2012年12月25日(火) 快晴
       那珂湊 海水温  12.5度
        那珂湊港の潮汐 中潮 満潮 12:55  干潮  7:17
ノビタの釣り天国

       
2012年12月25日(火) 午前6時30分~午後12時 大洗沖のヒラメ釣り


         人生初の7匹

                                    70センチオーバー含む7匹
ヒラメカン・フィーバーの海
今。
常磐から鹿島の沖は、ヒラメカン・フィーバー(ヒラメ熱)で燃えている。
今年は、お釈迦様でも知らぬ仏の予測はずれ、ヒラメの当たり年になった。
100年に一度のチャンスらしい。
今なら、だれでもあの手強い相手との戦いを制し、ビクトリーロード(勝利への道)を経験できるはず。
「Spice up your fishing life!」
英語で、
「あなたの釣り人生に、スパイスを!」
と、今日はのっけからヒラメの沖釣り宣伝になってしまった。
なんせ6年も船でヒラメを追い、1匹も釣れなかったノビタが、先日4匹も釣ったのだ。
ーこれが狂わずにいられよか?

今回は、いつも乗っている近藤船長の船は真タコ専門なので、船を替えてヒラメに挑戦することにした。
12月25日(火)午前5時。
船の集合時間ピッタリに、那珂湊港の船着場に着いた。
空は黒い雲で覆われ星もなく月もなく。
港は闇に覆われていたが、船の灯りがそこだけ明るく照らしていた。

西よりの凍風が、極上の寒さを運んでくる。
今朝は寒い。
零下5度。
操舵室で乗船料を納め住所氏名を記載し、船に荷を運んだ。
今日は、定員40人の船にノビタを含めた3人の客だけ、まるで貸切である。
3人全員、左舷側で釣るよう指示され、ノビタは左舷のミヨシ寄りに釣り座を取った。
左舷に集まったのは、船長とそのコラボレーター(協力者)も、左舷で釣りをするのでタモ入れに便利なためであった。
コラボレーターから錘は80号と聞き、驚いた。
60号しか持っていなかった。
船に常備していたので、1個購入する。

BGM
深夜ただ一人、サントリーウイスキーのCM『人類みな兄弟』を聞きながら、オンザロックを啜る至福の一時。
つくづく生まれてきて良かったと思う。

「息子よ。
お前もすでに二十歳(はたち)を過ぎた。
やかましいことは言わん。
しかし、くわえタバコで人混みをあるくな。
この街は、田んぼの一本道ではない。

ガールフレンドは母さんだけでなく、
父さんにも紹介しなさい。
それが仁義だ。
それから、母さんとあまり寄り添って歩くな。
あの母さんは、東京オリンピックの年、
3人のライバルから父さんが勝ち取った人なんだ。
俺の女だ。なんて、酔ったかな。
せがれ、がんばれ。
いい気分の大人になれよ」

大洗沖で
船が出港したのは、午前5時50分。
暗いうちは釣りにならないと、出航時間を遅くらしたようだ。
四囲暗黒の海を、船はゆっくり南下して行った。
水平線上に輝く紅い点が少しずつ横に伸び、やがて黒々とした雲にはさまれた空間を帯状に紅く染めた。
現場に着いたのは、午前6時20分。
雲が覆っていたが、空も海も青色を取り戻していた。
低いうねりがあったが、海は凪に近かった。
                                     
夜が明けてきた
午前6時半。
コラボレーターから生きた真イワシをもらい、釣り開始。
大洗沖、水深24メートル。
コラボレーターも含め4人全員がドボーン!と、一振り入魂の第一投。
錘80号の着底を感じ、その錘を海底から50センチほど浮かせたところで待つ。
釣り開始から10分。
左舷大トモで、50センチオーバーが上がった。
ーよーし、今度は俺だ!
と体中から火花を飛ばして待つ。

食い逃げ
午前7時10分。
ググ、ググと2回、明確な応答が海底から届いた。
竿先を海に差込み、待つ。
ググ、ググ、ググ・・・と応答は頻度を上げてきた。
竿先を持ち上げると、上下にお辞儀を繰り返す。
ゆっくりとリールを2~3メートルほど巻き上げたとたんに、応答が消えてしまった。
仕掛けを回収すると、餌のイワシがお尻をかじられ絶命していた。

           
戦闘開始
午前7時半。
またもググ、ググと明確な応答が。
1~2分ほど待った。
ググ、ググ、ググの応答に勢いが増してきた。
糸フケを取り竿を起こすと、竿先が上下にお辞儀を繰り返す。
船長がタモを持って側に立った瞬間、竿から重量感が消えてしまった。
今度も餌のイワシは、お尻をかじられ絶命していた。
ーああ。
「人生楽ありゃ 苦もあるさ
 涙のあとには 虹も出る」
と水戸黄門の歌をうたいながら、次のチャンスを待った。

はじめの1匹
午前7時50分。
今度は一度だけググが。
ー・・・?
ドラグをフリーにし、道糸をそのまま放出した。
そのまま待つこと3分。
リールを巻いて道糸のたるみを取ると、ビシビシビシと竿先がムチを打つように宙を叩く。
3度目の正直。

ーI want you!(君が欲しい)!
と叫びながらリールを巻いていると。
船長が、
「竿を起こし、そのままガンガン、リールを巻きな。竿先を下げるな!」
と、側に来て叫んでいた。
船長にタモ入れしてもらった熱烈歓迎の1匹は、40センチオーバーと小ぶりだった。

                                     
   お尻をかじられたイワシたち
微かなアタリ
午前9時半から11時、船中盛んに釣れた。
船長とコラボレーターは、ロッドキーパーに置き竿にしていたが、それでも次々と釣り上げていた。
ノビタも食い逃げもあったが、ポツリポツリと数を伸ばしていた。

午前11時過ぎだった。
ーコツン。
と道糸が岩を擦ったような感じ。
ーあやしい、ひょっとして?
ドラグをフリーにして道糸を放出させた。
2.7メートルの平目竿が、フワフワと上下に揺れている。
1分、2分、3分経過。
道糸のたるみを取り、竿を持ち上げようとすると。
いきなり、ガガーン、ガガーン、ガガーンと強烈なパンチを浴びる。
思わず、
「キターーー!」
満月のように曲がった竿の先が海面に突っ込む。

「竿を起こせ、そのままリールを巻け!」
と、船長の檄が飛ぶ。
ガガーン、ガガーン、ガガーンと逆襲につぐ逆襲の連打。
狂乱怒涛の攻撃だ。
まじり気のない獰猛な奴、まるで一牡百牝の膃肭臍(おっとせい)のような暴君だ。
思わず、
ー南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
水深24メートルがこれほど長く感じたことはない。
そして。
船長にタモ入れしてもらった流汗淋漓の1匹は、本日最大の72センチ。
ーホッ。
このあと40センチクラスを1匹追釣しジ・エンド。

沖上がり
午後12時、沖上がり。
船中、7匹~12匹。
凄い釣りだった。
たわいなく歯ごたえもなく流れゆく時の中に、一瞬キラリと輝く宝石のような凝縮された至福の一時であった。
今日も、脳の襞に永遠に焼きつかれる日となろう。
完璧な、どこにも傷のない稀な日であった。

本日釣果
平目  43~72センチ  7匹

The END
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