2009年10月2日(金)  某沖堤防 タコ釣り
                    午前6時40分~午後2時
ノビタの釣り天国



           タコ15匹!

                                     帰途は本降り
運まかせの渡船
かたさんとノビタが渡った船着場は、船長が薦めた所ではない。
なぜその釣り場を選んだのか、よくわからない。
神に導かれたのだろうか。
ともかくサイは投げられたのである。
「Play for all or nothing!(のるかそるかだ)」
と、タコ釣りの準備をし。

午前6時40分、開始。
それから10分ほど経過したとき。
「釣れたぞーー」
と50メートルほど後で、かたさんが叫んだ。
かたさんが、良形のタコを仕掛けごと宙にかざしている。
この瞬間、不安が雲散霧消した。
ータコはいた!

タコ大脱走!
闘志を体からパチパチ放電しながら、堤防下を攻めた。
かたさんが釣ってから5分後。
ノビタにも歓喜勇躍の、2キロ近い始めの1匹が釣れた。
ところが世の中、お先真っ暗。
1匹目の1/3ほどの大きさの2匹目が釣れ、それをバッカンに仕舞おうとした時である。
「ヒィー」
と呻いて腰が抜けた。
さっき釣ったタコがいない、バッカンはも抜けの空だった。
ーああ。

釣れたタコは網袋に入れ、バッカンに入れていた。
ところが・・・。
「お前の不幸には、わけがある」(ビート・たけし)
その網袋の底が破け、かつバッカンのチャックが少し開いていたのである。
それにしても、タコ釣りをしながら手に持っていたバッカンから、大脱走するタコに気がつかなかったとは・・・。
ー男子一生の不覚であった。

「わたしバカよね おバカさんよね
と頭の中で、後悔が何度もこだました。
喪失の痛みに耐え。
レイズ岩村明憲の座右の銘「何苦礎魂(なにくそたましい)」だ。
火の玉になり、再挑戦。
この情熱が花咲くように、このあとポン、ポン、ポンと次々に小ぶりながらタコが釣れた。

        
お友達と一緒に
奇跡が起きた
朝のうちは白い雲の裂け目から青空が広がり、天気予報が外れたと喜んでいたのだが。
午前9時。
気象庁が雨雲を集めてきたかのように。
たちまちねずみ色の雲が空一面に広がり。
空気が重くなったと思ったら、ポツリ、ポツリと雨のしずくが天から落ちてきた。
南風も吹いていたが、気温が高かったのでさほど苦にならず。
用意してきたカッパに着替え、タコを探り続けた。

午前10時過ぎ。
海底を小突く動きに、マッタ!が掛かった。
竿先を跳ね上げると、手応え充分な重さだ。
一気に海底から、
「エンヤードット、エンヤードット
と獲物を堤防の上に。
転がった獲物を見て、吃驚仰天!
なんと摩訶不思議、ダリの絵を超える光景がそこに。
一つのタコ天に、タコが2匹もかかっていたのである。
これ以上は望めない幸運に、心は宙返り。

タコの探り釣り作戦
タコの探り釣りは単純である。
でも結構、奥が深い。
今日、攻めたのは、穏やかな湾内であったが、また新しい発見をした。

その一つは、タコの気配を知ること。
海底をタコ天で小突きながら攻めていると、貝殻などに針が刺さりブレーキが掛かる時がある。
また絡み付いてきたタコの足に針が刺さり、ブレーキが掛かる時がある。
いずれもタコ天を持ち上げると外れるのだが、問題はブレーキが貝殻だったのか、タコだったかである。
もしそれがタコならば、もう一度そこを攻めると、またタコが飛び掛ってくる可能性大なのだ。
このブレーキの微妙な違いが分かるか、分からないかが運命の分かれ目である。

もう一つは、タコの宙釣りである。
これは、堤防下にゴロタ石が沈積していて、根掛かりしそうな海底での攻め方である。
タコを攻めていた時、こんなことがあった。
タコ天仕掛けを海底に沈めて行く途中で、タコが飛びついて来たのだ。
この時、特大のビックリマーク『!』が、頭上にそそり立ったのである。
ーこれである!

このあと、このヒントに基づいた戦法で攻めると。
なんと根掛かり地帯で、3匹のタコが、宙に浮くタコ天に次々と飛びついてきたのである。
その攻め方だが、まずタコ天仕掛けで底をとり、そこから10センチほど仕掛けを浮かせ。
そのまま竿先を上下に小刻みに10秒ほどシャクり反応がなかったら、次に移動して同じように攻めてみる。
この繰り返しである。
ただし海底の起伏が大きい岩礁地帯では、仕掛けの位置が高くなり使えないと思う。

納竿
午前10時20分までに9匹釣り上げ。
このあとしばらく釣れなくなり、昼過ぎに場所を変えてからバタバタと6匹追釣した。
午後1時ころから雨足も、風も強くなってきた。
午後2時半、迎えの船に乗り帰ってきた。

沖堤防は、ルアーで青物を狙う釣り士が多く、タコを専門に狙う人は我々の他に一人しかいなかった。
しばらく楽しめそうだが釣れたタコはみんな小ぶり、「めでたさも ちうくらいなり おらが春」である。

「大きいのでも1匹、小さいのでも1匹、一匹は一匹、
 女は女や、からすると今日はモテモテや」
  (開高 健)

本日釣果
  真タコ  300グラム~800グラム  15匹


















The END
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