2004年8月28日(土)湊寄りの堤防
            午前10時半〜午後1時

  
        サバの当り年

鶴の一声                             波に揉まれる浮子
朝、ゴロンと横になり、目ん玉を、テレビと新聞に行ったり来たりさせていると。
「釣りに行かないの?」
と、まるで邪魔な生き物を、追い出したいようなカミさんの声が上から落ちてきた。
その瞬間、頭の中にパッと閃光が走り、休止中のエンジンに火が点いた。

そうだ行こう。
海で魚が、ノビタを待っているような気がする。
慌てて飛び出そうとすると、カミさんが。
「何を狙うの?」
「サバだよ」
と応えると。
カミさんも、バタバタと後かたずけをし。
自分も行くと、最近、55kg超と太りぎみの体を揺らしながら、玄関に飛び出してきた。

外はよく晴れている。
玄関を出ると、
「洗濯物を干さないで来た」
とカミさんが開き直っている。
ノビタにも責任がある、今年はサバの当り年、狙えば必ず釣れると話していたのだ。

始めの2匹
海は、向かい風がヒューヒューと吹き、三角波が一面に湧き立っていた。
我々がいる場所から50メートルほど沖側に一人、200メートルほど陸側に一人、そして堤防の反対側に3人の黒鯛釣り、釣り人はそれだけだ。
こんな日に釣れるのだろうかと思いながら、強風の中で準備を始める。

仕掛は、市販の船釣り用メバル仕掛に、錘6号を付けた浮子釣り。
餌は冷凍イワシを使い、コマセは面倒なので使わないことにした。
午前10時半、釣り開始。

磯2号5.3メートル竿が、風に押されて後に倒れそうになるのを、強引に前に振って仕掛を海に投入する。
その竿をカミさんに渡し、ノビタ用にもう一本、磯1号の竿を準備をしていると。
「キターーーーーー!」
とカミさんが叫んだ。
まさかこんなに早くと、カミさんを見ると。
カミさんの顔も体もカチンカチンに固まり、湾曲した竿に必死にしがみついている。
カミさんから竿を奪い、竿を起こそうとしたが、起上らない。
そのまま竿が、強引に右に左に引っ張られ。
まるでカンパチか、イナダの引きだ。

やったりとったりしながら、問答無用と海中から引き抜くと、魚が宙を飛んで堤防の上に転がった。
30cm級のサバが2匹掛かっていた。



入れ食い

ノビタも準備が終わり、釣りを開始したが。
10分、20分、・・・・、浮子は波に倒され、沈み、浮き、転び、を繰り返しているだけ。
カミさんにもアタリ無し。

午前11時を廻った。
突然、棒浮子が錐揉み状態で海中に沈み、続いて竿がグイーーンと引っ張られ、アタリだ。
カミさんにも来た。
この一撃が、爆発の合図だった。
以降、疾風怒濤の如くサバが襲ってきた、入れ食いだ。
魚は三流だが、その引きは一流。
カミさんも、阿修羅の如くサバ釣りに夢中になる。

反対側にいた黒鯛釣り師たちも、サバ釣り戦に参加。
堤防の、あっちこっちで、サバが舞い上がった。
サバ以外は、何も釣れない。
海は、サバ一色となる。
                                
    約30cm
午後12時頃、
「餌が無くなって来たよ」
とカミさんに呼びかけると。
「サバの切り身があるでしょ」
の応えが返ってきた。
「・・・・・・?!」
そうだ、釣ったサバなら、餌は掃いて捨てるほどある。
早速、釣ったサバを裁き、その切り身を餌にしてみると。
いきなりダブルでヒット!。

サバは共食いしながら成長する。
貴方の命を私の命に活かしますの、輪廻転生の見本のようだ。

納竿
午後1時、小さなクーラーボックスが溢れるほどサバを釣ってしまったので、打ち止め。
”風と共に去りぬ”と、風が吹きまくる戦場を後にした。
クーラボックスの運び役は、カミさんだ。
楽あれば苦あり、重いクーラーボックスを手に持ち、スカーレット・オハラが、ボロボロに崩れたようなカミさんが前を行き。

その後を、レット・バトラーが、ガタガタに壊れたようなノビタが歩いて行く。
前の方で、ボロボロのスカーレット・オハラが、
「明日も来るぞ」
とわめいていた。

本日釣果
  サバ  約30cm 25匹






























The End。
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