ノビタの釣り天国
 
2023年4月13日(金) 午前5時45分~午後12時
  那珂湊沖でヤリイカ釣り



    目標より多い釣果
だった


            
 ヤリイカ 33~43センチ 21匹
















ヤリイカに今年も挑戦

「光陰矢の如し」
月日の過ぎるのは矢のように早いと云う意味だが。
これはまだ若い人の諺。
我々のような後期高齢者には「光陰弾丸の如し」が相当であろう。
昨年の4月25日に那珂湊沖でヤリイカ20匹を釣った、それが昨日のように思える。
1年なんてアッと言う間だ。
但し肉体だけは確実に1年の時を刻んだ。
顔に皺が増え、長時間歩くと全身がキーキー悲鳴を上げた。
それでも1日、1万歩のウォーキングは雨が降ろうが矢が降ろうが続けている。
なんせまだまだ見果てぬ夢を追いたいので、体力維持のウォーキングは欠かせない。

                                              
走れロシナンテ!
そして、春4月。
「那珂湊沖にヤリイカ到来」の報に接し。
熱い血潮が全身を駆け巡った。
いつも釣りをする度に、ひょっとするとこれが最後の釣りになるかもしれないと、今回も全身全霊で臨む。
「明日いかにならむは知らず
今日の身の今日するわざに
わが命あり」
(歴史学者 津田左右吉)

出撃の朝
この季節、海は荒れる。
しばらく時化が続き出撃できなかった。
本日、予報では波の高さ2メートルとやや高そうだったけど意を決し乗船することに。
今朝は、昨日より4度低い7度の気温。
でもさほど寒いとは思はなかった。
まだ暗い午前3時半に、ロシナンテに跨り那珂湊港に向かった。
午前4時、まだ闇が濃い黎明の船着き場に着いた。
午前4時半受付開始だが、すでに釣戦者の車がズラリと並んでいた。

                              天気晴朗なれど波高し
ヤリイカの気配なし
午前4時55分、出港。
本日ヤリイカ釣りに臨む釣戦者は20人ほどか。
ノビタは左舷大トモから2番目の釣り座に陣取った。
大トモはタコ釣りで一緒になった茨城では3件しかないという珍しい苗字の釣師だ。
その苗字を最後の最後まで思い出せなかった。
外海は荒れ気味。
船は波しぶきを上げながら那珂湊沖に向かった。

航走30分、現場着。
船は魚群探知機でゆっくり海中を探索していた。
午前5時45分、釣り開始。
水深65メートル。
海底は粘着性砂地。
錘150号を海底に沈めたあと、2メートルほど持ち上げてゆっくり竿を上下する。
開始から30分。
海中にヤリイカの気配無し。

   
10数艘の船が集合
ヤリイカはいた
午前6時半。
船長から仕掛け回収の指示。
移動だ。
仕掛けを回収し、ふと隣りを見ると30センチほどのヤリイカが1匹仕掛けにぶら下がっていた。
釣った本人も「!」。
仕掛けを回収するまで気付かなかったようだ。
他人が釣った1匹だけど、その1匹に暗闇に光明を見たが。
それが初めで最後だったのか、以降左舷側はため息やぼやきがダップンダップンの波音に混じるだけ。
船に押し寄せる大波小波の中で足を甲板に踏ん張り、竿を振るうのはかなりしんどい。
時々、座りながら竿を振るう。

荒海でイカを釣る難しさ
繰り返し押し寄せる波が船を持ち上げ持ち下げる。
このような状況下で、錘150号(562.5g)の仕掛けに、イカが掛かったことを判別するのは難しい。
波が船の下に潜ると船が持ち上がって竿が下方に引っ張られ、イカが針に掛かった時も竿が下方に引っ張られる。
波が引く時は竿が一瞬浮き、イカが針に掛かった時も一瞬竿が浮く。
波の引きなのか、イカの引きなのか?
これは駅の雑踏の中で、人の足音を聞き分けるような難しさだ。

波の動きとイカの掛かりをどう区別するか。
一つは。
イカが針に乗ると、波の動きに連動する竿の動きが一瞬、不連続な動きをする。
一つは。
竿にかかる重さが変化する。
ヤリイカ1匹の重さは凡そ350gである、この重さが竿に加わるのだ。
上記2つの変化も荒波の中ではわかりにくいが、これを見逃すとイカはいつの間にか逃げてしまう。
これが釣果の差となるのかも。

操舵室からノビタの竿先を見ていた船長が、
「掛かっているぞ!」
と叫んだ。
頭の中に「?」を散乱させながら、電動リールのスイッチをオンした。
「ゆっくり上げないとバレルぞ!
また頭上から声が落下。
水面に浮上したイカを引き上げようとした途端、イカは針から外れ水中にグッドバイ。
「Lover come back to me!」
ーゆっくりし過ぎたのかな?


初めの2匹
午前8時10分。
釣り開始から2時間半ほど経過。
竿を持つ手に一瞬、違和感がきた。
電動リールをオンし、獲物を引き上げてくる。
上下する竿のしなりに強弱があった、間違いなくイカが仕掛けに乗っている。
そして。
初めの1匹は、40センチ級のダブルであった。


                                             
足だけ上がってきた!
伏兵がいた
午前11時までに18匹釣った。
30分に1匹のペースだ。
午前11時10分。
海底でイカのアタリを察し、電動リールのスイッチをオン。
イカがばれないよう低速で巻き上げてきた。
ーと。
海底から20メートルほど仕掛けを引き上げた時だった。
いきなりガツーン、竿先が海面に叩きつけられ、ガンガンと竿先が激しくお辞儀を繰り返した。
次の瞬間、竿先のしなりが「の」から「へ」に変化した。
・・・・・・。
船上に上がったのは、イカの足だけであった。
おそらく伏兵のサバの襲撃だったのか。

それでも沖上がりまでに3匹を追釣した。
午後12時、終了。
今回の目標は10匹だった。
最近の釣況と自分の実力からハードルを下げておいた。
幸福とは望みが満たされること。
望みが小さければ満たされやすい。
大きな望みを追うと一生みたされない。
登れない木は見上げるな、さ。

本日釣果
ヤリイカ    36~43センチ 21匹

The END