久慈川河口のキングサーモン(1979年10月ころ) 
日立港の新堤防の前に、テトラがなかった頃の話し。
休みの昼頃、釣りの様子を見に行った。

久慈川河口の先端に14〜5人が集まり、浮き釣りをしている。
近かずくと丁度サケらしき大きい魚が、脇の南京袋に放り込まれるのを目撃した。
周囲をよく見ると、南京袋がいくつか目立たないように、ひっそりと置かれている。
何が釣れたのか聞くと「ボラだ」の返事。

信じられない。
あわてて家に帰り、釣りの準備をして久慈川河口の釣り具屋に行き、彼らが餌にしていたイワシがあるか聞くと、「キングサーモンですね、良いのがありますよ」と言われ、さっきの魚の正体がわかった。

釣り場に戻り、人の仕掛けを盗み見て、重り5号、ハリス6号1.5m、針はスズキ針の27号、それに玉浮き仕掛け、竿は石持竿3.9mで挑戦。
人の隙間に割り込み、仕掛けを10m程投げると、浮きはゆっくり潮に乗って沖に向かって流れ、2〜3分経過、突然堤防より20mほどの所で浮きがパッと消えた。

きたー!、あわてて竿を立てると強烈な引き込み、逃げるなよ、逃げるなよ、バレないでくれ!祈りたくなる気持ち。
バラシた時のことが頭をよぎる、誰もこの話しを信用しないだろう、「逃がした魚は大きいからな」と笑い飛ばされておしまいだ。
何としてでも釣りたい。




魚を堤防の際までひき寄せたが、水面から堤防の上まで5〜6m、魚の引きで落ちるような不安、足がガクガク震える。
ジリジリと、堤防下が見えないところまで後ずさりし、めくら運転になってしまった。

誰かがタモを出してくれたが、何せ魚もタモも全く見えませ〜ん。
周囲の人が「竿を立てろ」、「立て過ぎだ寝かせろ」と叫ぶ。
とにかくその声だけが頼り。
悪銭苦闘の6〜7分、やっと80cm程のキングサーモンが堤防の上に持ち上がり、ドタドタ暴れている姿を見た時は、思わず「ヤッター、ヤッタヤッタ」と叫んでいた。
顔はおそらく、緩みぱなしだっただろう。

川を遡上する前のサケは禁猟とのこと、「袋がないと周りの人に迷惑がかかる、すぐ帰れ」と追出され、結局釣り始めて10分たらず、1パック20匹ほど入っている冷凍イワシの餌を2パックも買ったのに、1匹しか使っていない。
名残おしくてたまらなかったが、釣ったサケをジャンパーにくるみ帰ってきた。


その後、再度出直したが、既に時合が過ぎ全く魚信なし。
写真は感動のキングサーモンと、当時3才の娘です。

久慈川河口のサーモンはこれが始めで最後となり、以降現在まで釣れた話しは聞かない。
サケもいなくなったと思うが、堤防の前に置かれた大きなテトラの上は、あまりに危険で釣りにならない。
あの感激を再度味わえるのは、北海道に行くしかないか......。


Lucky.Strike.Again!

 
 
 
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