ノビタの釣り天国
 
2023年8月24日(木) 午後6時40分~午後11時
  那珂湊沖でマルイカ&ムギイカ、剣先イカ釣り



    敢闘賞ものの成果


            
            イカ 68匹
















猛暑の夏
遮る雲もない空から陽光が地を射し、そして灼いている。。
ー猛暑だ。
最高気温34度前後が1ケ月も続き、その勢いいまだ衰えない。
炎天下の空を小鳥が飛んでいく。
焼き鳥にはならないだろうが、熱中症で落下する鳥がいても不思議ではない熱さだ。

玄関の天井にツバメが今年2度目の卵を産んだ。
ーこの暑さ。
蒸し卵になるのではと、心配したけど。
8月8日、5羽すべて巣立って行った。

庭に植えた花類は、朝顔とケイトを残し枯れてしまった。
ケイトは強い、この暑さをものともせず鮮やかに赤と黄色の花を咲かせ、その花が日ましに膨らんでくる。
水道の水もお湯になった。
エアコンの効いた部屋を出ると、ムッとする熱気に包まれる。
そして10分も歩くと、いきはフーフー帰りはヨレヨレとなり全身汗だくに、着ている物がグショグショ。
老体も干からびて干物になりそうだヨ。

いざ出撃!
この暑さにめげてはいられない。
余生は限られている。
「年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず
言を寄す
全盛の紅顔子 応に憐れむべし 半死の白頭翁」
ーやりたい事をやっておこう。
これが、老いた遊び人の精神的原動力だ。

ネットで、昨夜のイカ釣りの釣果を見ると、38~147匹だった。
ー凄い、半端ない、今だ!
準備は前もってしておいた。
即、釣り宿に今夜の乗船を申し込むと、了解のアンサー。
すでに18人の先客があった。

     
うねりがあった
波にうねりがあった
午後5時、出港。
釣戦者20人。
空はまだ青く明るい。
爽やかな南寄りの東風が吹いていた。
1時間ほど走行して現場に着いた。
波が押し寄せるたびに船は、右に左に大きく傾き、体もそれに合わせて傾く。
午後6時半。
船長が船の先端に立ち、パラシュートアンカーを海に投じた。


船長の開始の合図はまだ出ない。
午後6時40分。
空が黄昏れてきた。
船長が開始しても良い、の指示。
まだ明るいのでイカは期待できないようだ。
それでも仕掛けを、海に投入する人がボツボツ出てきた。

はやく抱いて
午後6時50分。
隣りの釣り師が1匹釣り上げたのを見て自分も参戦。
錘70号、枝間1メートル、ハリス8センチ、スッテ2.5号、5段掛けの仕掛けを海にドボーン。
水深は20メートルから探り、徐々に仕掛けを水深5メートルまで竿をシャクリながら引き上げてきた。
これを繰り返す。

仕掛けを投入して10分ほど経過。
一瞬、ググッとアタリを感じた。
イカが仕掛けに抱きつき、すぐ仕掛けを離したようだ。
ーこれではいかん。
六角精児の歌を呟きながら竿をシャクる。
「はやく抱いて はやく抱いて
 うまく抱いて
 何をためらっているの
 間がずれると はがれおちるの
 なだめ続けてきた恋は・・・♪」

入れ食い
水深15~10メートルの範囲を探っていると。
ククッと釣り糸を引っ張る奴がいる。
ーアタリだ!
電動リールをスローにして引き上げた。
はじめの1匹は20センチほどのムギイカだった。
その後が続かない。
船長の指示棚にさからい、水深35メートルまで仕掛けを落とすと即アタリがきた。
この後も、水深35~40メートルで入れ食いとなった。
ほとんど1匹がけだけど、たまに2匹、3匹が1度に掛かってくることもある。

また柔らかい竿がその先を海に突込んだ。
グイグイと勢いよく竿を引っ張る。
これはダブルかトリプルか。
ややスローでリールを巻いてきた。
黒い海面に浮上したのは今までの2倍以上もある大物であった。

身が柔らかいイカなので慎重に船上に引き上げた。
透き通るような美しい体のイカだった。
我が人生初物の剣先イカだ。
ネットで調べると剣先イカ300グラム1匹¥2,980円だった。
このあともマルイカやムギイカに混じり剣先イカを3匹追釣できた。
すなわち、釣った剣先イカ4匹で船代分に千円足りない約1万2千円分の元はとったことになる。
刺身にして食べたら極上の味だった。
これはもう一度釣りたいイカだ。

                                              
本日釣果 68匹
終わり
午後10時半。
船長が、あと30分で終了しますと通告。と
そして各人の釣果を聞きにきた。
その時点では我が成果は54匹。
それから30)分後、納竿した時は68匹になっていた。

本日のトップは、ミヨシで釣っていた針2本の釣り師で127匹、俺とは地球と火星ほど離れた釣果であった。
それでも船長に68匹を報告すると、
「おめでとう」
と言われた。
船長におめでとうを言われたのは初めてだ。
どうやら自画自賛ながら敢闘賞クラスの成果であったのかも。
その勝因は。
牡丹に唐獅子、竹に虎、イカにサバが当たり前なのに、どういうわけか今夜はサバという不純物が混じらなかったのが最大の要因のようだ。

そして至福の時は終わった。
「明日は明日の風が吹こう
今日は今日の風にまかせる
好日、好事だった
ありがたし ありがたし」
  (山頭火)
家に着いたのが午前1時。
風呂に入り汗を流し、発泡酒を飲む。
ーああ極楽極楽。
午前2時、就寝。

本日釣果
剣先イカ 40~45センチ 4匹。
ムギイカ混じりのマルイカ 20~25センチ 64匹

The END