1999年 7月16日(金)東海某堤防                 
アジのシーズン到来?
                                     
          朝5時の堤防
第1ラウンド
午前4時、空は雲で覆われ、まだ暗い。
50台ほど止められる駐車場に5〜6台の車、スカスカだ。
アジの好機を逃すまいと、走るように堤防に向かった。
1段低くなる堤防の前で、堤防を見渡すと4〜5人が1箇所に固まっている。

そこは、ノビタが1週間前からイメージしていた場所ではないか、いきなり出鼻をくじかれた感じだ。
彼らの側に近ずくと、希望の場所から10メートル程ずれていたが、1人には充分なスペースがあり、すかさずその場所に荷を降ろした。

無愛想な隣人
隣りで釣りをしている人に何を狙っているのか聞くと、
「イカ!」
と、そっ気ない返事が返ってきた。
じゃまな野郎が隣りに来たと思っているのか、面倒くさかったのか?
ともかくアジ釣りの準備をする。
気はあせるが、動作がナマケモノと同じように鈍い。
アジの仕掛けを投入し、次にイカ釣り用の竿2本を出し終わったのが、午前4時55分。

  
 漁船がまた来たよ〜!
サクさんに会う
ほっとして周囲を見ると、10メートルほど先にいる近所のサクさんが目に飛び込んで来た。
いつもの短パン、半袖ポロシャツ姿で、タコの探り釣りをしている。

サクさんも気がつき、竿をその場に置いて近ずいて来る。
しかけた竿を気にしながら話しをしていると、漁船がまたもや登場!。
どうやら最近は、この湾内が漁場らしい。
船の数は5嫂と少ない。

新聞によると、沖合いでの漁獲量が減り、それに追い打ちをかける様にトラザメが異常に発生、沖合では漁にならないようだ。
この湾内を漁場にしているのは例年のことなので、沖合の不漁とは関係ないと思うのだが、このしつこさは沖合の不漁とやはり関係しているのか?
サクさんは5分ほど話しをすると、戻って行った。

アジがきた!!
サクさんが戻った後、アジ用の竿を見ると海のうねりに揺れながら、ヒクヒクヒクと震えている、
「きた〜、まってました〜!!」
竿を持ち上げると、今年初めてのアジ3匹(13〜15センチ)が、宙に舞い上がった。
20メートルほど離れたサクさんに、思わず大きい声をかける、
「アジ釣れました〜!!」
サクさんに、サビキに掛かったアジを頭上に掲げ見せてやる。
ところがこのアジ、仕掛けをゴチャゴチャのダンゴにしてしまい、ほぐすのに大分時間をロスしてしまう。
やっと、もつれをほぐし仕掛けを海に下すと、今度は先っきとは違うグングンと竿先を引き込む魚信。
あわてて竿を上げると、堤防で釣れるとは思えない大アジ(23センチ)が上がってきた。
これが本日最後のアジとなった。

1ハイ目のイカが来た!!
午前5時半、イカ釣り用の浮き2個は波にもまれ、沈んだり、浮いたり、寝たり、立ったり、絶えず激しく揺れ、魚信が見分けられない。
異変を見つけようと、浮子を見つめるのだが、いつか集中力が分散し、視点が宙をさ迷う。
時間は過ぎて行く。
ぞくぞくと釣り人がやって来る。
堤防の縁はたちまち人垣が出来ていく。
今日は平日だが、久々の晴れ間ということで集まって来たのか?
餌をチエックしようとイカ釣り用の竿を持ち上げ、リールを捲くと、嬉しい重さが手元に伝わってきた。
堤防の縁まで引き寄せ、イカを水面に浮かばせると、ピューピューと墨を吐いている。
慎重に堤防に抜き上げると、20センチ足らずの小振りなシリヤケイカだった。
まず1杯目をGet!

