２００５年６月１日（水）　阿字ケ浦方面　ソイ釣り 　　　　　　　　　　　　午後７時〜午後１１時半

ソイ狙い 仲間に遭遇　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　釣り仲間と遭遇 ”あの山越えて谷越えて 　幸い住むと人がいう”のような、風の便りが届いた。 そこには尺を越える大物がいるらしい。 相手にとって不足無しと、体中からパチパチと火花を散らしながら家を飛び出した。 黄昏が溶けてきた海辺で、バイクから荷物を降ろしていると。 近くで海を見ていた２人が近ずいて来た。 �"ＷＯＷ！��ぢ（驚きを表現する英語らしい） まさかこんな所で２人に会うとは、思ってもいなかったのだ。 一人は、アジの干物のような少々肉不足の”ふったさん”。 もう一人は、太くもなく細くもない新ジャガのような”Ｑさん”だ。 大物と戦うには、一人より３人と。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちみもうりょう 勇気倍増して、魑魅魍魎が待つかもしれないラストフロンテイアに向かった。 静かな海 シャキシャキと前を行く若い２人。 その後を、両手と背中に荷物を持った中古でガタガタのノビタが、汗をこきながらヨチヨチとついて行く。 現場につくと、”ふったさん”と”Ｑさん”は、尺メバルのポイントへ、ノビタは尺ソイのポイントに分かれた。 当節、海岸沿いの乱開発の影響を被り、魚の住宅事情も非常に厳しくなり、それぞれの種族が棲み分けして、狭い所に固まって生息しているようだ。 磯竿２号、５号浮子、ハリスは２．７５号と大物に耐える道具立てにした。 釣りを開始したのは午後７時。 まだ明るい。 空は、一面雲に覆われていたが、その隙間から星が２個だけ見えていた。 風は北東から吹いていたが、気にするほどではない。 陸から３０メートルほど沖に仕掛を投入した。 １０分、２０分、３０分・・・赤い電気浮子は、静かに海上を漂っている。 　　敵ながら天晴れな戦士 始めの１匹 すっかり周囲が闇に包まれた時。 いきなり、何の前触れもなく、５号の電気浮子が、スパッ！と海上から消えた。 本能的に置き竿を掴むと。 グググッーーーと竿ごと沖に引っ張られ。 一瞬、虹の閃光が体を貫く。 �"キタ〜！���錫鮠 ����根に潜られないように注意し、繊細に、そして大胆に、竿を上げ下げしながらリールを巻く。 敵の怒髪衝天の抵抗が、ガクガクと手元に伝わってくる。 岸から６〜７メートルほどの所で、バシャバシャバシャと水飛沫が上がったのが、敵の最後の抵抗だった。 そのまま、一気に海から引き抜いた。 ドタドタと地上で暴れる敵をヘッドランプで照らすと、口をカッと開き、無念そうに目をまじまじと瞠ったソイが転がっていた。 恍惚と、感動と、歓喜が、全身を駆け巡った。 何せ、本当に久々の尺オーバーだったから。 そしてまた！ 午後９時過ぎ、ふったさんと、Ｑさんが、アタリの無いメバル釣りを断念し、ソイ釣りに参戦。 時々、アタリがあるが、その都度、フイッシュ・オフ！。 餌を半分食い千切られてチョン。 ふったさんと、Ｑさんには、アタリすらこなかった。 おそらく、始めからソイを狙ってきたノビタと、メバルを狙ってきた人の、準備の違いであろうか。 午後１０時を廻ったところで２人は帰って行ったが。 その直後にまた浮子が消し込んだ。 何度か食い逃げされていたので、浮子が沈んでから１０秒ほど待ち、ゆっくりと竿を立てながらリールを巻いた。 始めの１匹と同じだ。 いきなり強烈な引きが手元に伝わってきた。 やったりとったりしながら、陸に上がったのは先ほどと同じ大きさのソイだった。 逃げた魚は？ 午後１１時過ぎ。 生温かかった風が、冷たい東風に変っていた。 帰ろうかと思っていた時だった。 また、５号の赤い電気浮子が、一瞬のうちにフッと海上から消えた。 リールをソロソロと巻き、ラインの余裕を取ろうとしていると。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レ・ミゼラブル！ いきなり海中から巨人の腕が伸びてきて、バシッと竿を掴み、そのまま海に引き込むような勢いで、竿がなぎ倒された。 竿をギリギリ立てようとすると、ダンプカーに引かれる勢いで道糸が引っ張られ。 それを引き戻そうとした瞬間、フッと無重力状態に。 竿が反動で、後ろに跳ね上がった。 仕掛を回収して点検すると、ハリスが針のちもとからボロボロになって切れていた。 �"一体何だったのか・・・・・・・？���錫鮠 ����この正体は次回の楽しみと、あまり執着することなく。 午後１１時半、納竿。 久々の充足感が全身に満ちていた。 来る時にはヨチヨチ歩きだったノビタが、２０年も若返ったようにシャキシャキと、墨色の夜の底を帰って来た。 　　つづく 本日釣果 　　ソイ　　３０ｃｍ　２匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日釣果

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