2011年11月22日(火)  午前6時20分~午後12時
       那珂湊 海水温 16.4度
       那珂湊の潮汐 中潮 満潮 12:46  干潮  6:49
ノビタの釣り天国

       
2011年11月22日(火) 那珂湊沖のタコ釣り

          記録更新の日!

                                  良形タコ17匹!
チョンチョンチョーン
「ノビタは底を突く
 チョンチョンチョーン
 チョンチョンチョーン
(北島三郎の『与作』の節で)
先日、タコを27匹釣ったかたさんの釣り方である。

信ずる者は救われる。
ノビタもチョンチョンチョーンを繰り返した。

今日は、めったにない3点セットの好天気。
一つ。
雲ひとつない真っ晴れ。
一つ。
波静か。
一つ。
ほとんど無風。

「タコは凪を釣れ」
のタコ日和であった。

俺は頑張った。
ホップ、ステップ、ジャンプ。
喜びも悲しみも幾歳月、これまではホップ、ステップまで、今日こそジャンプの日である。
今年の常磐沖は真タコの魚影が濃く、ノビタのようなヘタッピーにもチャンスはあるのだと。

チョンチョンチョーンと、海底をサンマを付けた仕掛けで突いていると。
《グニョ》とねばっこい信号が、道糸から手に。
転瞬。
「ソレーーーッ!」
と、道糸を大きく振り上げると。
”グワッ”と、重量感のある物体が海底から持ち上がる。
何度、味わってもこの瞬間がたまらない。
タコ釣りのダイゴミである。
続けて、
「エッサ、ホイサ、エッサ、ホイサ、何だ坂、こんな坂」
と頭から汗を散布しながら物体を引き上げてくる。

水深6~7メートル。
無我夢中だ。
タコが海面に浮上しても、道糸をたぐる手を休めてはいけない。
そのまま、タコを船上に引き上げるのだが。
それは、
「Play for all or nothing(のるかそるか)」
の賭け。
一気に、海面からタコを船上に飛ばす。
この時、
「ダダダダーン」
と、ベートーベンの『運命』が流れることも。
そして。
空中で針から外れたタコが、海へ《ドボーン!》。
今日も、この曲を6回も聞いたヨ。
(今日はタモ入れ掛かりがいなかった)

BGM
今日は『ミスター・ポストマン』にした。
ビートルズやカーペンターズで知られている曲だが、今日はあまり聞いたことのないザ・サタデイズの歌で。


「おねがいよ 郵便やさん
私への手紙があるか見てみてよ
おねがいよ 郵便やさん
私の恋人からの便りに
なんでそんなに
時間がかかるのよ

遠くにいる恋人から
今日手紙があるはずよ
お願い郵便やさん
私への手紙がないか
見てみてよ
・・・」



                                        
絶好のタコ日和であった
航程5分の戦場で
那珂湊港に着いたのは、午前5時20分。
まだ真っ暗。
今日は、潮騒の音が聞こえてこない、海はベタ凪のようだ。
群青の夜空に無数の星がさんざめき、アンパンマンの口のように下弦の月が微笑んでいた。
ー寒かった。
西からの弱い凍風が、衣服を貫き寒気が肌を刺す。
船着き場の前で、先客の車が一台、エンジン音を《ドドドドドド・・・・》と響かせ暖を取っていた。
午前6時10分。
タコ釣り船は、ノビタを含むタコ釣り師3人を乗せ港を出港。
ベタ凪の海を5分ほど走った所で停止。

はじめの2匹は曰くつき
午前6時20分。
船長の合図で戦闘開始。
左舷の船首にノビタ、その隣り中央よりやや船首側に一人、そして右舷側の大トモに一人、それぞれの位置で戦うことに。
釣りを開始して5分。
ノビタの隣りの人に来たが、船上に引き上げる時に《ドボーン》と針から外れ逃がしてしまった。
ー今だ!
逃げたタコはまだ朝食を摂っていず、腹をすかして海底をウロウロしているはず。
チョンチョンチョーンの誘いのリズムを早くし、誘っていると。
《グニュ》が。
「ソレーッ!」
そのまま一気に、船上へ。
はじめの一匹は、1.5キロほどのタコだった。

1度あることは、2度ある。
また隣りの人が、船上に上げる瞬間にバラシ。
他人の不幸は蜜の味。
ー待ってました!
とばかりに、チョンチョンチョーンに勢いをつける。
と・・・。
またまた《グニュ》が。
「ソレーッ!」
と、午前7時までに、隣りの人が呼び寄せたタコ2匹を頂いてしまった。

     
隣りもタコを釣る船ぞ
バラシぐせ
目の前に我々と同じ、タコ釣り船が止まっていた。
タコ釣り師が8人ほど乗っている。
ポツリ、ポツリだが、間隔をあけずタコが引き上げられていた。
やはり、今年はタコの当り年のようだ。

午前9時までに良形タコを5匹追加。
これまでにない好ペースだった。
ところが、世の中そう甘くない。
このあと、タコを海面からゴボー抜きするたびにバラシを繰り返してしまった。
一度バラスと、それがクセになるようだ。
用心、用心。

4度目の正直
午前11時過ぎ。
この時、すでに15匹釣っていた。

次の16匹目が手強かった。
チョンチョンチョーンと海底を突いていると。
また《グニュ》と粘っこいアタリ。
「ソレーッ!」
とばかりに引き上げ、そのままゴボー抜きと思ったらドボーン!、と空中で針がはずれグッドバイ。

「マテーーー」
と仕掛けを海底に落とし、一シャクリ。
「・・・ウッ?」
奴がまた仕掛けに乗った。
ところがまたも海面で、グッドバイ!

「ナメルなよ!」
と、また仕掛けを海底に落とし、一シャクリ。
奴がまた乗ったが、またも海面で、グッドバイ!

同じことを3度繰り返した。
そして4度目。
仕掛けを海底に落とすと、また仕掛けが動かなくなった。
グッと手加減しながら引いてみた。
ー動かない。
「しらばくれるな、ネタは上がっている。お前がそこにいるのはお見通しだい」
と呼びかけながら、船長に「SOS」。

船長は、
「貸してみろ!」
と言いながら道糸をバーンと大きくシャクリ、そのまま新幹線の「ひかり」の速さで道糸をたぐる。
あれよ、あれよと言う間に、ドーン!とタコをゴボウ抜き。
甲板に、2キロ近いタコ入道が、ビシャッ!と落ちた。
「ざまぁ見ろ、人間を馬鹿にするでないぞ!」
とタコ入道に申しつけていい気になっていると。
船長のどなり声が、
「もっと太い道糸にしなきゃダメだ!」
船長曰く、ノビタの道糸は細いので手が滑って引っ張れないのだと言う。
次回は、もっと太い道糸でやってみよう。

沖上がり
午後12時、沖上がり。
結局、この日竿頭は26匹、2番手はノビタの隣りの人で20匹。
ノビタが17匹でスソ(最下位)だったが、これまでの15匹の記録を更新することができ大満足の日であった。

余計なお世話だが、船釣りを知らない人が可愛そう。
船釣りを知らないなんて、釣り人生の半分を捨てたようなものでは?
「欲しいものは全てそこにある山のようだ。
わたしたちを待っており逃げて行きはしない。
だがそれ故に登らなくてはならない」
(アランの『幸福論』より)

本日釣果
 真タコ   800グラム~1.8キロ  17匹

The END
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