2003年2月15日(土)湊寄りの堤防

久し振りの日

穏やか                  月下で魚と戯れる
”Study to be quiet”「おだやかになることを学べ」。
今から350年ほど前に、釣りのバイブルと言われる「釣魚大全」を著わしたイギリスのウオルトン卿の銘である。
「釣魚大全」の哲学は、この一句に濃縮されるそうな。

ノビタはその一句に、いまだ出会えない。
誰もいない海で、じっと魚を待つ姿は一句が表す光景なのだが・・。
いつも頭の中は、焦燥の雲や、倦怠の雲や、失望の雲や、襖悩の雲まで湧き、心が乱れる。
いつこの一句を悟ることができることやら。

新天地開拓の旅
午後3時過ぎ、まだおてんとう様が頭上にあるうちに家を出た。
三流の釣り場までは、バイクと徒歩で15分の旅である。
今日は新天地開拓の旅である。
これまでの一所懸命は、魚はいないと見捨てたヨッ!。

オードリーヘップバーン
青い空、青い海、その向こうはアメリカ大陸だ。
気持ちはコロンブスである。

マイ・フェア・レデイの、イライザ(オードリーヘップバーン)の親父が歌う”運が良ければ”の様に。
運が良けりゃ新天地で大漁も夢じゃない。

あまり迷わず新天地を発見した。
此所も全く人気(ひとけ)が無い。
テトラの上から水面まで、約6メートル。
浮子と錘で水深を計ると、竿1本、約5メートルあった。

                         
根掛かり銀座
根掛かり銀座
まだ暗くなるまでは大分あるので。
とりあえずブラックリで根を攻めてみたが、何の反応もないうちに根掛かり。
仕掛を取られてしまう。
午後4時半、まだ早いと思いながらメバル仕掛を投入した。

仕掛は、2号の棒状電気浮子に、ヨリモドシ付き錘、その下にハリス1.5号40センチにメバル10号の1本針、餌はオキアミ。
始め浮子下を4メートルにする。
仕掛を投入するとすぐに根掛かり、此所は根掛かり銀座だった。
暗くなるまでに、5本も針を根に取られる。
結局、最後には浮子下を3メートルに調整した。

  
此所が戦場
寒い夜だった
夕陽が空をピンクに染めて沈み。
周囲がしだいに闇に包まれて来ると。
東の空に浮かんだ丸い月が、煌煌と輝きを増して来た。
冷たい風が吹き、顔に疼痛を覚えるほどだ。

凍てついた夜は清浄だが凄愴である。
寒さに震えながら。
「芸術は忍耐を要求するのだ!」
と声を出さずに叫んでみる。
(あ〜ぁ馬鹿は死ななきゃ直らない)

1匹目空振り
午後5時40分。
赤く点灯した浮子が、スーーッと海中へ。
合せる!。
道糸が弛んでいて、合わない。
あわててリールを巻き、竿を起こしたが手応え無し。
「ニャローー、百戦錬磨の釣り師を馬鹿にしおって!」
ムラムラと嬉しい闘志が湧き上がった。

フイッシュオン!
餌を付け替えて、根係りポイントぎりぎりに仕掛をプレゼンテーション。
「さーー来い!」
                        
20センチオーバー
電気浮子が黒い海面に真っ直ぐに立つ。
浮子と穂先間の道糸の遊びをなくしていると。
いきなり、激しい勢いで電気浮子の赤い灯りが海底に向かって吸い込まれ。
竿も一緒に引き込まれる。
峻烈なアタリだ。
竿を立てた。
フイッシュ・オン!。

敵は弾丸の様に根に向かい逸走する。
陸上と海中の綱引き、一瞬、動きが停止。
ゆっくり竿を立てると、一撃、二撃と反撃してきた。
リールをギリギリ巻き、敵を浮上させる。
バッシャー、バッシャーと海面が炸裂した。
抜き上げると、暗い空中でバタバタ暴れている。
22センチのメバルだった。

入れ食い
針を飲まれたのでハリスを切り、新しい針を付け替えて再度投入。
浮子が真っ直ぐ立つ間もなく、浮子が海中に消える。
2匹目は、20センチだった。

餌を付け替えて、再び投入する。
2〜3分ほど待ったか、スパッとまた激しく浮子が消える。
今までとは違う。
根に入られまいと、必死に竿を立てた。
綱引きを制し海面に浮上させると、水面でバシャ、バシャと弾ける魚。
引き上げようとした途端、フッと重量感が消えた。
”チロリ〜ン 鼻カラ ナミダ(涙)ーー♪”

1.5号のハリスが切れたのだ。
しばらくボーーゼンとしてしまう。
あの感触は、見果てぬ夢の30センチオーバーに間違い無い。
「クソッーーー!」
いつか、いつか、きっと。

 
 約20センチのソイ
30センチオーバー
気を取り直し再挑戦。
3分ほど待ったか。
アタリが無いので一服しようと竿を足元のテトラに置いた途端。

竿の根本が持ち上がる。
竿を握ッテ。
「ヨッシャーー!」
とリールを巻くと。
重い。
でも動きは鈍感だ。
「・・・・?」
「南無八幡大菩薩!」
と水面から引き上げたのは、32センチのドンコだった。

続けて上がったのは、約20センチのソイ。
まるで魚が海中で、次は俺だ、俺だと、先を争って並んでいるようだった。
この騒ぎは、凡そ1時間ほどか。

納竿
午後6時40分、海は何も反応しなくなる。
「ラッキー・ストライク・アゲイン!」
と待っ事40分。

根掛かりで2号浮子を失ったところで、7時20分納竿。
針は結局、10本根に取られる。
久々に充足感を味わった。
帰りは足が地についていない。
こういう日だってあるから、三流の釣り場も決して捨てたもんじゃないよ。
今日も穏やかとは、縁遠い釣りになってしまう。

  本日釣果   メバル  21〜22センチ 2匹
           ソイ   約20センチ   1匹
           ドンコ  26センチ〜32センチ 4匹

          
本日釣果












The End
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