たかがサバされどサバ なんとか6匹確保 応答なし 午前4時、釣り開始。 空は雲に覆われ月なく星なく、まだ一面夜の底だ。 一昨日は、夜明け前から襲来した。 なら暗いうちが勝負、 「サー来い、サバ乃助!」 と呼びかけながら、一振り入魂の第一投。 電気浮子が、闇に赤い尾を引きながら飛んでいき、 30メートルほど沖にドボーン!と着水。 弱い北風が海を小波で覆っていた。 釣りを開始してから、10分、20分、30分、40分・・・。 ー応答なし。 電気浮子の赤い灯りが、どす黒い海上でユラユラと揺れているだけ。 「お~い、サバ乃助どうした? まだ寝てるんか? 早く起きな、朝飯だぞ!」 悲しき堤防 午前5時、雲の裂け目が白んできた。 4~5分おきに、弾薬(コマセ)を詰め替えては仕掛けを投げ直す。 ー走れサバ乃助! サバ乃助は走らない。 ノーヒット、ノーランだ。 弾薬が、どんどん減っていく。 午前6時を廻った。 弾薬は底が見えてきた。 ー今日はもう来ないのか? 足元でザザーッと砕ける波の音が、 デル・シャノンが歌う『悲しき街角(RUNAWAY)』に聞こえてきた。 What wrong with our love A love that was so strog And as I still walk on I think of the thing we've done together While our hearts were young I'm walkin in the rain to the park and I feel no pain 歩きながら考えてみる 僕らの愛はどこへ消えたんだ 二人が恋していた頃 いつでもどこでも一緒だった 雨に打たれて痛む心 公園まで歩いてみる 雲多き夜明け 禍福糾纆(かふくきゅうぼく) 午前6時10分。 浮子が海面から消えた。 「キターーー!」 竿をつかみリールを巻く、確かな手応え。 やっと掴んだ幸せは33センチのサバだった。 ー好機到来! とばかりに、仕掛けを海へ返そうと投げたとたん、 「バン」 仕掛けを堤防の壁に叩きつけてしまった。 道糸が竿先に絡んだのだ。 見ると、なんと!浮子がナイジェリア。 道糸から解放された780円が岸際の波間に漂っていた。 予備の浮子は持ってきていない。 禍福は糾える纆の如し。ーああ 堤防を駆け回り、タモを借りてきて無事回収。-ホッ 焼きサバとスダチ 納竿 1匹目を釣ってから15分あとに、釣りを再開。 パタパタパタと5匹追釣したところで、食いが止まった。 午前7時。 弾薬がなくなり、納竿。 帰宅し朝食。 トレトレのサバを焼き、我が家の庭に生るスダチを添えた。 焼きサバには、スダチがよく似合う。 本日釣果 サバ 32~34センチ 6匹 The END |
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