2007年11月8日(木) 日立港沖堤防
                 午前6時55分〜昼12時半
ノビタの釣り天国



      タコはまだまだ健在
   

                          
               天気は上々
新たな闘志
先週は、最後の最後に大タコを逃がし、
「 ベイビー
 おまえを俺のものに することは
 叶わぬ悲しき 願いなのか
 だれのせいでも ありゃしない
 みんな おいらが悪いのさ
   ちゃんちゃか ちゃんちゃかちゃ〜ん♪」
と、エリック・バードン&アニマルズの『悲しき願い』を口ずさみながら、タコが消えた海をボーゼンとみつめていたのだが。

傷心を癒すために一昨日、床屋へ。
そこで、若い女性の理髪師とタコ料理の話しをしていると、体中に元気が湧いてきて。
またまた”タコこそ我が命”と、日立沖堤に出撃することに。

ロシュナンテ頑張れ!
朝、5時10分、自宅前。
ロシュナンテに跨り、スタータをオン。
「クシュ、クシュ」
と喘いだあと、沈黙。
ーどうした?
もう一度、スタータをオン。

「クシュ、クシュ」
と喘ぎ、沈黙。
ーお〜ぃ、どうしたい!
走行距離1万8千キロ、人間で言ったら70歳ほどのロシュナンテ。

いつ死んでも可笑しくない年だが。
今、『短くも美しく燃え』なんてつぶやきながら、死んでもらったら困るのである。
ー死ぬなよ、死ぬなよ。
と口の中で声をかけながら、スタータをオン。

そしてとうとう、
「クシュ、クシュ、シュッ、シュッ、シュッ・・・、ルルルル・・・」
と息を吹き返した。
5時半を廻っていた。

        
紅く染まる堤防
2番船に間に合う
すでに東天は白み。
その底は、薄っすらとピンク色に染まっていた。
中天に、白い三日月と、星が、朝日に霞んで浮かんでいる。
寒い朝だった。
2番船に乗ろうと焦りつつ、冷気を裂いて突っ走った。

午前6時15分。
日立港第5埠頭船着場。
やや強くそよぎ出した西風に、旗がハタハタとなびいている。
日立フイッシングセンターの2番船に乗り込んだのは5人。
そのうちノビタを含む3人が、タコ釣り師だった。
ノビタは中央で下船。
堤防に立ち南側を眺望すると、栃木のタコ釣り名人がいた、彼に向かって手を振りながら北へ向かった。
斜めに射す朝日を受け、堤防も港も赤く染まっていた。

先週は、”つ”抜けと、期待が大き過ぎて惨めな結果となったこともあり。
今日は美空ひばりの『柔』の心で、
「勝つと思うな 思えば負けよ
 負けてもともと この胸の♪」
期待はひかえめに。

はじめの1杯
北西の方向から、ゆるい風が吹いていた。
今日も、青い海、青い空。
遮るものがない空から、燦々と降り注ぐ陽光が眩しい。
まるで、
「光る海 光る大空 光る大地
 行こう無限の地平線♪」
      (『エイトマン』by 前田武彦 作詞)
の舞台だ。
時々、白い波飛沫がテトラの間から舞い上がる。
閑散とした堤防に3人の先客がいた、中に久慈浜のタコ釣り名人もいる。

午前6時55分。
第一投、サンマを結わえたタコ天仕掛けをドボーン!と海面に落とした。
この瞬間が、もっとも熱い。
希望の白い雲が、胸中一杯に湧いているのだ。
そして、10分、20分、30分・・・経過。
希望の白い雲が、失望という灰色の雲に変化していく。
今朝、同船したこの道20年のタコ釣り名人が、はじめの1杯が釣れるとホッとすると話していたが、名人でもそうかと感じいったのだが・・・。


午前7時30分。
ヒョコヒョコと海底を移動していたタコ天仕掛けが、ピタッと停止した。
反射的に、ガーンと竿を跳ね上げた。
ゴミのような物が持ち上がる。
ータコだ!

ガン、ガン、ガンと竿を三度、大きく煽り、タコ天の針をタコの体に深く食い込まし。
そのままリールを巻きタコを水面に。
水面に浮いたタコを目で確かめ、
「オーレッ!」
とそのまま堤防の上に。
「ペシャッ!」と堤防の上に落ちたのは、600グラムほどの小ぶりなタコだった。
小さくても嬉しい1杯だ。
釣ったタコをスカリのある所まで運ぼうとすると、「シュッ!」と勢いよく顔に水をぶっかけられた。
渥美清ではないが、
「たいしたもんだよ、タコのションベン!」
一矢(いっし)でなく、一ションベンを報いられたのである。
                                      
穏やかな海で
危険がいっぱい!
午前8時5分に、1キロほどの2杯目を追釣。
午前8時25分に、600グラムほどの3杯目を追釣。

それから10分ほど経過した時だった。
竿を上下にシャクル手に突然、マッタ!がかかった。
ガンと竿を持ち上げたが、動かない。
固さの無い吸着。
ータコだ!
大きそうである。

この瞬間、エルヴィス・プレスリーの『この胸のときめきを』が、
 「When I said "I need you"
  You said you'll always stay♪」
流れてくるような・・・。
舞い上がる気持ちを抑え、道糸を緩めて竿を堤防の上に置く。

それから3分。
竿先を海面に向けながら道糸のたるみを取り、腰を落とし、
「エーーイッ!」
と竿を持ったまま、仰け反った。
と・・・。
竿が、おもいっきり空に跳ね上がった。
ーああ。仕掛けがない!

仕掛けを繋いでいた”より戻し”が、半分から切れていた。
このタコ天、昨日、倉庫から見つけ出してきたもの、点検が甘かった。
頭の中で、何度も後悔がこだまする。

このあとも仕掛けを根に掛けて、次々とロスト。
アランドロンの出演した映画『危険がいっぱい』ではないが、ここは岩礁地帯”危険がいっぱい”なのである。
午前9時15分までに、3個の仕掛けを失ってしまった。
仕掛けは残り1個、餌のサンマは1匹。
もうあとが無い。
映画の題名『熱いトタン屋根の猫』のように、タコ天仕掛けが岩盤に触れるたびにピョン、ピョン跳ねて、思いきって攻めることが出来なかった。

納竿
1時間、2時間、3時間・・・。
大旱(たいかん)に雲霓(うんげい)を望むが如く、タコを探り続け。
危険に神経が鈍磨してきたわけではないが、現状を打破しようと。
「Go to break!(当たって砕けろ)」
に転じた。
これが良かった。
午前11時45分。
本日最大の1.8キロをゲット!
でも昼の12時20分に、とうとう最後の仕掛けを根に掛けて失ってしまう。

本日のタコ戦は、巡洋艦3隻と空母1隻を撃沈、戦艦4隻を大破したような戦いであった。
船着場に行くと、近くで栃木のタコ釣り名人が釣りをしていた。
彼は、2.2キロを含むタコを4杯釣ったようだ。
今は、友人とヒラツメカニを狙っているのだが1時間ほどで1匹と、そちらの方は駄目のようだ。
午後1時の船で帰ってきた。

「人間よ。汝、微笑と涙とのあいだの振り子よ」
      (ジョージ・ゴードン・バイロン)

本日釣果
  真タコ  0.6〜1.8キロ(合計 4.2キロ) 4杯



















The END
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