此処にもタコが! 空も海も夏色 青空に歓声! 「やっとだよ。やっときたよ!」 と声を上げながら。 ふったさんにタモで掬ってもらい、堤防の上に転がったタコを見ていた。 ーまいったか、タコ入道! 所詮、霊長類ヒト科のノビタさまに叶うわけがないのだ。 雲に覆われていた空が裂け。 見晴らす限り夏色の青い空、碧い海が広がる。 南風が、磯の香りと爽涼を絶えず運んでいた。 話しがそれるが。 1927年5月21日、チャールズ・リンドバーグが、ニューヨーク―>パリ間5809キロの大西洋単独無着陸横断飛行に成功した。 その彼の、 「なんと大洋の美しいことよ! なんと大空の澄んでいることか! 点のような太陽! 何事が起ころうと、この瞬間、生きていることでたくさんだ」 (by チャールズ・リンドバーグ) の歓声を、そのまま引用したい気分だったよ。 日立フイッシングセンターサウス店で 6月29日(金)に、日立フイッシングセンターサウス店に、新たに「明日に賭ける釣り」が入荷(5度目)された。 既に累計で、日立フイッシングセンター様だけで90冊が販売されている。 これも皆さんのご支援の賜物。引き続きご支援のほど宜しくお願い申し上げます。 朝、ノビタのサイン入りが欲しいという連絡があり、日立フイッシンセンターサウス店に行くと、そこで偶然にもふったさんに遭遇。 彼と話しをしているうちに、本日、湊寄りの堤防にタコ釣りに行く商談(?)が成立。 早速、彼にお店に陳列されている”秘太刀タコ驚倒”を薦めた。 秘太刀タコ驚倒 仕掛けと釣り方 右図は”秘太刀タコ驚倒”である。 餌を結わえるタコ糸と30号の錘付きで、普通のタコ天より200円ほど安価。 その仕掛けに、スーパーで小アジ8匹100円のパックを購入し、図のように結わえた。 仕掛けの裏に橙色のボタンが付いていて、タコ糸の残りをこれに鋏むようになっている。 餌のアジを付ける この仕掛けを、岸から30〜50メートルほど沖に遠投し、タコが掛かるのをひたすら待つ釣りである。 アジが爆釣していた ふったさんと2人で、釣りを開始したのは午後12時10分。 ノビタはタコ1本勝負、ふったさんはタコとイカの2本立て。 裏側から見ると 薄い雲に覆われた空から、弱い陽光が堤防を射し、南からの風が絶えず吹いていた。 無数の小波が起つモスグリーンの海上を、小魚が数匹跳ねて疾走して行く。 50メートルほど沖で鵜が首を出し、すぐまた海中に潜った。 一見、静かな海も水面下は、弱肉強食の修羅場になっているのか。 堤防には、6〜7人の釣り侍がいたが、そのうち2人は”堤防を枕に討ち死に”したのか、堤防上に大の字に転がっていた。 堤防全体に沈滞ムードが漂っていたが、午後12時40分。 我々から30メートルほど左側で、18センチ前後のアジをダブルで上げた人がいる。 その彼が仕掛けを戻すと、またアジが3匹、一荷で上がった。 その気配に、”堤防を枕に討ち死に”していた2人が蘇(よみがえ)り、慌ててアジ戦に参加し。 以降、この3人は午後2時半まで切れ目なくアジを釣り、一人30〜40匹のアジを釣ったようだ。 その入れ食いを垂涎の目で眺めていたノビタは。 このままでは済まされない。 ー次回は宿命のタコ戦を一時休戦し、アジと対決しよう。 と密かに決意したのである。 そしてその時が 釣りを開始して、30分、1時間、1時間30分、2時間経過。 「松の木ばかりが まつじゃない 時計を見ながら ただひとり 今か今かと 気をもんで タコを待つのも まつのうち♪」 (『まつの木小唄』by 二宮ゆき子 歌) そして午後2時15分。 リールを巻きながら竿を持ち上げると、動かない! 全身で竿を持ち上げたけど、動かない。 ーあ〜ぁ、泣き面にとどめの根掛かり! ーでも・・・。 ーあきらめるのは早いのでは? ーif・・・もしも、ひょっとして。 と、ため息を漏らしながら、糸をゆるめて竿を堤防の上に置いた。 そのままにして待った。 青い空に白い雲 しばらく周囲をブラブラして戻って来た。 根掛かりしてから3分ほど経過しただろうか。 竿を前に倒しながら、ひょっとすると針に掛かっているかもしれない敵に、勘ずかれないようリールをソロソロ巻き、ラインにテンションが掛かったところで、 ーエーーーイ! と竿を全身で引き起こすと。 ー・・・・動いた! 「ふったさん、タモ頼む!」 と叫びながら、リールをガンガン巻いた。 ー海底で。 道糸が弛むと、タコ入道は自由の身になったと勘違いし、貼り付いていた岩盤を離してウロウロしていた。 ところが青天の霹靂、なんの前ぶれもなくいきなり体が宙に浮いて、 「しまった〜!」 と叫んだ時には、後の祭り。 タコ入道は茹でダコになるために、水中を上昇して行ったのだ。 引き上げられたタコは、500グラムとちと小ぶり。 ータコちゃん無念でしょうが、輪廻転生、あなたの命を私の命に活かします。(チーン) と、スカリに入って頂いた。 納竿 午後3時、アジの入れ食いを堪能していた3人が帰って行った。 かれらは、今朝の3時から釣りをしていたと言っていた。 ご苦労さまでした、でも最後に良い思いをしたようで、良かったです。 午後3時半、 「タモたのむー!」 と、ふったさんが叫んでいる。 オタオタと駆けて行き海面を覗くと、甲イカが浮かんでいた。 無事、タモ入れ成功! ふったさんも、これが初めで最後となった。 午後4時40分、納竿。 なんとも渋い釣りであったが、明日への希望につながるアジの入れ食いを見たので良しとしよう。 でも此処で釣れるサイズは、スーパーに行くと8匹で100円。 新鮮だ!、芸術は金ではない!と言うけど・・・、正直、戦う相手に不足あるな〜。 「その日その日を最高の日にしょう。 毎日がこの世の最後の日だと思わないうちは、何一つ正しく見ることが出来ない」 (エマーソン) 本日釣果 真タコ 500グラム 一杯 The END |
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