2012年6月15日(金)  午前5時20分~午後12時
       那珂湊 海水温 15.4度
       那珂湊の潮汐 若潮 満潮 14:07  干潮  7:18
ノビタの釣り天国

       
2012年6月15日(金) 那珂湊沖のマコガレイ

          あすなろ物語

                                         なんとか7匹
「孔子の九思」の戒め
先日、”老人性短気激怒アホ症候群”の発作を起こし、娘と大ゲンカ、乙女心を傷つけてしまった。
その時、「孔子の九思」の戒めは、残念ながら頭の中の闇にあり光らなかった。
原因は、人に言えないような下らない話し、非は我に。
そして今、娘とは国交断絶。
このまま”覆水盆に返らず”、で終わるのかもしれない。
また一つ十字架を背負ってしまったようだ。

孔子曰く、君子には、かくあれと思う事が九ツある。
1、視るには明を思い
 (物を見る時は見誤ることなかれと思い)
2、聴くには聡を思い
 (聞く時は直ちに悟りたいと思い)
3、色には温を思い
 (顔つきは穏やかでありたいと思い)
4、貌には恭を思い
 (姿形は恭(うやうや)しくあれと思い)
5、言には忠を思い
 (言葉には忠実であらねばと思い)
6、事には敬を思い
 (仕事には敬虔(けいけん)でなければならぬと思い)
7、疑には問を思い
 (疑問を抱けば人に問えと思い)
8、忿(いか)りには難を思い
 (怒りを覚えたら後の難儀を思い)
9、得を見ては義を思う
 (利得に対しては道義に当っているかと思いめぐらす)

BGM
今日のBGMは、これも古い歌だが”あみん”の「待つわ」である。















テクニックbefore&after
カレイ釣りは10人10色どころか、100人100色。
多くの名人の話しを本で知り試してみたけど、結果は不発であった。
ところが、
最近、今から20年ほど前に買った雑誌「ザ・カレイ」を読み返してみた。
なかに、仙台在住の名人渡部勝治さんの船釣りテクニックが掲載されていた。
内容は、カレイの捕食習性を研究したような誘い技である。

これは試してみる価値があると、前々回より試してみた。
その結果、数は今までと変わらなかったけど、名人の説を実証するような事実が。
その事実とは。
これまでは、3本針仕掛けの一番上の針に掛かる確立が高かったのが、渡部方式に変えると一番下針に掛かる確立が高くなったのだ。
それにカレイが餌に飛びつくタイミングが、《トントントン・・・》から、《スーッ、スーッ、スーッ・・・》に変わったのである。
まさに驚天動地、目からウロコであった。
この技を磨けば名人も夢ではない(ん?)、それとも翌檜(あすなろ)で終わるのか・な(?)
孔子は、自らの生き方について、「吾ガ道、一以(いちをもっ)テ之ヲ貫ク」と言ったが。
おれもこの誘い技を、唯一無二にすることにしたヨ。

      
出航、少しうねりが
本日、同船同夢の釣り客は7人
那珂湊港に着いたのは、午前4時。
すっかり夜は明け青空が広がり、東の空には鎌の形をした蜜柑色の月が浮かんでいた。
北風に吹かれて、ロープに繋がれた船が、《ギシギシ》と軋んでいた。
堤防を洗う潮騒の音が、《ザザーッ、ザザーッ・・・》と聞こえてくる。
海は比較的、穏やかのようだ。

まだ一人も客はいなかった。
ーひょっとすると、ノビタ一人?
それだけは勘弁してもらいたい、と思いつつ。
岸壁から離れていた船をロープで引き寄せ、いつものノビタの定席に荷物を運んでいると、船の前に車が一台止まった。
乗船客だった。
一人じゃなかったと、ホッとする。
そのうちポツリ、ポツリ客が集まり、なかにコムさんも。
コムさんは今日は、左舷の大トモでやるそうな。
出航の5時までに、左舷に4人、右舷にノビタも含め3人の計7人が乗船した。

