ノビタの釣り天国
 
2020年11月6日(金) 午前5時50分~午前11時50分
  那珂湊沖でタコ釣り



     名人の隣りで釣ってはいけない


















釣り場変更
俺の頭の中のコンピューターには、タコ攻略戦のプログラムが組み込まれている。
タコ戦に行くたびに修正を加えてきた。
今回のタコ戦、プログラムは完璧と思って臨んだ。
ところが・・・
おれの右隣りで、2人の名人が並んでタコ釣りをしていた。
午前8時半。
この時点で俺は小ダコ3匹。
名人2人はすでに大ダコも含め20匹以上を釣っていた。

       仕掛け
餌木が悪いのか、天秤が悪いのか、小突き方が悪いのか。
頭の中で、コンピューターは答えを出そうと無限ループしていたヨ。

午前10時。
コンピューターの答えではなかったけど。
たまたま右舷側に空いていた席があったので、そちらに移動してみた。
ーそれが良かった!
結果は13匹と、今回も最下位(8匹)を免れた。
15人の釣戦者の中、隣りで釣っていた名人2人がそれぞれ36匹で同首位であった。
思うに、この2人に俺の分まで先に釣られてしまったようだ。
ーおそらく99パーセントそれに違いない。
本日教訓、名人の隣りで釣りをしてはいけない。

習志野の釣り師
那珂湊港の船着き場に着いたのは、午前4時半。
空は雲に覆われていたが、風も無く寒くはない。
街燈の下に、黒々と連なる先客の車。
その隙間にバイクを止めた。
荷物を船に運び、早速つりの準備を始める。
少し遅れて左の席に、釣り師がきた。
千葉の習志野から来て、昨日もタコ釣ったそうな。
昨日は13人乗船し、彼が最下位で8匹。
このままでは帰れないと、今日も挑戦するようだ。
ちなみに昨日彼が釣りをした席は、今自分がいる席だったらしい。
ーこりゃまずいかも。
と一瞬、不安が胸をよぎった。
                                                雲多き空の下で
今日も釣り日和
午前5時35分。
タコ釣り船は港を出航。
まだ暗い海は小波が一面に広がっていたが、うねりも低く穏やかであった。
なま暖かい風がときどき体をなめるように通り過ぎて行く。
海上では、寒さを感じなかった。

現場に着いたのは、午前5時55分。
即、つり開始。
水深30メートル。
開始と同時に、右隣りの釣り師たちが次々とタコを上げた。
習志野の釣り師と俺は、蚊帳の外だ。
まるで反応がない。

戦意喪失
はじめの1匹が釣れたのは、開始から50分経過した午前6時45分。
250グラムほどのこぶりなタコだった。
直後に300グラムほどのタコを追釣。
やっと俺にも番が廻ってきたと思ったのだが、後がつづかない。
相変わらず、右隣りは次々とタコを釣っている。
胸の中は強烈な嫉妬の嵐だ。
ーなんでやねん?
仕掛けや、小突き方を何度も変えてみた。
ー効果なし!
結局、午前8時半までに小ぶりなタコ3匹しか釣れなかった。
戦意を喪失し、しばらく沖竿にして座席にひっくりかえった。
                                                逃がした魚は大きい
大物を取り込みに失敗
30分ほど休み、気分転換に反対側の右舷の様子を見にいくと、右舷は船首ちかくに3人釣り師がいるだけ。
右舷大トモは空いていた。
それを見て、釣る場所を右舷大トモに変更。

場所を移動した直後に、、小ぶりだがタコが釣れた。
急に元気が出てきた。
その5分後に、今までにない重量感のアタリ。
海面に浮上したのは2キロ近いタコ入道。
周囲に人がいない。
タモで掬ってもらうことができない。
ー南無八万大菩薩、エーイ!
と一気にタコ入道を海面から引き抜いた。
と・・・。
空中に舞い上がったタコ入道は、反転して海に飛びこみ逃走。
ードボーン!
大喪失感にしばし呆然。

       タコ釣り船が集結
早朝の釣りが嘘みたいな展開
気を取り直し、再挑戦。
早朝の悲惨な状況を埋め合わせるように、ポツリポツリと釣れ続いた。
午前11時40分。
逃がした大物タコ入道よりは小ぶりだが1キロを超す良型のタコ入道が海面に浮上した。
今度は逃がすまじ。

近くにいた習志野の釣り師に応援を頼んだ。
今度は無事船上にビシャと転がった。
1.5キロのタコだった。
11時50分、沖上がり。

新しい場所に移動してからは、仕掛けに迷わなかった。
移動してからは、仕掛けを途中で替えていない。
俺のタコ釣り、暗いトンネルの向こうにやっと少し明るさが見えてきたのかも。


本日釣果
タコ  250~1500グラム 13匹

The END