ノビタの釣り天国
 
2022年4月10日(日) 午前5時10分~午後12時
  大竹海岸沖でヤリイカ釣り



      まずまずのスタート


            
      ヤリイカ 36~43センチ 24ハイ













3年ぶりのヤリイカ戦

昔。
まだ俺が20代のころ、当時、10代のピチピチギャルだったキャンデーズが『春一番』を歌っていた。
「雪がとけて川になって流れて行きます
 つくしの子がはずかしげに
 顔を出します
 もうすぐ春ですね
 ・・・
 重いコート脱いで 出かけませんか」
昨年の暮れから釣りをしていない。
そして。
もうすぐ春ですね、はとっくに過ぎてしまった。
今は地上に花吹雪が舞う季節。
突然。
「冬眠から目覚めよ!」
と天から神の声が落ちてきたような?ニュースが飛び込んできた。
待つこと3年、待望のヤリイカ100ハイ超えの釣果報告であった。
場所は大竹海岸沖。
眠気がいっぺんでぶっ飛んだヨ。
これはもう出かけるしかない。
ヤリイカ釣りの料金はちと割高、年金暮らしの身には結構金銭的にきつい遊びだ。
使い古したボロ雑巾のような老人のささやかな楽しみはシルバー優待券、
スーパーや1000円カットの理髪店で利用できるけど。
残念ながら船代には使えない。

3日後の海の状態と天候をパソコンで確認し船宿に予約を入れると。
船長の奥さんから乗船受付は午前3時半と告げられた。
ギョ!、一瞬、聞き間違いかと思ったヨ。
3時半までに那珂湊に行くには、家を2時半ごろ出発しなくてはならない。
最近、そんなに朝早く起きたことはないのだ。

今回のイカ釣りの目標は、24ハイと設定。
理由は、3年ぶりのヤリイカ釣りなので自信がなかったのと。
イカの中でも最高級に属するヤリイカは、那珂湊の魚市場価格で40センチ台2匹で千円。
船代に見合ったヤリイカを釣るには、最低でも24匹釣らねばならないのだ。
24ハイは万年初心者の俺には結構厳しいハードルだったけど・・・。




絶好の釣り日和
そして。
当日、午前1時半起床。
午前2時半、ロシナンテに跨り家を飛び出した。
夜の闇を掻き分けるようにして、
「この道真っ直ぐ逢えるよろこびを急ぐ」(山頭火)
と、那珂湊港に奔った。
ジャンパーは薄手、寒さは感じない。
港に着いたのは、午前3時10分。
船着き場はすでに満車状態。
今日は左舷の大トモから3番目の席で釣ることになった。
                                         
湖のような静かな海だった
午前4時10分、出港。
釣戦者は20人を超えていた。
闇に沈む港湾を、船は滑るように進んでいく。
アジ釣りか、釣り人たちのヘッドランプの灯りが黒々とした堤防上で蠢いていた。
外洋はベタ凪だった。
水平線上がボーっとオレンジ色に染まっていた。
船が起こす風が冷たい。

初めの一匹
航走1時間。
初めの釣り場に到着。
午前5時10分、釣り開始。
これ以降、船は南に場所を移動しながら転戦して行った。
水深は43メートル前後。
底は砂地。

  
今回使用仕掛け
仕掛けは2段針の11センチプラズノ6本とミニスッテ1本の7本針仕掛け。
錘120号を海底から1~2メートルほど引き上げ強弱をつけながら竿をシャクル。
20分ほど探ったが空振り。
船は別の戦場に移動した。
ヤリイカ軍団は広い)海に薄く点在しているのかアタリが遠い。
船は転戦を繰り返しながら南下して行く。

午前6時10分。
反応がなかった竿先が沈むように引っ張られた。
その引きは弱いけど力があった。
引きは3度ほどで止まってしまった。
敵は力を出し切ったのか?
それでも、竿を圧す重量感が錘を超えているような・・・。
半信半疑で、電動リールのスイッチをオンにした。
海面から引き上げてくる7本針の一番上は空、2番目も空、3番目も空、そして4番目に待望のイカがしがみついていた。
4番目の針は、上半分が白、下半分が赤のスッテだ。
はじめの1匹は40センチほどのサイズだっ

    
穏やかな大竹海岸沖で
プロ集団が側にいた

自分の左側(大トモ)に並ぶ3人は、ネットに流れる船宿の写真によく登場するイカ釣り師たちだ。
突然。
「赤だよ!」
「こっちは白だ」
「上から3番目にきた」
「水深30メートルだ」
「型が良いよ」
「おーおーダブルだぜ」
「上から1番目の緑にきたよ」
「おれは一番下にきたよ」
3人がタックルを組んでいるように、イカを釣るたびに情報交換している。
見事な戦略だ。

午前6時半。
船長が様子を見にきた。
そして、
「(あ)プロいま何匹?」
「27匹だよ」
この時、自分はまだ4匹。
思わず、今、大リーグ・カブスでホームランを連発している鈴木誠也への賞賛の声をつぶやいていたよ。
ー神ってる!
このあとも、プロ集団はダントツで釣り続けていた。
仕掛けは自分と同じなのに、この差は何であろう?

沖上がり
午後12時。
船長がノーサイド(試合終了)を宣言した。
結局、プロ集団は35~77ハイ。
かれらにはおよばなかったけど、初戦にしては当初目標の24ハイをクリアしたことで大満足の1日であった。

本日釣果
ヤリイカ    36~43センチ 24ハイ

The END