1999年 7月3日(土)久慈川河口                 
 出足は良かったのだが...
                                       
        昼の夕暮れ
外は昼間だというのに夕暮れの暗さ。
闘志がクラゲになってきた。
それでも行くか?
Oh、Yes!
走行距離24000km、ご主人と同様ポンコツとなりエンジンのかかりが悪くなった50CCのバイクを、何とか奮い立たせ、発進!

沈滞ムードの釣り場
川沿いの堤防に新たなフエンスが完成していたが、中央の扉が何故かオープン、扉の向こうに釣り人達がいる。
フエンスの中央から堂々と侵入し、釣り人のいない場所を選んで、今日はそこに全てを賭けることにした。
地平線上から雲が次々と湧いてきて、北に移動して行く。
時折小雨が風に運ばれ落ちて来るが、さほどのことはない。
先客の皆さんは、ぼんやりと竿や、暗い空や、隣りを、眺めながら佇んでいた。
まだ潮が動くまでに時間があり、魚の食いが止まっているようだ。
周囲には沈滞と、倦怠のムードが漂っていた。
これからだ、うん、あきらめるのはまだ早い。

昔、サビキの6本針仕掛けに餌を付け、竿1本で他をひき離したことがあり、今日もそれで行くことにした。
投げ釣りはPEライン(新素材)の道糸を使用している。
高価だがアタリをとらえる敏感な反応は、ナイロン糸の比ではない。
それにナイロン糸と違い、くせがつかないので何年でも持つので、結構経済的なのかもしれない。
出足好調!
午後1時半、第1投。
投げると直ぐに、第1撃が何の前触れもなく”
ドーン”と竿先を打ちのめした。
続いて第2撃、第3撃、竿先はおもいっきりお辞儀を繰り返す、石持だ!。
石持のアタリはドアを足で蹴っとばすような勢いがあり、これが魅力なのだ。

堤防の上からあわてて下に降り、竿を手に掴み後ろに倒れるように合わせると、竿がズッシリとした反動を受ける。
                            
                         本日釣果
リールを巻く手に獲物の大きさが伝わってくる、これはただもんじゃね〜。
歓喜と、快感が、体内でミックスされ既に酔い心地、雲の上を歩いている気分だ。
「ヨッコラショ!」と堤防に引き上げると、腹太の体調28センチの石持が、6本針の1番下に掛かっていた。
これでは6本針の上の方は意味なし!、と、普通の同突き3本針仕掛けに交換、竿を1本追加して2本にした。

それから5分後、後発の竿に石持のアタリがきた、リールを巻いてくると充分な重量感が伝わってくる。
上がったのは先程より小振りだが、やはり腹太の26センチ。
「今日は大漁か?」という楽観的観測よりも、いつも期待が裏切られてきた身には、「これが最後かも?」の悲観的観測の方が正しいと思えた。

フグの猛攻に合う
この後もアタリが、たてつずけに3度あったが、合わせた途端にスッポ抜け。
しばらくアタリが遠のいた後に、これまでとは違う弱々しいアタリが、時々竿を震わす。
竿を上げて見ると、3本の針に、餌はかけらも残っていない。
この後は投げる、微妙なアタリ、仕掛けを上げる、餌がない....これの繰り返し。
悪質な食い逃げである。

しばらくして仕掛けを確かめると、針3本の内2本がハリスごと切られていた。
こういう仕業をやるのは、あの野郎だ!
憎悪の油に火がつき、爆発寸前となる!でも迎撃する術がない。
アタリがあった時に、思いっきり合わせを食らわすと、手応えがあり、上がって来たのはやはりフグだった。
この戦いは、戦いにならない、一方的な負け戦である。

黒鯛のような石持だった
隣りにいたおじさんが、帰る途中に話しかけてきた。
「朝9時から来て、2匹だよ〜」
「それなら自分の方が効率が良かったですよ」
「2匹の内、1匹は40センチあり、上げる時は本当に苦労したよ〜」
「えっ!ちょっと見せて下さい」
「ああ、ええよ」

クーラーボックスから目に飛び込んできたのは、一瞬、黒鯛と見間違いそうな石持だ。
腹ボテのお腹だけ見て、頭を見なかったら、これはもう黒鯛なのだ。
写真を撮らずじまいなのが残念だった。
                               
          人影の向こうが本日のヒットポイント
無情のバラシ
この後、やっと待望の石持のアタリがあり、今まで以上の重量感を感じたのだが、ほんの1巻きか、2巻きリールを巻いた途端に、急に軽くなる、バラシだ〜。
仕掛けを確認すると、ハリスがフグにかじられ、ボロボロとなっていた所で、切れていた。

結局、午後6時まで粘ったが、初めの10分足らずに上げた28センチと、26センチの石持が2匹で終了。
人が大勢集まっている所は、やはり回遊して来る石持の休憩所が川底にあるようで、交互に誰かが石持を上げている。
一人平均、7〜8匹上げていたようだ。
遠目にも、上がっている石持の型が良いのが分かる。
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