2012年7月3日(火)  午前5時25分~午後12時
       那珂湊 海水温 19.4度
       那珂湊の潮汐 大潮 満潮 16:52  干潮  9:31
ノビタの釣り天国

       
2012年7月3日(火) 大洗~大竹海岸沖のマコガレイ

        特筆大書すべき日


                                      40センチオーバーが4匹も
カレイ船釣りの薦め
「人間は時として充たされるか、充たされないかわからない欲望の為に、一生を捧げてしまう。
その愚を哂う者は畢竟人生に対する路傍の人に過ぎない」
(『芋粥』 by 芥川龍之介)
今は、一生を捧げても良いと思うほどカレイの船釣りにはまってしまった。
そのおもしろさは、濃縮果汁100パーセントの濃さである。

仕掛けを海に落とし、
「トン、トン、トン、・・・・・・」
(招く、招く、招く・・・)
そして、
「スーッ、スーッ、スーッ」
(誘う、誘う、誘う)
と、地球外生命体と交信するような暗号を、海底に送るだけ。
これがカレイ釣りの誘いの基本。
そして、
「ヒク、ヒク、ヒク・・・ググッ、グィーッ」
と千年の恋が成就したようなアンサーが海底から。
この醍醐味を知らないなんて、釣り人生の半分を無駄にしたようなもの。
今からでも遅くはない、われと思わん者は挑戦してみよう!

食い気が旺盛な時は子供や女性にも釣れ、置き竿にしていても釣れる。
でも食い渋ると手強い。
ここからは、誘いの芸が物をいう。
日本舞踊も観客を魅了する舞いができるのは、ごく僅かの舞妓だけのようだが。
カレイ釣りも日本舞踊と同じ、竿を上下に振るだけだが、遠くにいるカレイを呼び寄せ、そして喰わせる、その芸の完成度が名人とヘボとの距離。
船のカレイ釣り師はまさにアーチストなのだ。
マスターハンド(名匠)は無理でも、それに少しでも近づきたいヨー。

BGM
今日のBGMは、映画『フラッシュダンス - ホワット・ア・フィーリン』の主題歌で、アイリーン・キャラが歌っている。
プロのダンサーになる夢を抱きながら、昼は溶接工、夜はバーのダンサーをしながらダンスの練習に励む女性アレックスのサクセス・ストーリー。主演のジェニファー・ビールスの踊りが光る。














今日も釣り日和
昨日、近藤船長に乗船を申し込んだ時、数よりも形の良い物が釣りたいと頼むと、
「了解、はじめ浅場で数を狙い、そのあと深場で座布団を狙いましょう」と気持ちよくOKしてもらった。
強面で恐い顔をしているけれど、気持ちは良い船長だ。
今回は、先日進水したばかりの大型船(25人乗り)で出漁することになった。

                                       
白い靄はいつか消えて
朝、午前4時半、那珂湊の船着場に着いた。
すっかり夜は明けている。
まだ誰も客は来ていなかった。
大型船に荷物を運んでいると、あとから来た客が2人、後ろの小型船に荷を運ぼうとしていた。
まだ近藤船長の船が、大型船に変わったことを知らないようだ。
教えてやると、ありがとうございます、とこちらが恐縮するほどお礼を言われた。

今日はノビタを含む6人の客が、見果てぬ夢を追うことに。
先日の日曜日はこれまでの最高、24人が乗ったと云う。
もちろんこれまでの小型船に24人も乗ったら、船は沈没してしまいますがね。
どうやら今度の大型船は、24人乗っても沈まないようだ。

午前5時5分、出航。
岸壁を離れてすぐに、船はまた岸壁に戻った。
今日も船長は2トントラックの運転席に、サイフとタバコを忘れてきたのだ。
この間もやらかしたけど、慎重さが足りない、マイナス5点。
結局、10分ほどロスして再度、出航。
はじめ白い靄が揺曳していたが、しだいに靄が消え空も海も青さが増してきた。
爽やかな微風が心地良い。
これまでの小型船は、バリバリバリと噛み付くようなエンジン音であったが、今度の大型船はトトトトト・・・とエンジン音が小さく快適であった。
海はベタ凪、今日も絶好の釣り日和。

      
周囲に5艘のカレイ船が
はじめの1匹
午前5時25分。
大洗寄りの沖にトウチャコ。
周囲には5艘のカレイ船がいた。
「ビビビ・・・」
と、耳障りな紙を破るような警笛が鳴り響くと同時に。
一斉にドボーン、ドボーン、ドボーンと仕掛けを海に投入。
ノビタも、
「南無帰命頂礼毘沙門天(なんむきみょうちょうらいびしゃもんてん)!」
と心中叫びながら、一振り入魂の第一投。

それから5分、はじめに来たのは25センチほどのソイ。
竿を青眼にかまえ、間をおきながら竿先を上下にに振り、ころあいを見て竿先をスイッ、スイッ、スイッと上げていく。
これが自称、「北辰一刀流カレイな舞い」なのだ。
それにしても、
「カレイのエースは出て来ない」
はじめの1匹が来たのは、釣りを開始してから1時間ほど経過した午前6時20分。
それは、30センチほどのマコカレイだった。
その5分あとに、同サイズを追釣。
そして、6時40分に30センチ前後の1匹を追釣。
このあとが続かない。

特筆大書のハプニング
午前8時40分。
近藤船長は大竹海岸沖に大型狙いで移動。
午前9時10分。
目的地にトウチャコし、釣りを再開して5分経過しただろうか。
水深40メートルを、「北辰一刀流カレイの舞い」で攻めていた。

スイーッ、スイーッ、スイーッと10センチ刻みで3回、竿先を上に持ち上げた時だった。
と・・・。
微かに竿先がヒクヒクと反応したのである。
「・・・・・・?!」
そのまま静かに竿先を下ろし2~3秒待ち、ソロソロと竿先を持ち上げると。
いきなりガガーンとナパーム弾が破裂したような騒ぎが、手元に返ってきたのだ。
ーたまげた!
その重さ、ただもんではなかった。
                                       
座布団のダブル!
リールを巻くが、リールが逆転する。
ドラグを締めた。
リールを巻く途中、何度も重厚なズシン、ズシンの反撃あり、その度に道糸が切れるか竿が折れるかと思った。
水深40メートルは長かった。
ハラハラドキドキ、頭から冷や汗を三斗も流しただろうか。
やっとのことで海面に引き上げた時、目を疑ったね。
まるでそこにNHKの美人アナ橋本奈穂子さんが現れ、微笑んだような衝撃でしたね。
ナント!40センチオーバーのマコガレイのダブルが目の前に浮上したのです。
タモで掬おうとすると、操舵室から近藤船長が飛び出し、
「マテー、俺がやる」
と叫びながらタモで海を一閃、何なく2匹の座布団を船上に引き上げてくれた。
こんなことがあるからますますハマるのです。

      
港は釣り師でいっぱい
沖上がり
10時35分に”つ抜け”。
それからもポツ、ポツとあきない程度に釣り続けた。
午後12時、沖上がり。
午後12時半。
那珂湊港に着く。
港は平日だというのに釣り人でいっぱい。
雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、放射能ニモ負ケナイ丈夫ナ体ヲ持ッタ同志たちだ。
人生は一幕で終わり二幕はない、今、楽しまずして何時楽しむ?
おたがい頑張ろうゼ。
本日の竿頭は18匹、ノビタは15匹、ノビタもバカにしたもんじゃないのでは?

本日釣果
ムシガレイ 25センチ  1匹  
マコガレイ 30~34センチ  10匹
マコガレイ 40~44センチ  4匹


The END
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