2001年 3月3日(土)久慈川河口カレイ釣り      
     いつもと同じ
                                     期待した朝拙め
Oと会う
「プップップップーーーーー」
赤い橋を右折した途端、いきなり後方から車の警笛が鳴った。
(どないしたん?)
道路脇にバイクを止めると、車が側に止まり、闇の中からOの顔が覗いている。
「東海側を見て来たら、3人いたぞ!」
(釣る場所がないぞ)
ヘルメットを被っているので話しが出来ない、そのまま日立FCSに行く。

午前5時20分、店内は船客でごったがえし、盥の中でジャガイモを洗っている様な騒ぎだ。
Oも入って来た。
第5埠頭にノビタを誘うのだが、東海側堤防の未練断ちがたく、とうとう振り切った。
結果的には、墓穴を掘ってしまったのだが。
とりあえず、青コガネムシを2パック購入して、店の外でOと別れる。

   
だ〜れもいない堤防
朝拙め
暗い堤防下の砂浜に、車が3台。
車の脇に2人、フイッシャーマンの様だ。
緩い北西の風、零下4度ほど、まだ寒い。
河口は、川と海が攻めぎあう境界線で白い波が砕け、その余波が4百メートルほど上流まで溯る。

かなり川の上流側を選んだ。
港内から何十嫂ものエンジン音がゴーゴーゴーと響き、堤防の周囲ではドドーン、ドドーンと、砂浜とテトラに砕ける潮騒、騒音の洪水である。
それでも静かに感じるのは、人の気配がない為か。

竿を2本並べたのは午前6時。
朝拙め、5分、10分、15分...カチ、カチ、カチと時は刻まれて行く。
竿は微かに風に揺れるだけ。
鈴も鳴らず、竿もお辞儀せず。
早くも絶望の渕がのぞく。
午前6時半、始めの場所に見切りをつけ、先端側に移動した。

                                     
河口に砕ける波
鈴が鳴る
突然、竿先の鈴が御注進、
「チンチロリ〜〜ン...チロチロチロ..チロ〜ン♪」
(ダンナ、アタリでっせ)
少し間をおいて、
「ルルルルル....チリチリチリ..チリーン♪」
(ダンナ、こりゃあ〜取るに足らねぇ小物でっしゃろ)
「しょっぴぐにあたらずか」

竿を掴み、グイッと合せたが反応が無い。
(ダンナ、スカですか?)
「....スカだ、食い逃げだ...」
仕掛けを引き上げると、下針の餌はきれいになくなっていた。
再び仕掛けを川に投入。
忘れた頃に、またチロリーーン♪。
合せたが、合わない。
(ダンナ、今日は日が悪いんですかね〜)
「今日も魚がいない所に来たようだ」

どんどん気温が上昇し、春真っ盛りの陽気になって来た。
防寒着の上下を脱いでもまだ暑い。

アベックとノビタ
餌を交換していると、いつの間にかアベックが2匹、揃ってこちらを見ていた。
       
アベック
(変な野郎がいるぜ、用心しろ)
彼女が、
(こんなダサいの、私の好みじゃないわ)
彼女は、先端の方に行ってしまった。
彼氏は、彼女を気にしながらも動かない。
(てめぇぃ、俺の女に手を出すなよ)

ノビタも彼氏を睨みながら、
「手は出さないから早く消えてくれ、気になって針に餌を付けられん」
彼女が戻ってきた。
(あんた、いつまでそんな馬鹿相手にしてんのよ、早く行きましょ)

(うん、ちとおもしい顔してると思って、見ていたのさ)
彼女が、じっとノビタを見て、
(ふん、このへんちくりんの顔が..、言われるとそうねぇ)
アベックはノビタの顔にあきると、尻尾を振りながら去って行った。

彼氏は、こちらを振り返り、振り返り、
(おめぃ、どうでもいいけど寂しくないのか?我々は他にやる事があるんで、つきあっておれんが...、さらばじゃ)
慌ててデジカメを引き出し、パチリ。
「ありがとよ、別に寂しかないよ、仲良くやんな”夫婦ゲンカは人も食わぬ”て、知ってっか」

   
                                 外もうねっていた
見切りをつける
「戦場を放棄する!」
(ダンナ、それは違いますやろ、言うんだったら”実り無き戦いに見切りをつける”て、とこじゃおまへんか)
「同じ事だろ」
(ダンナ、やってる事はおないでも、えろう違いまっせ、ダンナの言い方は”逃亡”やろ、あっしのは、”未練ちゅうもんを絶つ”と言う決意でっせ)

(ダンナ、昔、片思いに見切りをつけたのとおないや、振り向かない女を、未練がましく追う人じゃなかったやろ、今は女が魚に変っただけや、あきらめが肝心と違いますか)

「最近は、”勇気ある撤退”とか言うな」
(ダンナ、ありゃあ〜負け犬の捨て台詞(せりふ)です、使っちゃあきまへん)
「ヨッシヤー、今日はこの辺で見切りをつけるか」
午前11時半、現場を後にした。

結局、坊主やねん。
 
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