| やっと1匹・・・ 雨上がりの夜明 未練が尾を曳く。 「イワシチャンは行って行ってしまった イワシチャンは行って行ってしまった もう帰らない♪」 (「よこはま・たそがれ」by五木ひろし) 昨夜の雨のせいか暖かい朝だった。 ピンク色の空の下に、昨夜の名残の黒々とした雲が海上に横たわっている。 海も穏やかだった。 無風。堤防を歩いて行くと全身が汗ばんできた。 ノビタの目指した目的地には先客が4人、少なからぬ落胆。 この季節にしては、随分気合を入れた朝駆けだったのだが・・・。 しかたがないので、不本意な所に荷物を下ろした。 風が強くなり 午前7時、釣り開始。 磯竿2号5・2メートルを2本出し、仕掛けは足元にポチャーンと落とした。 北からの風がしだいに強くなり、浮子が波にもみくちゃにされている。 先客4人は、良形のアジや、メバルや、カワハギなどを上げていた。 ノビタには忘れたころに、アジ、コノシロ、タナゴなどがきた。 浮子から20メートルほど沖を、時速80キロメートルほどのスピードで、40〜50センチほどの砲弾のような形をした魚が群れをなし走って行く。 「せまいニッポン、そんなに急いで何処に行く」 と聞いてみたいヨッ。 100メートルほど沖で、バシャバシャバシャとナブラが起った。 ー魚はいる、間違いなく魚はいる。でもどうすりゃいいんだ?。 やっと会えた 午前9時半、堤防から30メートルほど沖に投げておいた赤い浮子が、波間からズボッ!と消えた。 ー運命のダダダダーンか!?。 リールを慎重に巻いてくる。 竿が風に押されて手応えが感じられない。 浮子はなかなか海面に表れなかった。 そして堤防の上でパタパタ跳ねたのは、ナント!、待望のマイワシ、24センチ。 この1匹は、明日への希望の灯なのだろうか?。 それとも最後のチーンなのだろうか?。 まだまだイワシ熱はおさまりそうもない。 風がますます強くなってきたので午前10時、納竿。 今日も釣り日和だったのに 帰る途中、仁王さんに会う。 先週のマイワシ戦で共に戦った戦友である。 顔が、法隆寺中門の金剛力士像に似ているので、仁王さんとノビタが勝手にそう呼んでいる。 でも体は、金剛力士とは、にてもにつかない太鼓腹をしている。 法隆寺中門金剛力士の身長は3・78メートルに対し、彼は1・7メートルでがにまた、ズングリムックリである。 マイワシと戦っている時の彼の顔は、まさに仁王であった。 普段でも非常にとっつきにくい。 そんな彼に、 「イワシを1匹釣りましたよ」 と声をかけると、途端に顔を熱い湯で溶かしたように崩して、 「そうかい」 と言いながら通り過ぎて行った。 本日釣果 マイワシ 24センチ 1匹 アジ 17〜20センチ 4匹 タナゴ 18センチ 2匹 コノシロ 24センチ 1匹 本日の釣果 The END |