2001年  8月24日(金)東海某堤防夜釣り             
      外道は釣れたけど...

                         佃煮になるほどの人、人、人...
あてなどないけど
今夜のターゲットは黒メバル。
味覚と、その希少価値はマツタケ並み。
砂浜に落とした1カラットのダイヤを拾いに行く様な釣りだ。

気分は、
 「ケ.セラ.セラ〜
  なるようになる〜
  今夜のことは わからない♪」
である。

Oと午後8時半に港の駐車場で待ち合わせた。
駐車場は既に、ゲップが出るほどの車の山。
時間ピッタリに、薄暗い駐車場の奥から人影が近ずいて来た。
「........?」
間違い無い、
「我が輩はOである」
だ。

迷走しながら不時着
空は厚い雲に覆われ、地上も空も境のない闇の世界。
赤、青、黄の人工光線が港内をボーッと照らしている。
Oと2人で、場所を何処にするか迷いながら歩いた。
何処で獲物を狙うべきかが最大の鍵であるが、全く当てが無い。
暗い堤防の上を、目玉をキョロキョロ全方位に動かし、それらしき釣り人を探しながら進んだ。

「あれがそうじゃないか?」
Oの言う方向に、一人で電気浮子釣りをする人影有り。
そうかもしれない、そうでないかもしれない。
此所で錨を下ろすか、後ろ髪を引かれる思いで先に進んだ。
しばらく行った所で迷う心に終止符を打ち、荷を下ろす。
1時間ほどその場所で釣ってみたが、全く応答無し。
午後9時半、その場所に見切りをつけ、移動する。

    
朝靄の中から職漁船団現る
感動無き釣り
堤防は釣り人が多い。
しばらく場所を探して漂流し、やっとのことで2人分のスペースを発見、そこに不時着した。

その場所で、お互い竿を2本出す。
1本の浮子下は1.5メートル、もう1本は5メートルにセット、餌は青イソメ。

午前2時までに、浮子下を5メートルにした竿には30cm近い石持と、アジがポツ、ポツ来たが。
浮子下を1.5メートルにした竿には何の音沙汰も無い。
途中から2本とも浮子下を5メートルにした。

この後、朝までポツリ、ポツリと石持やらアジが釣れる。
Oも同じだった。
感動無き夜の釣りは、夜が白むまで続いた。
朝4時半、潮が満ちてくる様に次々と人が押し寄せて来た。
堤防の上は既に人で満潮。
溢れた人間は蟻の這い出る隙間を探し、無理やり入り込んで来る者、あきらめて戻って行く者で騒然として来た。

海の兵隊蟻
午前5時、すっかり白んだ港内に。
突然、ドドドドドドーーーーと轟音が轟く。
職漁船が朝靄の中から一艘、二艘、三艘、四艘、五艘.......17艘。
映画「地獄の黙示録」の1シーンの様だ。
日の出とともに雲霞の如く空を覆った戦闘機、場面に流れるバックグランドミュージックは、ワーグナーの「ワール・キューレ」。
ダダダダーンダ、ダダダダーンダ、ダダダダーン♪。
戦闘機から雨の様に焼夷弾がジャングルにぶち込まれ、みるみるジャングルは火炎の炎に包まれて行く。

こちら東海某港内、スピーカから流れる船長の喚き声と、エンジンの爆音が鳴り響く。
焼夷弾ではないが、港内の四方八方からガラガラガラと底曳き網が海中に落下し。
堤防スレスレに網が引き回され、釣り人の竿もおかまいなしにかっさらって行く。
まるで兵隊蟻が通過した様に、後には砂漠化した海が残るだけ。
海中で逃げ惑う魚、その阿鼻叫喚の地獄絵が想像され、痛ましい。

隣りに割り込んできた親父が、
「彼等(職漁船)も生活がかかっているからな〜」
と、ほざいている。
                             
海中の惨劇を考えると、その言葉も腹立たしい。
これは傍弱無人な乱獲であり、自然破壊であり、生命の大量殺戮ではないか。
おそらく港内を底曳き網の魚場として認める様な非常識が、常識として罷り通る国は日本だけなのでは。
                                 
港内を走る職漁船
午前6時、海の兵隊蟻は、1時間ほど港内を縦横無尽に底曳き網で引っ掻き廻した後、やがて消えた。
港は息を引き取り、永眠したかの様に静かになる。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、チーーン。
これから冬場まで、連日、職漁船が港内を魚場とし、港内は、そのうち魚の跳ねる音も聞かれない墓場と化す様な気がしてならない。

これ以上いても意味が無いと、我々も堤防から撤退した。
ラッシュアワーの電車並みの堤防の上を帰る。
不思議とネットの釣り仲間には会わなかった。
こういう事も珍しい。
黒メバルへの未練はあるが、砂漠化して行く海に戦意が喪失して行く。

蛇足
本日、8月26日は東海村の村議選。
村長は現村上村長しか立候補していないので、留任。
議員一人を補充する選挙になった。
東海村の議員には、東海某堤防を市民に開放しようとする議員はいない。
東海村議の結論は、「立ち入り禁止区域」とし解決済みなのだ。

されど、東海某堤へ、東海某堤へと、草木もなびく。
そして、
「たつ鳥 後を濁し放題」のゴミ問題。
職漁船の港内底曳き網漁問題。
関東一円のリクレーションの場として、港を開放する提言。
などの声は、村議会には届かない。
そもそもこの堤防その物が、無用の産物としか思えないのだが。

上記問題を、東海村役場の村議会に反映させるにはどうすべきか。
いつか東海村の村議選にノビタが立候補し、「立ち入り禁止」の看板を取り払い、港の半分をリクレーションの場として開放し、かつ各港のゴミ問題を解決し、港内での底曳き網漁を禁止したい、これは夢のまた夢か。

        
本日釣果
本日外道の釣果
  石持  20〜27センチ  6匹
  アジ   17〜20cm  23匹
  サバ   22cm       1匹
  (餌は青イソメで)







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