土壇場で大アジが♪ 太陽が靄の中へ 久々の快晴 午後3時過ぎ。 久々の、”太陽がいっぱい”の空。 陽射しは既に真夏。 微かな風の気配が庭から部屋のなかに動いていたが、立っていても汗ばむ陽気だ。 アジ戦の欲求不満が、尾を引いていた。 どうしても成就したいアジへの想い。 風呂も洗ったし、買い物も終わったし、布団干しも終わった。 「行くぞ!」 と我が家のキム・ジョンイルに聞こえるように声を上げると。 オウム返しに。 「顔が真っ黒になるから、もう少し陽が弱くなってから行きなさい」 と庭から、ドスの効いた声が。 顔は既に真っ黒、今さらなんだである。 ーアジは顔で釣るんじゃないゾー。 と声を出さずに叫びながら、家を飛び出した。 すべて靄の中 ロシュナンテに跨り突っ走っていると。 前方に忽然ともやが湧き、どんどん空も、海も、陸も、そのベールに包まれていく。 そして、ロシュナンテも靄に覆われ。 途端に冷気を浴び寒気が全身に。 一瞬、戦意が削がれUターンしたくなったが、”ナイと思うな運と奇跡”とみずからを鼓舞し、もやの中に突っ込んで行った。 靄の中で 海は一天四海霧の中。 まるで鶴田浩二の、 「今の世の中、右も左も靄の中(真っ暗闇)じゃございませんか」 の世界だよ。 見えるのは、足元から10メートルほど先までのコンクリートの道だけ。 そんな五里霧中を行くと。 もやの中に、一人、また一人と、4〜5の釣りをしている人影があった。 午後4時前、いつもの場所に着いた。 堤防には静寂が貼りついていた。 と・・・。 ここでよく会う釣り人を発見。 様子を聞くと。 短答不可能な顔をして、朝の10時から来てまだ1匹も釣っていないと言う。 ー少なからずショック! 彼は決して初心者じゃない、そんな彼が5時間やってまだ1匹も釣れていないのだ。 万年初心者のノビタが釣れるとは思えない。 と弱気になる心を張り倒し、彼から出来るだけ遠く離れた所で(釣れない人の側を避けたのである)準備をした。 不動浮子 海は無応答 釣りを開始したのは、午後4時。 竿は2本出し、岸から10メートルほど沖に浮子仕掛けを投入した。 海はべた凪。 ひんやりとした南風が、カサカサとビニール袋を揺すっていた。 10分、20分、30分・・・1時間、浮子は静止したままだ。 時々、餌の沖アミを点検すると餌だけ取られていた。 一人去り、二人去り。 いつか堤防は、ノビタと隣りにいる釣り人の二人だけとなってしまった。 「もしもしアジよ、アジさんよ。応答せよ。応答せよ」 と呼びかけるのだが。 「あなたは来ない いくら呼んでも。 白い雨が ただ降るばかり♪」 とアダモの歌が聞こえてくるだけ。 その時 午後6時。 これまでに、クサフグを1匹釣っただけ。 これ以上やっても無駄と、あと片付けを始めた。 残っていた沖アミと、コマセを海に撒いていると。 足元の海面に、細く黒い鉛筆サイズの魚が十数匹群れている。 ーイワシだ! 25センチオーバーも 窮余の一策、浮子を外して仕掛けを足元に下ろしてみた。 そのまま置き竿にし道具を片付けていると。 磯2号5.3メートルの竿先が、いま流行の(?)お詫び記者会見のように、ペコペコお辞儀をしながら深くうなだれていく。 その時はイワシだと思い。 問答無用とばかりに、容赦なく一気に仕掛けを水面の上に。 と。 ージャジャーーン! 良形のアジが仕掛けに。 アジは口が弱く針から外れやすい、だから取り扱いには充分注意が必要なのに、なんという無茶をしたものと。 一瞬、冷汗三斗。 水面から堤防の上には、ニトログレセリンを扱うようにソロソロと引き上げてきた。 堤防上で跳ねたのは、一陽来復の24センチオーバーだった。 仕掛けを海に返すと、今度は片口イワシがゾロゾロと2匹。 続けて、今度は25センチオーバーのアジ。 次々と、アジとイワシが。 まるで、海が急に沸騰したような騒ぎだった。 納竿 午後6時半。 餌を使い果たし、アジがダブルで掛かったところで納竿。 午後4時から午後6時までの30打数ノーヒットは、何だったのかと思うような幕切れであった。 「女が男を待たせるのは、もっと期待をふくらませてあげたい一心からなの」 (ヘネローレ・エルスナー ドイツの女優) 本日釣果 アジ 18センチ〜25センチ 7匹 片口イワシ 17〜18センチ 7匹 メバル 15センチ 1匹リリース The END |
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