2004年1月31日(土)阿字ケ浦堤防
   午後6時〜午後7時半

      冬の釣りは修行さ


先客有り
遠くにある薄墨に染まった堤防に、小さい灯りがチラチラしている。
どうやら先客がいるらしい。
夜空には千切れた白い雲が3つ4つ、星はまだ数えるしか表われていない。
半分に欠けた月が、真上にボーッと白く霞んでいる。
風はわずかに西から吹いていた。

寒さが緩んでいるせいか、歩いていると体が汗ばむようだ。
堤防には一人しかいなかった。
ひょっとすると彼か?、と黒いシルエットに近ずき名前を呼んでみた。
闇の中では人物を特定しにくい、それなりに小さい勇気が必要だ。
期待通りの返事がかえって来た。
「アレーッ!遅いじゃないですか」
かくべーさんだ。間違わずに済みホッとする。

新堤防のカレイは?
かくべーさんは今朝、新堤防に行き、5時半から午後3時までカレイを狙ったが玉砕したとのこと。
そこでカレイ専門の千葉フクさんにも会ったらしい。
総勢20人近い釣り人がいたそうだが、全員カレイは何処に?だったようだ。

今夜は活性が?
かくべーさんの足元には、いつもの事ながら、マグロでも掬えるような大タモが用意されていた。
この夢の大きさ、気迫には、毎度のことながら圧倒されてしまう。
本当にこの人は、良い意味での子供のような気がする。
コンビニの空ビニール袋しか持って来ないノビタは、始めから彼とは勝負にならないのかも。

かくべーさんは既に此所で、ドンコ2匹とカサゴを釣ったとのこと。
「今夜は魚に活性がありますよ!」
と励まされ、彼から50メートルほど離れた所で、竿を出したのだが・・・・。
いつの間にか、夜空には無数の星が輝き、月の光りも輝きを増し、堤防は昼間のように青白く照らし出されていた。

時が静かに過ぎて行く。
電気浮子の黄色い灯りが、揺り篭に揺られるように黒い海に漂っている。
堤防に座ってジッとそれを見ていると、眠気に誘われウトウトし、寒さにハッと目覚め、そしてまた眠気に誘われ・・。

突然、無音モードにしていた携帯電話がポケットで奮えた。
耳にあてると、Oのデカ声が耳に飛び込んで来た。
様子を聞かれたので応えると、携帯電話をビリビリ震動させる笑い声が返って来た。
電話の向こうで、大口開けて笑うやつの顔が、目に見えるようだ。
「ガンバッテ、楽しみにしてっから」
が、行かなくて良かった良かった、に聞こえた。

納竿
午後6時〜午後7時半まで1度もアタリ無し。
納竿。
かくべーさんに、先に帰ると挨拶すると。
「来週もまた会いそうですね」
と応えが返って来た。確かに。

というより、これから毎週、かくべーさんと競うことになりそうだ。
彼の大タモは、心強い味方であるが。
尺メバルは小さ過ぎて、網の目からこぼれてしまうのではと、ちと心配になる。
これは単なる取り越し苦労ってやつかな?。

The End
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