ノビタの釣り天国
 
2020年1月17日(金) 午前6時半~午後12時半
  那珂湊沖で太刀魚釣り



          初釣り


                太刀魚10匹











初釣りは太刀魚
今年の初釣りは、那珂湊沖の太刀魚でスタートした。
太刀魚を初めて釣ったのは、今から20年ほど前。
堤防からのジグサビキで、30~40センチの太刀魚を釣ったことがある。
それ以降釣っていない。
最近、那珂湊沖でドラゴン級(指5本以上)が釣れている情報を見た。
はじめは半信半疑だった。
那珂湊沖で太刀魚が釣れるなんてこれまで聞いたことがなかったのだ。
おそらく地球温暖化で、生態系に異変が生じたのかもしれない。
これはほぼ間違いないだろう。
これからが心配だけど。
とりあえず、その恵みを享受させてもらうことにした。
                                  
使用したメタルジグ
老いさらばえて、体は廃車寸前のポンコツ車になり。
やることも酢所独来(スットコドッコイ)だけど、釣りはまだやれる。
今回はこの時期、太刀魚専門に狙う昇仙丸に乗った。
釣戦者は俺を含めて10人。
今回使用した竿とリールは。
8:2先調子、長さ1.8メートル、錘負荷30~50号のカレイ竿。
水深メーター付きのリールには、PE2号が150メートル巻いてある。
仕掛けはメタルジグ150グラム、その上に20センチのワイヤー、1.5メートルのリーダー(ナイロン18号)を結んだ。
心境は「人事を尽くし天命を待つ」であったけど・・・。

早いスピードで転戦する船
午前5時50分。
出航。
船はスローで外海に出た。
真っ暗だった。
海も空も黒一色。
大気中に光るものは何もなかった。
俺は左舷のミヨシに座った。
冷たい凍風と細かい氷雨が降っていた。
海は多少うねりがあったけど、釣りには問題なさそうだ。

   
落ち着かない船
航程20分ほどで釣り場に来たけど。
船は太刀魚の魚影を探してしばらく迷走していた。
釣りを開始したのは、午前6時35分。
水深27メートル。
仕掛けが底に着いた途端、船長から仕掛けを回収せよの指示。
ごはんを口に入れようとしたら、箸を置けと言われたようなもん。
なんとも慌ただしい。
これは一時的だろうと思っていたら、終始こんな慌ただしい釣りで終わった。
太刀魚が、猛スピードで移動しているようだ。
海が白んでくると、他の遊漁船が点々と海上に広がるのが見えてきた。
その数、10艘。
どの船も移動と停止を繰り返し落ち着かない。

はじめの1匹
そんな慌ただしい釣りをしていた時だ。
午前7時ジャスト。
竿をゆっくり上下させながら海底から仕掛けを引き揚げ、誘いをかけていた。
水深メーターは海面から18メートルを指していた。
その時だった。
何の前触れもなく、竿がいきなりバシッと水面に張り倒された。
「キター!」
メタルジグに、サーベルフイッシュが喰らいついた。
ー恐るべしメタルジグ・マジック!

リールが巻き戻される。
竿は「の」の字となり、今にも折れそうだ。
ー南無八幡台菩薩。
竿をにしがみつき、必死になってリールを巻いた。
そしてとうとう、奴が水面に表れた。
その形、銀色の長い紐が波に揺れているような感じか。
そのまま一気に甲板に引き上げた。
はじめの1匹は指5本、120センチ、ドラゴンサイズであった。

寸善尺魔
7時半、3本目を釣り上げた直後だった。
仕掛けを海に戻し、竿を上げ下げしようとすると。
グッと竿が海に引っ張られ。
次の瞬間、150グラムの重さが消えた。
まるで。
コンセントから電源コードが、いきなり引き抜かれたような消滅だった。
PE2号の道糸が、スパッと噛み切られていた。
太刀魚釣りは「寸善尺魔」である、一寸の幸せの後ろに一尺の不運がついてくる。

対策として。
用意してきたPE8号を巻いた大型リールにリールを交換した。
このあと1匹追釣したとところで、アタリが止まる。
午前8時半までに4本釣った。
ところが、この時点でとなりの釣り師は70センチほどの太刀魚1匹だけ。
俺の方が優位とこの時は余裕があった。
ところが。
この釣り師が船長のすすめでエサ釣りに切り替えると。
状況は一変した。
なんと。
仕掛けをジグからエサ釣りに変えた途端、隣りの釣り師が釣れだしたのだ。
それからは。
振り向けば、いつも隣りの釣り師が竿を「の」の字にしてリールを巻いていた。

     
PE8号の大型リールに替えた
ーなんで俺には来ない?
必殺仕掛け人だって相手があってなんぼのもの。
俺の周りから太刀魚が去ったのだ。
どうやら餌仕掛けのほうに逃げたようだ。
急に寒さが身に沁みてきた。
空は陰鬱な雲に覆われ、風はヒュルリヒュルリララと啼いている。
胸の中も、木枯らしがヒュルリヒュルリララと啼いていたよ。
エサ釣り用の仕掛けは用意していない。
まさかまさか餌で釣るとは思ってもいなかったのだ。

一瞬、入れ食い
「変わることを諦めた時、君は終わるだろう」
  (フランクリン)
午前10時過ぎ、とうとう我慢できず船長に、エサ釣り用の仕掛けを借りた。
ーナント!
仕掛けを替えた途端、入れ食いに。
でも長くは続かなかった。
3匹ほど釣った直後、ハリスを切られてしまった。
至福の一時は、一瞬にして過ぎ去った。
ハリを付け替えたけど、そのあとはアタリが遠のいた。
午後12時半、沖上がり。

今日の一句
「目出度さも 一粒のアメ玉みたいな 太刀魚釣り」
まあ初戦はこんなもんでしょう。

本日釣果
太刀魚 80~120センチ 10匹

The END