2012年6月24日(日)  午前5時25分~午後12時
       那珂湊 海水温 17.4度
       那珂湊の潮汐 中潮 満潮  5:42  干潮 12:42
ノビタの釣り天国

       
2012年6月24日(日) 那珂湊沖のマコガレイ

          今日もあすなろ物語

                                         なんとか6匹
果てしないカレイ釣道
「名人は1日にしてならず」
カレイ船に乗って7年。
いまだ目的地は霞の向こうである。
すでに目的地に着いている人もいるのに。
ーおかしい?
これは、アインシュタインの相対性原理、空間と時間は伸び縮みする事と関係するのだろうか?
帰港船上、波飛沫を浴びながらつくづくそう思ったヨ。
自分で言うのもおこがましいが、今日も奮闘努力した。
いっ時も休まず海底を小突き続けた。
その結果が、たった6匹。ーああ

小突くポイントが、ストライクゾーンを外れていたのか?
誘い方がまずかったのか?
仕掛けが短か過ぎたのか?
竿がまずかったのか?
先日見た希望の光は錯覚だったのだろうか?

今日も海面から美しき女神が姿を表し、
「あなたが探しているのは、わたしでしょうか?」
なんてこともなく終わってしまった。
”日黄昏ルルニ 道マダ通シ”。

BGM
今日のBGMはカレイ船の竿頭を目指して、甲斐バンドの「ヒーロー」をチョイス。
















満員御礼のカレイ船
それにしてもカレイ船の人気、此処にきて急上昇している感じ。
カレイ命の近藤船長の小船も、本日16人乗船と超満員。
その重みで沈みそうな船から、手を伸ばすと海面に手が届きそうだった。
船からこぼれ落ちそうな釣り士を乗せて現場に着くと。
那珂湊、そして大洗から出航したカレイ船も、いずれも満員御礼。
漁場には14艘もの船が集結していた。
                                        
これ以上は乗れません!
船は人の重みで沈みそうに
那珂湊港の船着場に着いたのは午前3時50分。
雲多き空は青白く明け、船や倉庫は夜の暗さから開放されて、すっかり形と色を取り戻していた。
でも港はまだ深い眠りの中。
ドドーン、ドドーンと堤防に打ち寄せる波の音だけが、港にこだましていた。

先客が一人、車から荷物を船に運んでいた。
ロシナンテからクーラーボックスを下ろし、いつもの座席に運んでいると次々と船の前に車が到着し、
「おはようございます」
と言いながら釣り士が、車から荷物を運んできた。
その中に、水戸のコムさん、栃木の名人アラさんもいた。

        
向かいの船も鈴なり
午前4時半。
船は人と荷でほぼいっぱいとなる。
ところが、まだ釣り士はやって来る。
「もう乗る場所はないぞ!」
とだれかが、どなっている。
右舷に8人、左舷に8人、まるでラッシュアワーの山の手線である。
近藤船長が到着したのは、午前5時。
船が出港したのは、午前5時10分だった。

渋い釣り
この小船に16人は、かなりきつい。
海はまだ昨日からのうねりが残っていた。
船はその重さに耐えながら、ヒーヒーヒー悲鳴を上げながら荒海に突進して行く。
波飛沫を頭上からザーザー浴びながら船縁にしがみついていたヨ。
疾走15分。
はじめの戦場にトウチャコ。
ここは20分ほど探ってみたが応答なく、移動。
                                            
はじめの1匹
午前5時40分。
第二の戦場で釣り開始。
開始して10分ほど、ククッ、ククッ、ククッ・・・と元気な応答が。
これはカレイだと慎重に海底から引き上げたのは、35センチほどの伏兵、ネコザメだった。(ガックリ)

午前6時10分。
本日はじめの1匹は、28センチのマコガレイだった。
このあと、午前6時37分に30センチほどの2匹目を。
午前7時5分に、30センチほどの3匹目を。
午前7時半に、30センチほどの4匹目を。
午前7時50分、左舷側にいた栃木の名人アラさんが様子を見に来た。
この時点で、名人はまだ2匹しか釣っていなかった。
ひょっとすると今日は、名人を抜くかもと思ったのだけど・・・。
甘かった。

        
本日最大43センチ
本日最大40センチオーバーゲット
8時以降サッパリ。
でも諦めずに。
粉骨砕身、小突いて、小突いて、小突きまくった。
「体力は有限なれど、精神力は無限だ」
と、胸のうちでわめきながら。
とうとう、ノビタの左隣りの中学生(少年)は、午前9時、1匹釣ったところでグロッキー(船酔い)。
その隣りのお父さんも2匹釣ったところでグロッキー、ただし10時に復帰して3匹追加。

午前10時30分。
この時点で、30センチ前後のカレイを、なんとか5匹。
そして。
トン、トン、トン、・・・と海底を20回ほど小突き。
スーッ、3秒停止、スーッ、3秒停止、スーッ、3秒停止と仕掛けを海底から引き離し、下針が海底から10~30センチほど浮いた時だった。
竿先がヒク、ヒク、ヒクと微かに引かれた。
「・・・・・・?」
引かれるまま竿先を下げてみた。
応答が消えた。
                                                 
今日使用した竿
「?????」
竿先を少し持ち上げてみた。
また竿先がヒク、ヒク、ヒクと微かに引かれた。
さらに竿先を持ち上げると。
何やら重い、何かが掛かっているような。
リールを1巻き、2巻き、3巻き、いきなりガガーン、ガガーンと強烈な左フックを竿先に喰らった。
「フイッシュ・オーン!」
右隣りの釣り士が、タモを持って見守った。
彼がタモを握ったのは、これがはじめて。
ノビタのヤリトリを見て、何かを察したようだ。

あとで恥じを欠くのがいやで、サメかもしれませんよ、と声をかけておいた。
すると、
「カレイだよ」
と彼から一言。
今日、彼が声を出したのはこの一言だけ。
おそろしく無口な釣り士であった。
ダークブラウンのカレイが海面に浮上すると、転瞬、スパッと鮮やかにタモ入れをしてくれた。
そうとうな使い手であると見た。
「コマスミダ」
韓国語で、
「ありがとうございます」
と礼を言った時には、もう背中を見せていた。
43センチのマコガレイ、やっぱり3本針の一番下に掛かっていた。
これが最後だった。
以降、まったくアタリなし。

        
港内は釣り士がいっぱい
沖上がり
午後12時、沖上がり。
この日、水戸のコムさんが10匹、栃木の名人アラさんは7匹。
やはり今日は、そうとう厳しい戦いだったようだ。

「桃栗3年、柿8年、だるまは9年、俺一生」
 (武者小路実篤)
となるのかも。

本日釣果
マコガレイ   26~43センチ  6匹

The END
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