俺たちに明日はない? インデアンの壁画 雨の訪問者 雨が降っている。 恵みの雨に、悪魔が毒を吹きつけた。 放射能という毒を。 かみさんは、 「外に出るんじゃないぞ!」 と俺を睨んでいる。 ガソリンもない。 ガソリンスタンドに並ぶ長~い車の列を見ていると、 とても並ぶ元気が湧いてこない。 日本列島の北半分が、ガソリンが欲しいと泣いている。 ロシナンテも燃料切れで、車庫の中で仮死状態だ。 今はロシナンテの代わりに、かみさんが家庭菜園用に使っているボロ自転車に乗っている。 この自転車の前後についている籠に、スーパーで買った日用品を入れ、 天気が良い日は青空の下、口笛を吹きながら走っている。 このボロ自転車、人間にたとえれば80歳を超す老人だ。 カギは腐ってカギ穴に嵌ったままだし、油切れで錆びが噴き、 ペタルを踏むと《キーコ、キーコ・・・》と悲鳴を上げる。 それでも俺は酷使する。 決して容赦はしない。 坂だって、《なんだ坂、こんな坂》とペタルを踏む。 ペダルを踏むたびに、《キー、キー、キー・・・》と、自転車は断末魔の叫びを上げている。 元気の出る絵 今回の震災の犠牲者は、死者と行方不明者を合わせると2万を超すという。 かつ、震災と福島原発の放射能により、暖も風呂もままならぬ避難所で暮らしている人は22万人強。 不幸を蒙った多くの人々を考えたら、釣りはしばらく自粛せねばなるまい。 でも・・・。 俺にとって、生きるために必要な三大元素は、”食べる”、”寝る”、”釣る”である。 ”釣る”は心源だ。 その心源の泉が今、枯渇しつつある。 「若き日ははや夢と過ぎ・・・」の、古肉の雑巾のような俺はこのまま朽ちていくのかしらん。 ー俺たちに明日はあるのか、ナ? こんな俺を癒してくれるのは。 十字架ではない、仏像でもない、仁王様でもない。 今から600年前、北米大陸の先住民であるインデアンのアナザジ族が岸壁に残した絵だ。 この絵を翻訳すると、 「おれは男だ、文句アッカ!」 (ノビタ訳) である。 こ絵をみながら俺は耐える。 大阪万博跡に立つ、岡本太郎の『太陽の塔』を超えるパワーを感じるのは、俺だけかナ? The END |
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