『愛燦々』
午前5時ジャスト、出航。
外洋は低いがうねりがあり、船は《ドドドド・・・》と爆音を上げ、激しく船体を震動させながら波を乗り越えて行く。
塩辛い飛沫を頭から浴びながら、船から振り落とされないように船縁にしがみついていた。
午前5時20分。
釣り場着。
朝のうち空に薄い雲が広がり、日の光を和らげていた。
港で気になった北からの風もおさまり、今日も釣り日和になりそうだ。
近藤船長の合図で、一斉に《ドボーン、ドボーン、ドボーン》と仕掛けを投入。

開始してから5分後。
《スーッ、スーッ》の誘いの2度目に、《ククッ、ククッ》の応答。
「フイッシュ・オーン!」
水深30メートルから、ダークブラウンの良形魚体を海面に浮上させたとき。
魔がさしたのかもしれません。
そのまま海面から引き抜こうとすると。
《ドボーン!》と魚体が海中に落下したのです。
ーああ。
しばし、ボーゼンジシツ。
頭の中は酸欠状態になり、クラクラとめまいが。
どこからか、
「風 散々と この身に荒れて
 思いどおりにならない夢を
 失くしたりして
 人はかよわい かよわいものですね♪」
と『愛燦々』の歌が聞こえてきました。

直後、ノビタをあざ笑うが如く、隣りのミヨシ側にいた釣り士が良形のマコガレイを上げたのです。
これが運の尽きだったのか、以後、しばらくカレイは振り向いてもくれません。

     
周囲に7艘のカレイ船が
1度あることは2度
午前6時50分。
この時点で、隣りミヨシ側の釣り士はすでにカレイ3匹とホウボウ1匹をゲット。
ノビタはまだ1匹も釣っていません。
今に見ていろボクだって、の今が来ないのです。
ノビタは焦り、頭の中は真っ黒い煙が充満していました。

この時、
2度目のフイッシュオン。
海面に浮上したのは、40センチ近い良形のカレイ。
今度は逃がすまいと、左手でタモを掴もうとした時でした。
また魔がさしたのです。
左腕の腱鞘炎が気になり、一瞬、タモを握るのをためらったのです。
と・・・。
右手に掴んでいた竿が張り倒され、カレイはそのままドロンパッ。
ーああ。
直後、今度は隣りトモ側の釣り士が海面に浮上させた良形カレイを、船長がタモで掬い上げたのです。
思わず、
ーそれはノビタのカレイではありませんか?
と声を出さずに聞きましたヨ。
ノビタの心は、怒りと悲しみで岩に打ち寄せる波のように、ザブーン、ザブーンと激しく砕けていました。

うさぎとかめの戦い
「花も嵐も 踏み越えて
行くが男の 生きる道
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ♪」
落胆をリセットし、奮戦し続けました。

はじめの1匹が釣れたのは、午前7時40分。
30センチ強のマコガレイをタモで掬いました。
このあと8時30分に28センチの小ぶりなカレイ、これもタモで掬いました。
近藤船長に、そんな小さい奴もタモで掬うのかと笑われましたが、もう2度とさっきのような悲劇を味わいたくなかったのです。
午前9時、隣りミヨシ側の釣り士は既に5匹もカレイを釣っていました、が。
彼の戦いはそこまで、船酔いして船底にマグロのように伸びてしまいました。

ここからが勝負です。
「もしもし かめよ かめさんよ
どうしてそんなにのろいのか」
とかめをバカにしていたうさぎが、油断して一眠りのシチュエーション。
彼が眠っている間、
午前10時までに彼と同じ5匹、そして彼が目を覚まし再挑戦をはじめた午前11時半までに2匹追加、合計7匹釣ったのです。
すでに勝負はついていました。
彼はこのあとノーヒット、ノーラン。
ノビタに軍パイが上がったのです、あまり自慢できる話しではありませんが・・・。

沖上がり
午後12時、定刻どうり沖上がり。
今日は、ノビタだけでなく全体的に不調だったようです。
7人のうち下から3番目の成績でした。
まだまだ竿頭になるのは遠いようです。
ノビタのカレイ釣りは、翌檜物語で終わりそうです。

本日釣果
マコガレイ  30~38センチ  6匹
ムシガレイ  28センチ     1匹

The END
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