断を下すとき
 何が正しくて何が間違っているかは分かりません
 白であろうが黒であろうが 昼であろうが夜であろうが

はがゆい唇
午前3時半、釣り開始。
上空はうす雲におおわれていたが、雲の切れ目から星がまたたき、
わずかな光を放っている。
黒々と伸びる堤防に人の気配はなく静けさが深い。
北からの風がゆらゆら流れていたが、今朝も暑いほどの陽気だった。

釣りを開始して5分。
「リリーン、リリーン、リリーン・・・」
と置き竿にしていた竿の鈴が鳴った。
竿を掴みスーッと竿を持ち上げると、
真っ黒い海からパタパタと白い魚体が持ち上がり、
と・・・ポチャーン!と落ちてしまった。
ーオタンコナス!
針のかかった場所が悪かったらしい。
「歯痒いのよその唇 キスする場所間違っている」
 (『はがゆい唇』 by 高橋真梨子)
と教えてやりたい。

    
                                          白湯で煮たスリミ
暗いうちだけ
でもそのあとすぐに、
「オハヨウゴザイマス」
と今朝も元気にアジが堤防に上がってきた。
ポツリ、ポツリと釣れ続く。
サイズは昨日より小ぶり。
24センチを超える良形は、10匹に1匹程度である。
釣りを開始してから30分ほどあとに、かたさんから電話があった。
彼は、別の場所でやるらしいが・・・。

カンパチのエサになりそうなアジが2匹釣れたので、
夜が白んだ午前5時に、だめ元でカンパチ用の竿を2本出す。
アジがいるということはその匂いが海に漂い、
カンパチを引き寄せていると思ったから。
ま、釣れれば余禄のような狙いではあった。
昨日は、明るくなってから良形のアジが入れ食いになったので、
夜明けに期待したのだが・・・。
今日は明るくなると同時にアジが去ってしまった。
                                               
スリミ入り煮物
最後の最後に
午前7時半、これ以上やっても無駄と帰り支度をしていた時だった。
「ガタッ!」
と静けさを破る異常音。
振り返ると、竿が半分以上海に落ち命綱にブラ下がっていた。
慌てて飛んで行き、海面を覗くと赤い浮子が何事もなかったように浮かんでいた。
ー逃げたのだ!
エサだけ盗られていた。

この悔しさ、頼山陽の漢詩『不識庵撃機山図』の上杉謙信の気分。
 遺恨十年一剣を磨き
 流星光底長蛇を逸す
謙信が馬上から宿敵、武田信玄を襲ったときに邪魔が入り討ち損じた意。
                                               
スリミ入り味噌汁
代わりのエサはなかった。
網付きのバケツに入れ海に沈めていた生きアジが、バケツもろとも流されてしまったのだ。
でも・・・、消えたはずの灰のなかから、またカンパチへの想いがメラメラと燃え上がってきた。
午前7時40分、撤収。

今日も結果的には、
「つづまるところ、天が下に新しいということもなく、
奇手ということもない、ということではあるまいか」
(『風塵抄 Ⅰ』by 司馬遼太郎より)

本日釣果
  アジ  17~24センチ  39匹


The END
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