2017年12月19日(火)  晴れ
       那珂湊 海水温  13.6度
  那珂湊港の潮汐 大潮 満潮   5:32  干潮  10:23
ノビタの釣り天国

       
2017年12月19日(火) 午前6時20分~午後12時 那珂湊沖の渡りダコ


     
     悲願達成!


                                           沖にいるタコは大きい
勝利の女神が大接近
カンカンコン(寒乾凍)の季節となった。
通常ならば、この季節は釣りも冬眠状態だが。
今年はまだ釣りが不完全燃焼、とてもあきらめきれない。
ーなぜなら。
11月から12月にかけ3度、タコ入道に逢いたくて船に乗った。
その都度、玉砕(ボーズ)。
普通の人間はここであきらめる。
でも俺は普通じゃなかった。
園まりの歌のように、
「逢いたくて逢いたくて
星空に呼んで見るのだけど
・・・せつなくて涙が出てきちゃう
と、ますます情熱の炎に身を焦がしたのだ。

4度目の正直と。
那珂湊港の「つれたか丸」に乗った。
結果から言うと、この決断が良かった。
捨てる神ありゃ拾う神あり。
ーなんと!
今回は隣りに、弁天さまを具現したような女性が座ったのだ。
琵琶を奏でる七福神のなかの紅一点である。
丸顔でふくよかな顔をした女性だった。
この時おれは、この日の勝利を確信したね。
でも溺れる者わらをもすがる心境なので。
たとへ女性が人3化7の面相でも女神に見えたかも。

                                           
3.7Kを含む4ハイ
船長迷う
船長に予約の電話した時に、深場を狙うのか浅場を狙うのか聞くと。
う~んとうなり沈黙した。
まるでハムレットが「死ぬべきか生きるべきか、それが問題だ」と悩んでいるような深いため息をついていた。
おれの願いは深場での大物との出会いだが・・・。
結局、船長は深場と浅場の選択を1本に絞りきれず、深場と浅場兼用の仕掛けを用意してこいと云う。

違いは錘の重さだけと言うが、深場と浅場のタコ釣りを経験したペテランならおわかりのように、深場と浅場の仕掛けの違いは単に錘の重さだけではない。
かつ浅場は根掛かりが激しいので、最低でも仕掛けを6個用意して行かないと釣りにならない。

    
午前6時20分釣り開始
弁天さま登場                                
午前5時、まだ闇に沈む那珂湊港に到着。
船着き場前にズラリと先客の車が並んでいた。
釣る場所があるか心配しながら船に乗り込むと。
ーなんということか。
先客の荷物がどこにもない。
ゆうゆうと第一希望の釣り座を確保した。

まるで俺が乗り込むのを待っていたかのように、次々と先客が船に乗り込んできた。
前述の弁天さまも少々場所取りに迷ったようだが、ご主人と2人でおれの隣りにきた。
ご主人は奥さんが船に乗ると、陸に戻った。
ご主人は船に酔うので乗らず、愛妻を車で送って来ただけだそうだ。

ーああ
午前6時出港。
本日の釣戦者はおれを含み12人。
海は凪ていた。
墨汁を流したような海面は、弱い風に起こされたさざ波に覆われていた。
陽が昇る水平線が、浮世絵の朝景色のように紅く染まっている。
船長の決断は、深場であった。
                                            
風も弱く最高の釣り日和だった
午前6時20分、釣り開始。
錘210号を背負ったタコ天仕掛けを、真っ黒な海にドボーン!
船長がスピーカーで水深27メートルと叫んでいる。
仕掛けが海底に着くと同時に小突く。
釣り開始から3分ほど経過。
仕掛けが急に重くなった。
持ち上げると浮いた。

ズッシリとした重量感、まるで漬物石だ。
ーキタ!
ワッセワッセと、道糸(撚糸の35号)をゴム手袋をした手で掴み引き上げる。
この重さ半端じゃない。
タモの柄を左手で掴み取り込みの体制に入ると、右手で掴んでいた道糸がズルズルと滑り落ちていく。
思わず、「船長!」と大声で呼んだ。
船長は気が付かない。
隣りでタコ釣りに熱中していた弁天さまが、異常に気づきタモを持って側に寄り添ってくれた。
ーありがたや。
道糸の白い目印が手元に来た、仕掛けが水面から1メートル下にあることを示す。
とその時。
道糸の重さがフッと消えた。
ーバレた!
大ダコと人間の壮絶な綱引きは終わった。

これじゃ植木等だ。
ーハイ、ソレマデヨー
フザケヤガッテ、フザケヤガッテ、フザケヤガッテ。
コノヤロー!
しばらくこの喪失感で胸が塞がったぜ。
それでも、
「くやしいですねほんとに」
と、海をにらむ弁天さまの姿に癒されました。

       
3.7Kの大物が釣れた
とうとう釣れた
心機一転、再度釣り開始。
午前6時50分、はじめの1杯が釣れた。
となりの弁天さまにタモ入れしてもらった。
本日釣った中で一番小さい0.8Kの真ダコだった。

1時間後の午前7時50分。
また粘り気のある重量感が、海底から送信されてきた。
頭の中で20数へ、道糸を掴んだまま仰け反った。
ズシーン!とした重量感が返ってきた。
朝ほどの重さはないが、結構重い。
一人でタモ入れは無理と、船長を呼んだ。
3度ほど呼びかけ、やっと振り向いてくれた。
「きたのか?」
と問いかけながら、タモを持ってきた。
タコが海面に浮上した。
それを見た船長が、
「デケーー!」
と叫びながらタモ入れ。
船床に転がった渡りダコは、後計量だが3.7キロあった。

ー悲願達成!
釣りここに極めたり。
釣り味無限大のおもしろさ。
我泣き我笑う。
白昼の宴なり。
                                               
午前10時浅場に移動
弁天さま独走
この後、9時10分に1.4K、9時40分に1.3Kのタコを釣り上げた。
これらは弁天さまにタモ入れしてもらった。
これが今日の全てだった。

10時、まだ1杯も釣っていない釣戦者がだいぶいたようで、船長は浅場に戦場を変えた。
深場ではパッとしなかった弁天さまが、水を得た魚のように活躍していた。
浅場にきた途端、おれはタコに見放された。
根掛かりが連発し、仕掛けを4個もロストし午前11時ギブアップ。

もっぱら弁天さまのタモ入れに専念したヨ。
弁天さまは小ぶりながら次々タコを釣り上げ、結局、数ではおれをしのぐ7ハイ。
釣ったタコ以外に4ハイもバラシていた。
弁天さまが今日の竿頭だったようだ。

午後0時沖上がり
久々の充実感、。
冬の空だが、青い空、白い雲、爽やかな風。
輝く太陽がまぶしい。
そして空気が美味い。

3回連続してボーズを喰らったけど、終わり良ければ全てよし。
今年も良い年であった。
クリスマスが近い。
さてドレミ(カラオケ屋)に行って、古い歌だけど『安奈』を歌ってくるか。
「安奈クリスマスキャンドルの灯は ゆれているかい
 安奈
 おまえの愛の灯はまだ 燃えているかい

本日釣果
真ダコ   3.7K1ハイ、1.4K1ハイ、1.3K1ハイ、0.8K1ハイ


The END
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