2007年10月12日(金) 湊寄り
                午後4時半〜午後7時
ノビタの釣り天国



     メバル狙いだったのに・・・
   

                          
                風あり
朝のニュース
朝。
民放のテレビを見ていると、黒川紀章氏が亡くったニュースが流れていた。
そこで、某新聞に掲載されていた、若尾文子さん(黒川氏の奥さん)の話しが紹介された。

病院のベットで。
黒川氏が息を引き取る直前、
「悪い妻ですみませんでした」
と奥さんが黒川氏にあやまると。
彼が、
「そんな、そんな、そんな、そんな」
続いて、
「大好きでした」
と答えが返ってきたそうだ。
それが、黒川氏の最後の言葉だったらしい。
感動的で美しい。

テレビを見ていた我が家の奥さん、
「あなたも言いなさいよ(死に際に)、『わたしは悪い夫でした』と」
続けて、
「そうしたら、『そうでした、あなたは悪い夫でした、来世は今度こそ良い夫を選びます』と答えるわよ」
と言いながら、我が家には、ゴキブリ以外にも邪魔な生き物がいるような目つきでノビタを睨んだ。
一瞬、冷や汗が。
身に覚えがあるので、冗談とも思えない。
でも、
ー身に覚えはあっても、死に逝く人にそこまで言うか。良いところもあったはずだ(ヤイ!)
と我が家は、ノビタが死ぬ時も美しくないのである。

暖かい堤防に
雲が多い空だったが、雲間から強い陽射しが堤防に降り注いでいた。
風が吹いていた。
北から結構強い風だ。
海面は、そそけ立つような皺が幾重にも起こっていた。
でも気温は高く、シャツ一枚でも寒くない。

堤防の上には、十数人の釣り人が、思い思いの釣りをしていた。
一番多いのはルアーマンだが、空振りが多い。
まだ黄昏までには充分時間があると、ゆっくりと準備をはじめる。
磯竿2号を2本準備した。
今日は、妥協点を低くしてアジ、ひょっとしてメバル狙いである。
釣りを開始したのは、午後4時半。
満潮が午後4時10分なのでまだ潮は動かないと、しばらくは竿1本で釣ることに。
仕掛けは、竿の先に鈴を付け、アジサビキ針に沖アミをつけ、その上にコマセ籠を付けて、足元の海底に沈めておいた。
                                              
    仕掛
はじめの1匹は
午後5時10分。
竿の先に付けた鈴が、
「きましたよ旦那!」
と、リリン、リリン、リリンと鳴りだした。
竿先が、”へ”の字から、”の”の字に変わり、大きくお辞儀を繰り返す。
ー本命のメバルか?

いつものことながら、この瞬間、心臓がパタパタとはためいたのだが・・・。
竿を取り、リールを巻くと、竿先が右に、左へ。
ー・・・サバだ!
慌てて、問答無用とばかりに、ガン、ガンとリールを巻いた。
上がったのは、やはりおよびじゃないサバ。
でも塩焼き用にキープ。
仕掛けはゴチャゴチャにされていた。
これでは、竿2本は扱えないと、1本は仕舞った。

       
まだアタリなし
やっと良形アジが
このあとも、サバとの厭戦をしいられ、どんどん士気が阻喪し。
頭の中は、焦燥の雲やら、倦怠の雲やら、失望の雲やらが渾然一体となり渦を巻いた。
いつか周囲は暮色蒼然となり、周囲から釣り人が消えて堤防は貸切状態に。
北風はますます強く、竿が吹き飛ばされそうになってきた。
また今日も、北島三郎の『帰ろうかな』が聞こえてきた。
「淋しくて 言うんじゃないが
 帰ろうかな〜♪」

午後5時50分。
鈴が鳴った。
右下方向に走る、サバではない。
ー・・・メバルか?!
と思ったが、上がったのは23センチほどのアジ。
このあと単発だが、良形アジの入れ食いが続き、ホッ。

エビとタコは共存共栄?
夢中になってアジ釣りをしていると。
「どうですか?」
といきなり闇から声が発射され、ノビタに向かって飛んできた。
ギョッとして振り向くと。
うす闇の中に、黒々とした大男のシルエットが。
別に害を及ぼすような人ではないようだ。

彼の問いに応えたあと。
彼は何を狙っているのか聞くと、タコとエビの二兎を追い、タコはまだだがエビは2匹釣ったと言う。
エビが釣れる時は、エビの天敵のタコはいないのではと聞くと、
「タコとエビは共存共栄できますよ」
と、これまでの常識をくつがえすような事を言った。
一概には信じられなかったが。
このあと帰る途中、彼の言うタコとエビの共存の話しが、信じられるような事を目撃したのである。

納竿
アジの襲来は、”疾きこと風の如く”一瞬であった。
午後6時半を過ぎると、急速にアタリが遠くなり、いつかアタリは消えてしまった。
午後7時、納竿。
暗闇に、ケミホタルの黄緑色の明りが点、点、点、点と並び。
棒杭のような釣り人のシルエットが、幾つかある。
「秋深し 隣りはなにを 釣る人ぞ」

黄緑色の明りは、エビ釣りの竿先につけた灯り。
棒杭のようなシルエットはタコ釣り、だった。
数えて行くとエビ釣りが5人、タコの探り釣りが4人。
ータコとエビは共存するのだ!
タコが釣れる時はエビはいない説は、もはや古い話しのようだ。
メバルは、もう少し水温が下がるまでは期待薄なのかも。

本日釣果
アジ 20〜24センチ 15匹
サバ 25〜28センチ  8匹






















The END
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