2011年3月25日(金)


ノビタの釣り天国


        ガンバレ、日本!

                                         自転車で行く道
春なき春
「久方の 光のどけき春の日に
 静心なく 花の散るらん」
今の日本には、そんな春を想う余裕はない。
なんせ。
大地震に続いて、今度は福島原発の放射線拡散の騒ぎ。
その黒い影が、とうとう関東まで鷲づかみにしたのだ。

そこまで春がきているのに、だれも春の足音など聞く人はいない。
聞こえるのは。
避難所に暮らす人々と、漁する民と農する民と、巷で暮らす人々の悲鳴ばかり。
「医薬品が足りない」
「風呂に入りたい」
「暖がない」
「船がない」
「風評で野菜が売れない」
「ガソリンがない」
「水がない」
・・・。

ボロ自転車と一心同体
東海村の水道も黒い影から逃れられなかった。
我々はどうでもよいけど娘たちのために、
かみさんのボロ自転車に乗って、スーパーに水を買いに行く。
はじめのうちは、スーパーまでの片道45分をテクテクと歩いていたが、やはり歩くより自転車の方が楽だ。
人間は楽な方へ楽な方へと流れるらしい。
今では、自転車なしでは行く気がしない。
日々愛着が増すのか、今はこのボロ自転車と一心同体である。
ペタルを踏むたびに《キーコ、キーコ、キーコ・・・》と啼くボロ自転車が、
まるで生き物のように思えてくる。
我が家には、犬や猫や鳥など生き物のペットはいない。
かみさんが嫌うからだ。
なぜなら、この俺が全ての愛情をペットに注ぐことを恐れたからだ。
かみさんの読みは正しい。
そうなることは間違いない。
俺はそういう男だ。

愛の讃歌
青空の下、
ヘッドホーンから流れてくる歌を聞きながらペダルを踏んでいると、
しみじみ生きていて良かったと思う。
流れてくるのは、エディット・ピアフの『愛の讃歌』。
これもKeiさんの訳である。
エディット・ピアフ自身が作詞した炎と燃える愛の歌である。

「青い空が落ちてきても
この大地が崩れても
あなたに愛されていればどうでもいいの
世界のことなんか私は知らない

愛に溢れる朝が続くのなら
あなたの手で私の体が震えていれば
他に大事な事なんて何もない
愛しいあなたに愛されるなら

世界の果てまで行きましょう
髪をブロンドにも染めましょう
あなたが望むなら
月を取って上げましょう
未来も盗みましょう
もしもあなたが望むなら

国も捨てましょう
友達も捨てましょう
もしもあなたが望むなら
どんなに人に笑われようと
どんなことでもするでしょう
もしもあなたが望むなら

あなたが命尽き引き裂かれる日が来ても
あなたが死んで遠くへ行ったとしても
あなたに愛されていればどうでもいいの
その時私も死ぬでしょうから

何時までもあなたと共に居るでしょう
どこまでも広がる青い空の中で心配することは何もない
私たちはお互い愛し合っているのでしょう

神が愛しあう私たちを再会させるでしょう

一蓮托生
坂道を下る時、ボロ自転車は重ねた年月を霧消する、そして若き獅子に変貌するのだ。
声をたてずに、一陣の風となって駆け下りる。
どんどん勢いを増す。
ボロ自転車と俺は一蓮托生。
爽快感と転倒する恐怖。
天国と地獄が紙一重。
転倒すればボロ自転車もろともあの世行き。
思わず、
ーそんなに速く走るんでない!
と、手綱(ブレーキ)を引き締める。
とたんに、
《キーキーキーキー・・・》とボロ自転車が金きり声を。
《もっと速く走らせろ》と叫んでいるのだ。
歩いている人が、なにごとかとふりかえる。
でも。
坂を下りきった時の、この溢れる充実感は何だ。
今度は上り。
今度は俺がヒーヒー言う番だ。
ボロ自転車を曳き汗を頭から散布しながら、ヨイショ、ヨイショと上って行く。

節電にご協力を
Yスーパーに着いたのは、開店の10分前。
客が10人ほど店の前にいた。
開店と同時に客が駆けていく。
俺はのんびりかれらのあとについて行く。
-あった、水が!
昨日と売り場が違っていた。
売る量も、昨日は1.8リットルのペットボトルが一人2本だったのに、
今日は一人1本になっていた。

Yスーパーと同じ屋内に、
マツモトキヨシの店舗がある、ここは地震があった以降、いつも暗い。
照明を1/5にしている感じ。
はじめは休業しているのかと思ったのだが、よく見ると黒い人影がチラチラ、
店員と客の人影だ。
電気の使用量を減らし営業しているのだ。
思わず、
ーガンバレ!
と言いながら買おうと思ったが、買う物が思い浮かばず、
切捨て御免!と頭を下げて素通り。

その足でKスーパーに行った。
ここも震災のあとは、店内の照明を1/3にして営業を続けていた。
ここに来て、
Yスーパーの照明の明るさを思い出す、あれはちと明るすぎではないかと。
天然水売り場に行ってみると、何もなく空きスペースになっていた。

The END
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