2012年2月22日(金) 快晴
       那珂湊 海水温  10.8度
     那珂湊港の潮汐 中潮 満潮 12:46  干潮  7:41
ノビタの釣り天国

       
2012年2月22日(金) 午前6時10分~午後12時10分 那珂湊沖のカレイ釣り


    出足好調のカレイ釣り

                               マコガレイ8匹+他4匹(1匹は写っていない)
最後の1匹!
午前11時20分。
釣りを開始してから5時間経過。
雲一つない空から燦々と陽光が降り注ぎ、風も無く海はベタ凪。
眠くなるような春の海だった。
この陽気に誘われたのか、全長10メートルほどのシャチが5頭、目の前を北に向かって泳いで行った。

「あなただけが 生きがいなの
 お願いお願い すてないで」
なんて歌いながら、40号の錘で海底をトントントン・・・と小突いたあと、
”秘太刀三段騙し”の態勢に入った。
もっとも緊張する一瞬だ。
たいていのカレイは、このとき飛びつくヨロシ。
一段目の誘いは何ごともなく過ぎ、二段目に移行している時だ。
「カタカタカタ・・・」
と、フラメンコを踊る女の、サパテアード(靴なるらし)のような震動が竿先に。

その震動は米原万里のエッセイにある、
「ズロース一丁!」
が聞こえてくるようなアタリ。
ロシア語で、
「こんにちは」
という意味だそうな。

反射的に竿先を海面下まで潜らせ、錘を海底に着地させると。
「ノー・アイ・ナーダ」
スペイン語で、
「何もないったら何もない」
と、竿先は沈黙したままに。
数秒待つと、錘が潮に流されたかのように竿先が船底に引かれて行った。

と・・・。
ググッ、ググッ、ググッ・・・と、元気な生命の胎動が竿を握る手元に。
ー南無観世音菩薩!
思いっきり竿を跳ね上げると、ドドーン、ガタガタガと敵の慌てる様子が竿を躍らせる。
「フイッシュ・オーン!」
この引き尋常ではない。
隣りの百戦錬磨が、
「その引きは、ムシガレイだ」
これが噂に聞く、ムシガレイの逆襲か。
「チョコザイ千万な奴め、われを誰と知る、泣く子もだまる火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官、通称鬼の平蔵こと長谷川平蔵の知人のまた知人のまた知人の子孫ノビタである。覚悟せい!」
隣りの百戦錬磨のタモで掬い上げられたのは、38センチのムシガレイだった。
これがこの日、最後の1匹となった。
                                       
穏やかな夜明け
本日、乗船者9人
話しを前に戻そう。
近藤船長の船がいつも停留する岸壁は、現在、復旧工事のため一時的に場所を移動した。
まだ黎明の午前5時、移転先の船着場に着いた。
コムさんとかたさんが、暗闇から顔を出す。
かたさんは別船で、メバルを釣りにきたのだが様子を見に来た。
本日の乗客は右舷に5人、左舷に4人のノビタを含む9人。
ノビタは右舷のややミヨシ(船首)寄りに釣り座を取り、その右側(中央寄り)にコムさん、そして左側(ミヨシ)は、本日、竿頭となった百戦錬磨がいた。

午前5時45分。
晦冥の海を、船は沖に向かって走る。
しばらく海は荒れていたが、今日は嘘のように穏やかであった。
20分ほど沖に走ったところで、船は停まった。

起死回生の場所変え
午前6時10分、釣り開始。
右側のコムさん、そして左側の百戦錬磨はコンスタントに釣果を伸ばしていたが、ノビタはなかなか釣れない。
午前10時までにコムさんは7匹、左の百戦錬磨は10匹、そしてノビタは3匹。
「ヘンダワネ?」
これはペルシャ語で、スイカを意味するらしい。
この違いは腕の差かイ?
あの手、この手と、思案してきた仕掛けや誘技が、全て否定されたようなショックを受け、ただただ二嘆、三嘆。
内臓を紙やすりでこすられるような痛みが全身を駆け巡る。

   
コムさん初め好調だったが
と、何気なしに後ろを見ると、ノビタの反対側、左舷ミヨシ寄りの百戦錬磨が良形のカレイを釣り上げたところを目撃。
そして見ると、彼の隣り、ミヨシ側は空いていた。
ー場所を変えてみよう!
と起死回生の賭けに出、左舷ミヨシに移動した。
すると、となりの百戦錬磨が、
「入れ食いだよ!」
と、はげましなのか声をかけてきた。
まさかこの時、その好意をあざ笑うがごとき展開になろうとは思ってもみなかったヨ。

乾坤一擲一発逆転を念じた仕掛けを投入してから5分、待望のマコガレイがきた。
それを皮切りに、11時半まで前述の1匹を含め9匹追釣。
ところが世界の七不思議、ノビタが来たとたん隣りの百戦錬磨は1匹も釣れなくなったのだ。
ーどうしたのだろう?
海底にカレイが通る道があって、移動してくるカレイを百戦錬磨に行く前に、ノビタが先に一網打尽にしてしまったのか。
釣れる嬉しさが半熟卵になってしまったよ。

沖上がり
今日、カレイ釣りの極意に1歩近づいたような気はするけれど、まだまだ船のカレイ釣りは奥がありそうだ。
カレイ釣りの必勝法なんて、おそらく永遠の課題であろう。
寺山修司は言う、
「必勝を獲得し偶然を排したとき、人は幸運に見捨てられる」
と。
この言葉を慰めに、釣れても釣れなくても嘆くまい。

午後12時10分、沖上がり。
不思議なことに、コムさんはノビタが場所を変えてから釣れなかったようで、9匹で終わった。
右舷のミヨシで釣っていた百戦錬磨は、この日の竿頭で21匹釣っていた。

本日釣果
マコガレイ  25~32センチ 8匹
ムシカレイ  23~38センチ 2匹 
イシガレイ  26~28センチ 2匹

The END
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