2016年4月20日(水) 快晴
       那珂湊 海水温  10.2度
  那珂湊港の潮汐 大潮 満潮  15:17  干潮 9:07
ノビタの釣り天国

       
2016年4月20日(水) 午前5時40分~午後12時10分 那珂湊沖


     
    常磐沖のマコカレイ釣り


                                  
         一陽来復の釣果
初戦は討死

春風解氷。
桜花爛漫。
そして桜は散り、若葉の匂いたつ季節になった。
時は瞬く間に過ぎて行く。
この間、毎日、マコさまへの一途な想いを胸に、新聞やネットで海況、天候、釣況を見ていた。
そして先日。
常磐沖にブッ飛んだのだが・・・。
俺の想いは、アニマルズの「悲しき願い」で終わってしまった。
完膚なきまでにマコさまに振られたのである。
この日、俺は燃えカスになった。

けど・・・。
原因は、ひょっとすると、いやたしかに仕掛けのような気がしてきた。
仕掛け作りに夢中になり懲りすぎたのだ。
玩物喪志、本来の目的を見失ってしまったのかもしれない。
これは改心せねばと。
初心に戻り、シンプル・イズ・ザ・ベストと、ごくありふれた仕掛けを用意しその時を待っていた。











    
湾内は静かな海だったのに
チャレンジャーは健康優良ジジイ
そして4月20日(水)。
「命短し恋せよジジイ」
マコさま命と再びロシナンテに跨り那珂湊港へ。
午前4時前、那珂湊港着。
港は夜の底から脱皮しようとしていた。
東の空がぼんやり明るい。
船の前にズラリと釣り人の車が並んでいた。
朝5時集合の指示なのに皆さん早い。
すでに船の座席は先客の荷物で埋まっていた。
左舷の中央が空いていたので、そこに釣り具を下した。
本日、乗船する釣りキチ三平はノビタも含めて12人。
チャレンジャーはみんな健康優良ジジイ。

海は荒れ模様
午前5時17分、出港。
湾内は鏡のような海だったのに、外洋に出たとたん。
「天気晴朗ナレド波高シ」
風強く波はダップンダップン、船が揺れまるでロデイオマシーンに乗っているようだったよ。
釣り場に着いたのは、午前5時40分。
波が時々、船に体当たりしてくる、その度にドーンと船が持ち上がる。
最悪のシチュエーションだ。
                                            
海は荒れ模様だった
おもり50号、吹流し3本針仕掛けを水深35メートルにドボーン!
そして、海底を小突く小突く。
10分、20分、30分経過。
ー応答ナシ。
横一列に並ぶ健康優良ジジイたちもアタリ無し。
しばらくして、左り隣りのOKさんが船中初の1匹を釣り上げた。
20センチほどの河童の屁(ムシガレイ)だった。
OKさんは、5日ほど前に27匹釣ったと船長が言っていた。
さすが名人、河童の屁であれカレイを釣ったのであるから。

はじめの1匹
午前6時40分。
釣り開始から1時間経過していた。
モクモクと海底を小突いていると。
何かが仕掛けをコツコツと叩いたような。
「・・・?」
小突くたびに違和感を感じ。
頭上に「?」をバラ巻きながら仕掛けを引き上げると。
待望の28センチのマコさまだった。
小さくとも1匹は1匹。
ー俺だって釣れるじゃん!
と、豆粒ほどだけど自信を取り戻した1匹であった。

でもあとが続かない。
しばらく経った時だ、カタカタカタカタと子供が靴で床を踏むようなアタリ。
船上に引き上げたのは、25センチほどのフグ。
友情出演したようだが、よけいなお世話だ。
「フグは外、マコは内」
と船からより遠くへ、投げ飛ばす。

待望のマコさま登場
それから1時間、2時間経過。
「痴の一念、岩をも通す」
と小突くけどまったく応答なし。
「女が男を待たせるのはもっと期待をふくらませてあげたい一心からなの」
  (ヘネローレ・エルスナー)ドイツの女優
ーほんとかいな?
半信半疑で海底を小突き続ける。

午前8時50分。
クククッと明確なアタリ
ー待ってました!
頭上に100万ボルトの輝きが一閃した。
ソーッと竿先を持ち上げると、ググッググッと竿先を絞りこむ。
これぞ快楽の極致、エクスタシーだ。
2匹目は38センチのマコさまだった。

 
祭りのひょうたん(自作)
この日一番のマコさま登場
このあと26センチのマコさまがきて。
午前10時4分。
船が何度か移動した直後だった。
仕掛けを海底に落とし、2~3回小突いたか。
何の前ブレもなく、いきなりガタガタガタガタ・・・と機関銃を連射するようなアタリ。
決して上品ではない。
マコさまはもっと優雅なアタリをする。
ーこれはフグか?
重量感はフグより重い。
そして、船長にタモ入れしてもらったのは42センチのマコさまであった。
俺の自信は、1匹追加するたびに大きくなる。
豆粒だった自信が、ようやく卵ほどの大きさになった。

釣りはドラマだ!
午前11時を廻っていた。
海底を小突いていると、ググッググッとマコさまの重厚な応答が届いた。
魚を釣り上げるごとに、ドラマがある。
喜劇あり、悲劇あり、ハラハラドキドキのサスペンスあり。

今度のドラマは、期待が大きく膨らむ幕開けだった。
竿をゆっくり持ち上げると、間髪を入れずドドッと強烈な反撃が。
この瞬間がたまらない。
「セーラー服と機関銃」の長澤まさみのセリフを借りたくなる。
「カ・イ・カ・ン」

「慌てず、急げ」とリールを巻き引き上げてくる。
海面下5メートルまで引き上げた時だった。
油断していたわけではなかった。
いきなりドドーン、ドドーンとダイナマイト・パワーを喰らい、脳味噌が揺れた。
直後。
竿がフワッと軽くなり・・・。
船上に上がった仕掛けには、
「ノー・アイ・ナーダ」
スペイン語で
「何もないったら何もない」

またまたトッポ・ジージョが叫ぶ。
「ユーザ・ミ・デイッチ・マイ(何てこったい!)」
タモを持って待ち構えていた船長、
「エサが口から抜けたのだ」
口の大きさに比べて針が小さかったからだと言う。
流線針14号では小さかったのか。
痛恨落涙号泣の悲劇はこうして終わった。
チャンチャン♪

終わりに
午後12時10分、沖上がり。
先日、玉砕し滂沱したカレイ釣り。
今日、すっかり自信を取り戻した。
しばらくは”涙くんさよなら”さ。
「涙くんさよなら さよなら涙くん
 また逢う日まで

 君は僕の友達だ
 この世は悲しいことだらけ
 君なしではとても
 生きて行けそうもない

 だけど僕のあの娘はね
 とてもやさしい人なんだ
 だからしばらくは君と
 逢わずに暮らせるだろう」


本日釣果

マコカレイ    25~42センチ 4匹

The END
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