2016年8月3日(水) 曇り
       那珂湊 海水温  24.6度
  那珂湊港の潮汐 大潮 満潮  17:14  干潮 22:26
ノビタの釣り天国

       
2016年8月3日(水) 午後7時10分~午前0時 那珂湊沖


     
     サバと闘いながらイカを釣る

                                          スルメイカ29匹
まだ逝かない
この7月に3人の巨星が逝った。
永六輔(7月7日)、大橋巨泉(7月12日)、千代の富士(7月31日)。
彼らに、我が青春時代、少なからず影響を受けた。
時に癒してもらったり、時に男の作法を教えてくれたり、時に元気をもらったり。
ご冥福をお祈り申し上げます。

有名人だけでなく無名人も次々と彼岸に去って行く。
そろそろ俺の番か。
でもまだこの世に未練がある。
今年やっと常磐沖の座布団カレイの釣り方を知った。
その技を駆使し、もう一度あの胸のときめきと、感動を味わいたく。
早くても来春までは逝けないのだ。

2020年東京五輪の競技種目が決まった。
当たり前のことだが、フイッシングは論外だ。
でももしフイッシングが選ばれていたら、俺の人生大いに変わったかも。
フイッシングには年齢制限がない。
俺はマコガレイの部に出場申請し、一花咲かせたであろうに。
残念でならない。

        
雲多き空
夏は夜釣りだ
暑い。
土中の熱さに耐えきれずミミズが地上に這い出し、そのまま丸焼きになっている。
無風。
空気は燃えるように熱く、物干し竿の洗濯物から煙が出そうだ。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」
そりゃ無理だ。
煩悩のマグマが渦巻くおれの心と頭を滅却することは、永遠に不可能だ。

釣りをするなら夜しかない。
今年は那珂湊沖の水温が、平年より4~5度も高い。
それが理由なのか、石持も、アジも、セイゴもサッパリだ。
でも。
那珂湊沖の夜のスルメイカは、ボチボチらしい。
イカ釣りなんて、醍醐味は日光の手前、今市(今一)だけど・・・。
この時期釣りをするなら選んでいる余裕はない。

                                                 
満員御礼
イザ、那珂湊沖のスルメイカに挑戦だ。
今回は、千葉に住むごんさんを誘った。
午後3時に那珂湊港に行くと、ごんさんが先に来ていて釣り座を確保してくれていた。
すでに船の座席は、先客10人の荷物で埋まっていた。

今回、船に乗船した釣り師は我々も含め18人。
毎年イカ釣りは平日でも満員である。
数釣りが楽しめるせいなのか、イカが土産に喜ばれるためなのか、涼みがてらの夜釣りを楽しむためなのか。
この時期、夜のイカ釣りは人気がある。

悲惨な戦い
午後5時出船。
雲多き空、風も弱く、波も穏やか、それに大潮と絶好のイカ釣り日和だった。
航程1時間半、午後6時半に那珂湊沖の現場に着く。
まだ海は昼間の明るさ。
釣り開始までしばらくおあずけだ。


       
釣り開始直後から
夕闇が夜の闇に変わりつつある午後7時10分、釣り開始。
船長の指示棚は水深50メートル。
おれの仕掛けは、スッテ2.5号とプラズノ11cmを1メートル40センチ間隔に交互に付け、かつれエダス3センチにしたブランコ8本針仕掛け、それにに80号の錘を下げた。
開始から2~3分経過しただろうか、となりのごんさんが早くもムギイカをゲット。
おれにもググッ、ググッと下に引っ張るアタリが来た。
分速15メートルで仕掛けを回収すると、ムギイカが1匹ついていた。
このあと1匹、2匹と6匹続けて釣れた時だった。

世の中は寸善尺魔である。
仕掛けが20メートルほど沈むと、いきなり竿が張り倒された。
竿先がバタバタ暴れる。
ーきやがった。
海のロケット弾が炸裂したのだ。
電動リールを最高速にして仕掛けを巻き上げる。
竿先をバウンドさせながら「ジージージー・・・」と電動リールがPEラインを巻き上げてくる。
水面に浮上した白い魚体が右往左往する。
なんとか船縁に引き上げ、ハサミで口を裂きプラズノを引き出す。
40センチオーバーのサバが、口を裂かれ腸を引き出されても床で暴れまわった。
サバの猛攻の合間にイカを釣る、最悪の戦となり。
その度に、他の釣り師の仕掛けと3度もお祭りし、仕掛けを解くのに10分、20分、30分と時間を浪費してしまった。

我慢の在庫が尽き、ヘトヘトになった午前0時、沖上がり。
那珂湊港に帰港したのは午前1時半。
本日の船中の成績は20~64匹と、サバの猛攻に遭い数が伸びなかった。

一難去ってまた一難
千葉のごんさんと港で別れ。
ロシナンテに跨り、街灯のセピア色に染まった町を走った。
海浜公園前のアスファルト道を走っていた時だ。
いきなりサイレンの音が聞こえてきた。
バックミラーを見ると、赤灯をチカチカさせながらパトカーが追ってくる。
その時は、まさか自分が追われているとは思ってもいなかったよ。
俺のような。
人畜無害な人間が追われるなんてありえないと。

ところが。
「そのバイク止まりなさい」
とスピーカーが叫んだ。
周囲を見たが走っているのは俺しかいない。
なんたるサンタルチアだ。

ともかくバイクを止めると。
パトカーから制服を着たポリ助が3人降りてきて取り囲まれた。
まるで、『大脱走』でステーブ・マックイーンが、ドイツ軍の憲兵に追われて捕まるシーンに似ている。
この時、ああこれが今日の留めの一発かと思い。
おれのノミの心臓は爆発寸前となり、かつ呼吸困難に。

そして。
ポリ助の一人が、
「テールランプが点いていないよ。車に追突されたらどうすんの?」
なんだって!
ー胸中よけいなお世話だとぼやていた。

結局それだけ、あとはこれから釣りですかなんて聞かれ、無罪放免に。
警察もヒマなんですかねエ、こんなコソ泥にもなれない小心な人間を捕まえてどうすんの?
翌日、バイク屋に行き玉切れしたテールランプを交換してもらったけど。

家に着いたのは午前2時半。
風呂に入り汗を流し、冷えた缶ビールをググッとのどに流し込み。
「甲斐なきことを嘆くより、来りて美味き酒に泣け」(酔歌より)
なんぞとぼやきながら爆睡。

本日釣果
スルメイカ  25~33センチ  29匹
サバ      45センチ前後  8匹



The END