イカが連続ヒット
相変わらず浮きは、沈んだり、浮いたり、寝たり、立ったりと落ち着きがない。
一瞬、浮きの沈んでいる時間が長く感じた、浮いた、寝た、寝ている時間が僅かに長い!!。
「アタリ....!!?」
道糸のたるみをとり、糸にテンションを与え、思いっきり合せを食らわす。
手応え有り〜!!。
イカをゆっくり、素早く堤防に寄せる。
イカを引き上げる瞬間が、ハラ、ハラ、ドキ、ドキのドラマなのだ。
嬉しくないドラマだが、今日はタモを用意してきていない。
水面から堤防の上まで1.5m、この高さが非常に長く感じる。
大きく深呼吸をし、息を止め、ソロリと、大胆に、そして一気に、
「そ〜れ!......。」
イカが宙を飛び地上に転がる(ホッ!)、ヤッタゼ〜!。
続けて3ハイ目、4ハイ目、5ハイ目が、ドキ、ドキ、ハラ、ハラしながら釣り上がる。

運が尽きる
6ハイ目、足元の水面でピューピュー墨を吐いているイカを、水面から抜き上げた直後、油断、過信、注意不足?不可抗力?イカは針からはずれ、海に帰って行った。
9時までに、また1ハイ、水面から抜き上げる際に取り逃がしてしまう。

隣りの人と、いつの間にか何ハイ目と、声をかけあい競争の雰囲気となったが、お隣りが7匹、ノビタ5匹で、ノビタの負け〜!。
反対側の内湾でもイカは上がっていた、数は我々と変わらないようだ。
午前9時過ぎ、サクさんが戻って来たので様子を聞くと、
「当才タコ、2匹!」
この時期ではまずまずか。

サクさんは、夕拙めに今度はアジを狙いに来るよ、と帰って行った。
カゴ釣りの人が、アジを50匹釣ったのを見て刺激を受けたらしい。

オンボロ人生と再会                                    オンボロ人生
サクさんと入れ代わりに、顔、腕が日焼けで真黒の70才位のおじさんが、
「どうして〜?」
と、側に立っている。
何処かで見た顔だ?。
しばらくして思い出した。

昨年、阿字ケ浦の堤防で会ったオンボロ人生だ。(済みません)
ノビタのHPの昨年11月 2日に登場している。
オンボロさんの方は覚えていない。
普段は大洗でイカを釣るので、此所は始めてだと言う。
麦わら帽子、半袖シャツ、それに年期の入ったブーツ、外見はさほどオンボロには見えないが、やはりオンボロで、百戦錬磨の古兵の風格なのだ。

話す言葉は茨城のズーズー弁だが、いたってていねいな話し方をする。
半ば強引に、隣りの狭いスペースに入り、イカ釣りに参加してきた。
この辺が、年期を積んだ古強者のしたたかさか?

      本日の釣果
納竿
10時頃に太陽が顔を出し、真夏の堤防になる。
周囲ではたまにイカが上がっているのだが、こちらには何も変化が起こらない、時間だけが過ぎて行く。
疲れた〜、超スロモーションで道具をかたずけ、堤防を後にしたのは午前11時を廻っていた。
釣果は23センチのアジ1匹と13〜15センチのアジ3匹。
20センチ足らずのシリヤケイカ5匹。



第2ラウンド

通り雨に迷う
午後3時、昼寝をした後、この夏の陽気でまた太刀魚が釣れるかもと、また出陣しようとすると空模様が怪しい、とうとう雨が空から糸を引いて落ちて来た。
何度も窓から様子を伺っていると、空が明るくなり雨も止んだ。
今だ!、午後4時半、シーバスロッド1本を抱え家を飛び出す。

駐車場から堤防に向かって歩いていると、突然、明るい空からポツリ、ポツリと天の涙が落ちてきた。
何でそう泣くの!
そのうちに、涙の勢いが増してくる。
進むべきか、戻るべきか迷いながら歩いているうちに、目的地に着いてしまった。

サビキ+ルアーでアジがヒット!                      通り雨の去った堤防
先客4人が点在している。
冷たい南東の風が強く、海はダブン、ダブンと白波が立っている。
カッパは着ていない、雨に打たれるまま、みるみるドブ鼠だ。
戦意がなえそうになりながら、ジグをダブンダブンの海に投げ込んだ。

何度も投げ込む、リールを捲く手にブレーキはかからない。
50メートルほど離れた所で、太刀魚が上がった!。
そちらに移動すると、何と同じ会社のケイではないか。
様子を聞くと、ノビタが伝授したサビキ+ルアーで15センチ前後のアジ4匹と、太刀魚1匹を釣り上げたばかりだと言う。

ノビタもサビキ仕掛け+ルアーに切り替えたが、既に遅かったのか、全く反応無し!
ケイもあの太刀魚が最後だったようだ、後が続かない。
結局、午後6時半に納竿、ケイを残し先に帰って来た。
太刀魚はどうやら幕切れ?、代わってアジのシーズン到来?そんな気がした1日だった。
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